2019年8月31日土曜日

仙塩尾根南下

塩見岳から北岳に歩いてしばらくして、今度は仙塩尾根を仙丈岳から南に下るというドンピシャの山行がありました。仙塩尾根北上の記事
週末にかぶった戸台の仙流荘の北沢峠行のバス停はとんでもないことに・・・


朝イチのバスに並んだはずなのに、乗れたのは1時間後。28人乗りの小さめのバスが10台。それが北沢峠まで行って帰って来て、乗れたのは1時間遅れ。仕方ない。500人以上はバス待ちだったと思います。


ちょっと違ったルートから登った仙丈ケ岳。藪沢からは初めて登りました。


ふり返ったら鋸岳からの横岳と、奥に白岩岳が見えました。


急登の後の藪沢を渡る橋。ここから俄然明るくなって楽しい登山道となります。初めて歩いたけど、ここを歩かなかったのはもったいなかったと思えるくらいでした。次から使わせていただきます。


そして最近人気の馬の背ヒュッテ。


馬の背あたりからの小仙丈のピーク。


山頂北のカールの末端の水場。枯れてると言われていたのに出ていた水。


山頂北のカールに建つ仙丈小屋。


仙丈ケ岳の山頂は人だらけ。


小仙丈ヶ岳からのメインの登山道。


仙丈ケ岳から南に、仙塩尾根に入ると途端に人がいなくなります。静かな山登りがしたい人には絶対おすすめです。仙塩尾根です。ただ自己完結で来る登山者だけが許される山域。大仙丈ケ岳までの登山道はお花畑。


ウサギギクやイブキジャコウソウいろいろ半端なかったです。ここまでのお花畑は南アルプス北部ではピカイチです。


ほら、イワギキョウのみだれうちみたいなのにも出会えました。


大仙丈沢を見下ろしました。


大なんてつくと特別かなって思ったりしますが、仙丈ケ岳と塩見岳を結ぶ仙塩尾根の北の初めに登場する尾根上のピークなんですよ。特別感はありません。ただここからしばらく激下りがあるってことを把握するのが大事だと思う。


ふり返った大仙丈ケ岳と、奥に仙丈ケ岳。


南に下っています。南を向いた写真です。まだ2700m周辺の様子です。標高が大事なのは植生に関係があるからです。仙塩尾根北上の後の仙塩尾根南下です。だいたい2600mの標高以下がが樹林帯って感じです。あいだ100mの違いはあっても2700m以上は森林限界って感じです。


仙塩尾根南を見ています。北岳と間ノ岳がひときわ高く見えてます。手前の尾根が馬鹿尾根、仙塩尾根です。よく見てもらうとほぼ真ん中のこんもり丸あるいピークの右と左で色が微妙に違うと思います。そこが2700m以上と2600m以下の違いで。以下はシラビソなどの樹林帯となり、以上はハイマツなどの植生となる。境界です。


樹林帯の中は苔むしたいかにも南アルプスの景観です。これで2600mくらいの標高です。


伊那荒倉岳2517.6m


高望池です。もうだいぶ前から池の体をなしていないそうですが、仙塩尾根の尾根上では大事なところ。水場があるからです。それとテントが複数張れるフラットな土地だということ。両俣小屋の小屋番の星さんがここは枯れたことがないと言っていた水場です。


池の跡地の西の先、5分も下らなくて登場する湧水!


フラットな感じのところにツエルトを張れました。


仙丈ケ岳から三峰岳までの間は、仙塩尾根の前半部と言っても良いでしょう。仙丈ケ岳と三峰岳の間の最低鞍部が野呂川越。そのコルまで行く間にも様々な表情がある尾根です。


仙塩尾根にもあった独標の標高は2499m。ちょうど岩場で見晴らしが良いところです。


独標から北側を振り返りました。甲斐駒やアサヨ峰が立派でした。右端は小太郎山です。
 

なんともきれいな樹林帯が南アルプス代表のようなところ。


野呂川越の新しい標識。


立ち寄った両俣小屋では大歓迎を受けました!


小屋の周りの花々を一生懸命説明してくれる星さん。ごめんなさい!内容が濃すぎてほとんど覚えてません。あんがとー星さん!


林道の途中にたくさん咲いていたブタナ。この花を知ったのは今年、斑尾山に登った時でした。南アルプスではここだけです、今のところです。


これも微妙なフジアザミの開花はこれから。


野呂川出会いから早めのバスで戸台に下りました。はからずもほぼ仙塩尾根全部をトレースした今年となりました。ありがとうございました!


西鎌尾根

国内標高第5位の槍ヶ岳は人気の山です。僕が言うまでもありません。あまりに情報量が多いのでシンプルに書いてみます。山頂から北に延びる尾根は北鎌尾根で一般登山道ではありません。東に東鎌尾根が伸びて、大天井岳から燕岳のコースは北アルプスの表銀座と言われる代表的な登山道。槍ヶ岳山頂から南に延びる尾根は穂高岳に通じる尾根で、登山道の中では一番厳しいと言えるルート、ただ南鎌尾根とは表現しません。おそらくそんな単純ではないくらい存在感のある山並みだからだと思います。そして今回は槍ヶ岳の山頂から西に延びる西鎌尾根から槍ヶ岳に登った山行です。新穂高温泉から鎌田川左岸林道に進んだ空は夏空そのものでした。


ワサビ平小屋まで来れば、いよいよ始まるなって感じられる、逆に言えば退屈な林道歩きからもうすぐ解放される登山道がやっと始まるって感じです。


ワサビ平小屋で松本市波田地区産のスイカを食べて気合を入れて・・・


さっすが北アルプス、こんな残雪にちょっとビックリです。


小池新道の始まり。


整備された(ビックリするくらい整備されてます!)登山道を進んで、秩父沢手前で凄まじい雨にやられました。今年一番の降りでした。バケツをひっくり返したような雨!


こんな時は登山道も普通に川になります。


雨をやり過ごして着いた鏡池。西鎌尾根を目指しているわけなので、ゴールの槍ヶ岳が見えるとモチベーション上がります!


鏡平山荘。増築に伴う資材の荷揚げの日で、ヘリコプタが忙しく飛んでいました。


鏡平山荘の夕食。


夕陽に輝く槍ヶ岳です。


翌朝は長丁場に備え4時には小屋を出ました。ヘッドランプでの登り。朝食はお弁当にしてもらいました。弓折乗越で迎えた日の出。


稜線のアップダウンをこなしながらこの絶景が登場すると、全ての人がこの景色をそのまま受け入れてしまうって感じなんです。北アルプスの奥の双六小屋が見え、その奥に水晶岳、鷲羽だけがどっかり存在する景色。


とてもきれいな双六小屋。


早朝からヘッドランプで行動してきて、鏡平山荘の朝食をお弁当にしてもらって、双六小屋で頂く。


北アルプスを代表する稜線を見渡しながら登山道を歩いて、登ってきているわけです。お弁当の包装紙の山座同定の印刷が粋でした。おっしゃれ~ ですよね!


西鎌尾根の西端の樅沢岳に向けて登りはじめました。双六小屋と双六谷の源流と遠く笠ヶ岳。


西鎌尾根の西端の樅沢岳から、槍ヶ岳西鎌尾根の全貌が見えるわけです。すっげーな、あの槍ヶ岳の右の肩の槍ヶ岳山荘が今夜の宿。遠いわ・・・


西鎌尾根の真ん中くらいから西に延びる硫黄尾根。こんなにボロボロの尾根ってトレース出来るんだろうかと思える尾根。


高山植物が長い行程にチャレンジしている僕らを慰めてくれる様でした。


残雪のリクエスト。持っててよかったコンデンスミルク。


千丈乗越の手前、だいぶ手前だけど標高点2648mの先の鎖場。西鎌尾根で一番注意しなくてはならない鎖場です。それ以外は特に大丈夫な西鎌尾根。


写真では上手く伝わらないんですが、ロープの必要性は感じませんでした。慎重に登れば大丈夫。


千丈乗越から見た槍ヶ岳。



  • 千丈乗越の上から見下ろした飛騨沢。新穂高温泉に行く翌日の下山道が見えてます。



間近になった大槍と小槍。


長い西鎌尾根を縦走してきて、やっと槍ヶ岳山荘というタイミングで小屋の荷揚げに遭遇。ヘリコプターの風がヤバいんで待機。


やっぱ槍の穂先には行くわけです。空いててよかった!


いつもここがヤバいと思う場所のアンカーが増えていました。でも慎重に!


槍ヶ岳山頂。


安全第一です。


槍ヶ岳の食堂。


槍ヶ岳山荘の夕食。


翌朝の日の出。


槍ヶ岳山荘の朝食。


槍ヶ岳の開祖、播隆上人像は食堂の南端にあります。


槍沢を下ります。縦走してきた西鎌尾根がばっちり見えるというのも乙です。


槍平小屋。


槍ヶ岳山荘のお弁当。


鎌田川右俣の登山道。


滝谷出合の手前の藤木九三のレリーフ。登山史を探ってください!


増水なしの滝谷出合。


長いルートを三日間お疲れさまでした!