2017年4月14日金曜日

真教寺尾根

八ヶ岳に向かっています。すっかり春になりましたが、山の稜線の上は未だ冬。こんな雲がかかっているときはとっても強い風が吹いていると想像出来て覚悟が必要になります。


八ヶ岳の山梨県側のルートはちょっと厳しいルートばかりです。代表的なものは、県界尾根、真教寺尾根、ツルネ東稜。トレースが見込めないし最後がとっても急なので。写真は美し森の上の羽衣の池。高層湿原でモウセンゴケなんかを見ることが出来ますが、今は雪の下です。


登っていくと、サンメドウズ清里スキー場の脇を通ります。スキー場は真教寺尾根の北斜面に作られています。


賽の河原と言われる緩傾斜地。


雪も締まってきた春先ですが、直前に降雪があってひどい踏み抜きもあるかも?と、スノーシューを持ってきました。ほとんどラッセルということもなく高度を稼げました。


牛首山というピークを過ぎて、緩やかな稜線を進みます。道しるべの顔の出し具合で積雪量がわかります。1m強です。


八ヶ岳の主峰、赤岳が目の前です。ため息が出るような距離感。


ぐっと近づいて、隣の天狗尾根が険しく見えます。


この辺りから傾斜が増してきます。枯れてしまっていますが、存在感のあるカラマツの古木に出会えました。だいたい2500mを過ぎる標高までスノーシューでこなせました。お次はアイゼン装着となります。


そんなに潜ることもなく、アイゼンでわりとクラストした雪の斜面、高度を稼ぐことが出来ました。


下から見てもわかりやすいのですが、八ヶ岳は末広がりに広がっています。裾野は雄大で上の稜線はわりとコンパクトです。が、鋭い尾根と切れ込んだ沢のコンビネーションなので、隣のルートにトラバースするということはかなり難しいです。


直前の降雪は珍しい気象現象を起こしたようです。雨氷です。


氷点下でも固まらなくて、安定した水の粒子が木の枝や岩に着くという現象。ダケカンバの枝には氷の塊がびっしりでした。


-4度くらいまで水滴となってこびり付くらしいです。山の高いところは氷点下だと雪が降ると思っていたので、直前の下界の雨でずいぶんの降雪のはずと思い、ラッセル覚悟の入山でした。ほぼラッセルがなかったのが不思議でした。雪の斜面も稜線も小さな氷の塊がたくさんありました。雨氷という気象現象のためだと思います。


夏でも傾斜がきつくて大変なルート、真教寺尾根です。夏に登場するステップや鎖は雪の下です。ルート取りが結構難しいところです。


全てが雪の下でルート取りが凄く難しかったです。


主稜線に出たところの標識が、まるで十字架のように見えて微妙な感じになりました。
そんな風に思えた真教寺尾根の急傾斜の上部でした。


赤岳山頂。


夕暮れ近いです。阿弥陀岳の上の太陽。


0 件のコメント:

コメントを投稿