2013年9月18日水曜日

青笹山アプローチ

二万五千図 「七面山」

ここは、行こう!と思わないとなかなか行けないところだと思います。 山梨県と静岡県の県境の青笹山です。 
雨畑と井川を結ぶ井川雨畑線が通行止めになって3年目、林道が使えたら山伏峠から行くのが順当なのでしょうがそれが叶いません。
北岳から間ノ岳、農鳥岳と南下する白根南嶺は広河内岳、笹山、転付峠、笊ヶ岳、布引山、青薙山、青笹山、山伏、八紘嶺、十枚山と続き、最後の最後は日本平で太平洋なんです。その長大な尾根の中で、なかなか取りつきにくいのが笊ヶ岳から山伏間の雨畑川左岸の県境の尾根です。


静岡との県境の尾根は長大な枝尾根を野呂川、雨畑川に落としています。尾根と尾根の間は沢ですが、奥沢谷、稲又谷と流域面積のとても広い沢です。当然尾根もでかいです。
奥沢谷には布引山を経て笊ヶ岳に至る登山道があります。登山道は奥沢谷の広河原から尾根に取りつきますが、その尾根は布引から雨畑湖に落ちる長い尾根の枝尾根で、布引の山頂手前で長い尾根に合流します。そこが布引ガレの縁で、長い樹林帯の急登をこなした後で展望が開けるところです。奥沢谷の北側の尾根は‘ランカン尾根’といって、小笊につながっています。
奥沢谷の南の尾根をまたぐと稲又谷です。稲又谷の南の尾根は県境の山‘青笹山’からの枝尾根です。特に名前が見つからなかったので青笹山東尾根ってことにしときます。

去年も県境の尾根に取りつくのに藪尾根を登っています。 こちら 稲又谷の南の遠沢(えんざわ)の南の尾根でした。林道井川雨畑線の現在の最終集落‘長畑’のすぐ先にゲートがあって先に進めません。ゲートの写真です。遠沢の橋を渡って林道のカーブから取りついたのでした。

今回の取り付きのカーブ

今回の青笹山東尾根は去年の尾根と比較して、標高差はさほど変わらないものの、距離は倍くらいあるように見えます。
数ある末端の枝尾根のどれに取りつくか?
尾根の末端から忠実にトレースすることが目的ではなく、東尾根からなるべく楽に青笹山に行きたいための下見の山行でした。
林道に接した尾根の末端を観察しながら車を走らせると、取り付きやすい尾根は意外と少ないものです。脆い岩だったり、コンクリートの吹き付けだったり、取り付きから尾根の主稜線までの尾根の様子も地図上で確かめながら取り付く尾根を決めました。


尾根に取り付いてしばらくしたらこんなものがありました。獣は濃い感じです。


概ねこんな感じで、藪はほとんどありません。ブナとヒメシャラの美しい森です。

主稜線に出ました。

けもの道

架線の跡とかはいくつかありましたが、仕事道は薄かったです。
けもの道も利用しながら歩きやすいところを選びながら登って行きます。


1920mの三角点です。
柱石がなぜかありません。三等三角点らしいです。三角点名は‘室草里’国土地理院の情報

八汐崩れ

八汐崩れ

これは流域最大の崩れです。名前のいわれはわかりません。


布引山の布引崩れから見た八汐崩れ
崩れの左のピークが1920mの室草里の三角点。青笹山東尾根攻略のめどがついたので、三角点まで行って八汐崩れを確認して下山しました。あいにく雨が降り始めました。

椹の巨木

青笹山東尾根の標高1500m位のところにありました。登った枝尾根を下ろうと思ったのですが、少し欲が出て中途半端な気分でとなりの尾根に入ったつもりが、尾根をロストした下り。藪山はやはり下りの方が圧倒的に難しいです。

車に戻って家路につきましたが、なんか気分がすっきりしません。
地名をはじめとして、このエリアのこと、わからない事がいっぱいあるからでしょう。

室草里の集落を通り過ぎて稲又の集落に入ったら立派な家がありました。
山仕事をしている人ならいろいろ知っているかと、情報収集に寄らせていただきました。


手前はアワとヒエの畑です。山の中では稲作は難しいのです。

立派なお宅で、地元では‘親屋’と呼ばれているそうで、旅館かと思ってしまいました。
このあたりでも昔は養蚕をしていて、2階部分は蚕室なんだそうです。昔は近所の集落から大勢の人が働きに来ていたそうです。

山の事も含めて、昔話もいいよ!と近所の方を紹介されました。


望月ふみ江さん 95歳
地元でも有名な、いわば語り部さんのようです。笹山東尾根の地元での呼び名を知りたかったのですが、どうも固有名詞はない様でした。八汐崩れはご存知でしたが、名前の由来はわからないとのことでした。でも稲又谷の左岸についていた仕事道はご存知で、‘しりょう道’と呼ばれていたようです。しりょうは資料なのか飼料なのかは確認取れませんでした。しりょう道は今の所ノ沢越に通じる道で、昔は西沢峠と呼ばれていました。大井川の椹島に物資を運ぶのに、井川を回るより雨畑から運んだほうが早かったそうです。
すごいですね!山を知り尽くしていないと知り得ない事のように思えました。


こちらは‘御池の沢崩れ’七面山の西面の崩れです。
帰りに西日が当たってきれいでした。

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