2019年12月5日木曜日

甲斐駒ヶ岳冬

ずっと気温が高い状態が続いていて、やっと先週末から冬がやってきたという朝、甲斐駒に向かうベルガ通り。日の出もだいぶ遅くやっと甲斐駒に朝の光が当たりました。


甲斐駒ヶ岳黒戸尾根で通年営業している唯一の山小屋、七丈小屋を運営する(株)ファーストアッセントその代表の花谷泰広氏。花谷君と一緒に仕事をすることになるとは想像もしていませんでした。ファーストアッセントのツアーでした。


尾白川渓谷道の尾根道との分岐にある道しるべ。これは黒戸尾根唯一と言われる道しるべです。たくさんの石物がある黒戸尾根なのですが、ほとんどが甲斐駒講にまつわるものなのでとても珍しいものです。


左駒ケ岳道 右不動滝 と彫られています。ただその下に黒戸尾根の古道のヒントが隠されているという話しを花谷君がしてくれています。ツアー参加者でないと聞けない話です。


スカッと晴れた日。鞍掛山どっか~んでした!


甲斐駒を開山した弘幡行者の小尾権三郎が、お餅とお粥で修業したと言われる粥餅石を経由した特別なツアー。小さな建物はトイレで、天皇陛下が皇太子時代にこのルートを登った時のトイレだったと花谷君に教えてもらいました。


粥餅石
ここで、甲斐駒ヶ岳黒戸尾根で生きていくという、覚悟みたいなものを、花谷君からはたくさんもらった山行。


霜柱が冬の到来を物語っていました。


どど~んと八ヶ岳です。


いっぱい寄り道しながらの1日目だったので夕暮れに近い時間に到着の七丈小屋でした。通年営業ってすごいことです。たくさん人がくればいいけど、この険しいルート上の営業は大変でしょう。素晴らしいと思います。


冬がやって来たと言っても、やっぱまだまだで水場のこの様子が暖冬を直感です。


七丈小屋の夕食。


暗いうちにスタートした翌朝。八合台地で日の出という計算でしたが、少し出発が遅れてしまったというところに厳しい現実があります。この時期に登りたいという個人的な希望と、登れる山かという現実です。花谷君は僕よりずっと若いけどガイドとしてのキャリアやカテゴリーはずっと上の存在、はっきりお客さんに指摘していた言葉は勉強になりました。まともな冬山のツアーに参加は出来ないとお客さんに普通にぶつけるわけです。装備や直前の準備、行動でこっちも危険な状況に引き込まれてしまうわけで、厳しい自然との対峙という状況を前にシンプルに考えればいいんだと思いました。マジってことの実践。


八合目台地と輝いた甲斐駒。


象徴的な二本剣。


馬頭観音が並ぶ甲斐駒ヶ岳山頂。


2967mの山頂から780mの登山口まで一気に下る黒戸尾根。この尾根の高いところの景色はすっごくダイナミックです。写真の正面は尾根の名前の由来の黒戸山。


森林限界から上はアイゼン、七丈小屋から五合目まではチェーンアイゼン。僕は初めて使いましたが、使える道具のチェーンアイゼンだと思いました。安全に行動するという事に直結します。


鳳凰と富士山。いかにも冬の山梨の景色です。


刃渡りはまだ冬ではありませんでした。


甲斐駒開山ルートの横手口に下ります。


おいしい水場もある横手ルート。


お牧場の昔の様子は想像するしかありませんが、山梨は朝廷に馬を献上した牧場が昔からあった場所です。


お牧場から下は昔の山仕事も重なって広い歩きやすい道になりました。花谷君と夕暮れの八ヶ岳。


開山の二代目が建立したと言われる丁目石の観音様。


登山道は今登山を楽しむ僕らのために作られたというのは違います。昔からの人々の暮らし、営みの延長上に僕らの山とのつながりがあるという事が本質です。そんな感覚を花谷君と共有出来た山行だったと思います。


2019年12月4日水曜日

饅頭峠読図

饅頭峠は深田久弥が亡くなった山、茅ヶ岳の登山口近くの三角点のあるピークです。その周辺の地形が地図読みにはドンピシャのばっちりの場所でわかりやすいんです。そのエリアでの地図読み講習。まずは韮崎市民センターニコリでの机上講習から始まります。


饅頭峠の地図読みは何度も登場しますが、それだけダイレクトに地図読みが伝えやすい地形ということです。机上講習は地図読みのエッセンスをスライドで現場に行く前に事前に把握していただく内容です。韮崎を代表するうさぎやの大福で締めた机上講習です。


現場に来ました。地図読みの現場です。何事も最初が大事で、こことここって感じで、大事なポイントが次々に登場するところです。


この廃屋の奥に尾根の末端が登場します。地形図と照らし合わせると目からうろこのように確認できる場所。


ここも人々の暮らしの延長に僕らの登山活動があるという事が確認できるとこ。


クロモジの冬芽。


主稜線に上がっていよいよ本題に取り組めるという場所。地形を読むという事はそれほど難しいことではありません。それを実感していただきたい主稜線の尾根の上。


山梨県のあるあるの恩賜林境界の印。


難しい地形で黄葉に出会えました。


饅頭峠の三角点。みたけ道のルートのひとつでもあります。


饅頭峠で饅頭石を探す人々。ここに来るとたいがいこんな感じになります。皆さん楽しそうです。見っかりました?


饅頭石は饅頭峠より東のホッチ峠の方がいいよって話もありますが。


奥に茅ヶ岳の山頂が見えます。それにしても残念な景色に変わってしまったソーラーパネルの饅頭峠です。
今週末も饅頭峠での地図読みがあります。どうぞご参加ください!お申込みはこちらです。https://wens.gr.jp/individual/outdoor/map_reading.html?fbclid=IwAR2nEEXvg_0LT3wCrQOtUkyrzHbZDntVjRs2GA6niME6Q5Fd5eC0ETIEKy0


飯盛山

山梨の地元で活動しているやぶ山三ちゃんです、オーダーがあれば全国どこでも行くわけですが今回は珍しく地元の清里の飯盛山。どうだろう、この山に来るのは30年ぶりかも知れません。静岡山岳自然ガイド協会の仲間の倉品加奈子ガイドからお客さんが多いからサポートをお願いされました、での飯盛山。何度かご一緒している皆さんの登山を表現してみれば~女子会登山~、皆さん元気で話し声が絶えないにぎやかな登山です。


雨予報だったのになんとなくの青空。天気予報はあくまで予報なんですね。


地元とは言ってもほとんど訪れることがないエリア。加えて言うと地形読みが難しいという実感の現場でした。


整備はされていますが、かなり前という感じで現場判断が必要な感じでした。目の前の課題を克服するという意味です。


立派な橋なんだけど橋げたが・・・


こんな標識を見ながらの山行。


宮司の滝


マーキングはされてはいるものの、だいぶ前のもので注意が必要なルート取りでした。


宮司の滝の上流の大門川の流れ。奇麗ですよ、大門川です。


平沢峠手前の県道、アンテナのデパートみたいと思わずつぶやいた峠でした。そのくらいアンテナが乱立しているところ。


大門川から主稜線を目指しました。すごく遠くを意識すれば東は小川山から続く尾根で、西は八ヶ岳の赤岳県界尾根に続くというとらえ方も出来ます。飯盛山はその主稜線から外れてちょっと南にあります。


なんだかよくわからない写真ですが、大きな望遠鏡が見えます。日本の電波天文学の聖地と言われる「野辺山宇宙電波観測所」です。これが確認できるという事が主稜線にいるということを表しています。


主稜線の三角点ピーク、平沢山の三角点柱石。調べるとこの三角点の名前は「八岳屋」というよくわからない名前でした。設置されたのは明治37年です。


飯盛山はすぐそこです。主稜線から南を見ています。山頂までは一投足。


なかなかスッキリしなかった天気。山頂から眺めていた南アルプス方面に雨雲、こっちに来そうだとそそくさと山頂を後にしました。下山途中から振り返った飯盛山山頂。


皆さんお疲れさまでした!飯盛山だけ登るんだったら平沢峠からピストンで約4kmです。今回のルートは約8km、しっかり登って下った登山でした。重ねてお疲れさまでした!