2017年5月19日金曜日

渋谷川

代々木のオリンピックセンターに行って来ました。ENSA(ECOLE NATIONALE DE SKI ET D'ALPINISMフランス国立スキー登山学校。)フランス国立のスキー指導員、登山ガイドの養成学校の講師の方の講演です。


フランスでガイドになるためには、ENSAを卒業してガイド試験をパスしなけらばならないそうです。「優れたアルピニスト、クライマーが優れたガイドになれるわけではない」というお話が印象的でした。


代々木公園、明治神宮に隣接している代々木オリンピックセンターです。用事が済んで新宿に向かい山梨に帰ろうと歩き始めました。最寄りの駅は小田急線参宮橋。駅までは300~400m、5~6分といったところでしょうか。ところが、電柱に「春の小川」の標識がずっとあり、それが気になってしょうがないって感じになりました。というのも去年、新宿御苑での仕事が何度かありました。その時にいろいろ調べたことと、この「春の小川」という童謡が繋がっているということが頭に入っていたからです。


春の小川 大正元年(1912)に発表された文部省唱歌  
岡野 貞一おかの ていいち作曲、高野 辰之たかの たつゆき 作詞

春の小川は、さらさら行くよ。岸のすみれや、れんげの花に、
すがたやさしく、色うつくしく 咲けよ咲けよと、ささやきながら。

春の小川は、さらさら行くよ。えびやめだかや、小鮒の群れに、
今日も一日ひなたでおよぎ、遊べ遊べと、ささやきながら。

渋谷川は新宿御苑周辺から始まり、都心(新宿区、渋谷区、港区)を曲がりくねって流れ東京湾に注ぐ河川です。上流部はほぼ暗きょ(地下に設けられた水路)で、川としての姿は見ることが出来ません。渋谷川の水源のひとつとして新宿御苑の東に、江戸時代の上水道「玉川上水」の水番所があって(四谷大木戸)江戸市中に配水していました。その玉川上水の余水が渋谷川の始まりのひとつでした。玉川上水は新宿御苑の西42㎞の羽村市からの取水です。もちろん多摩川です。多摩川の源流は山梨県です。奥秩父の水です。そんな繋がりを意識するので気になる存在です。


渋谷川の水源としては他に、明治神宮の清正井(きよまさのいど)やいくつもの湧水、宇田川やその支流の河骨川(こうほねかわ)、三田用水、いもり川、笄川(こうがいがわ、かんざしの意)などがあります。とても気になった電柱の「春の小川」の標識は、河骨川(こうほねかわ)のものです。標識はこの界隈にたくさんありました。


小田急線横の、暗きょとなった河骨川(こうほねかわ)。線路わきの小路が元は川だったということです。小田急線參宮橋駅と代々木八幡駅の間です。


春の小川の歌碑
作詞者の高野辰之たかのたつゆきが当時代々木に住んでいて、宇田川上流、河骨川こうほねがわの春の様子を歌ったものです。高野辰之は有名な唱歌、もみじやふるさとの作詞者でもあります。 


渋谷川もたくさんの支流の集合したものです。そのすべてをほぼ網羅した本があります。
梶山公子さんは渋谷川の研究者と言ってもいい方です。明治・大正の頃の古地図を見ながら渋谷川の跡を辿り、その歴史を一冊の本にまとめました。
「あるく渋谷川入門」梶山公子著 中央公論事業出版
歩く渋谷川HP: http://www015.upp.so-net.ne.jp/riverandsongs/index.html


渋谷川の全体図を歩く渋谷川のHPからお借りしました。
四谷大木戸と新宿御苑西の天龍寺が水源として強調されています。それ以外に新宿御苑、河骨川、宇田川が赤丸で強調されています。


コウホネの花の写真もHPからお借りしました。
コウホネ(河骨)とは、浅い池や沼に生えるスイレン科の植物です。北海道から九州まで広く分布し、6月から9月にかけて黄色い花を咲かせるそうです。 コウホネ(河骨、川骨)の名の由来は、根茎が骨のように見えるところからだそうです。


0 件のコメント:

コメントを投稿