2020年6月30日火曜日

金峰山みたけ道募集


金峰山に登られた方は多いと思います。大弛峠から、増富から、廻り目平からとルートはいくつかありますが、今回は最も古い黒平からです。
昔、昇仙峡の奥、金桜神社から猫坂を通って黒平へいくつかの鳥居をくぐって御室小屋、そこから急登をあえいで登った山頂。江戸時代から盛んだった金峰山講という講中登山の道を今回歩きます。古くは修験道の道でした。日本百名山の深田久弥も歩いています。

深田久弥の日本百名山の書き出し~「金峰山は実に立派な山だ。一人秩父山脈中に嶄然頭角を抜いて居る許りでなく、日本の山の中でも第二流を下る山ではない。世に男の中の男を称えて裸百貫という諺があるが、金峰山も何処へ放り出しても百貫の貫禄を具えた山の中の山である」~これは木暮理太郎という登山家が金峰山を表現したもの、増冨ルートの金山平にレリーフがあり、毎年秋に木暮祭というイベントがあります。

昔の人ほど強くはないので、黒平の集落の先の広場まで車で入り登り始めます。1日目は御室小屋跡までの予定でテントを張ります。読図をしながら古道みたけ道を忠実に歩きます。

日時 : 2020年10月3日(土)~4日(日)

集合 : JR中央線韮崎駅         午前5:00
     甲府市黒平 甲府市森林浴広場  午前6:30

行程 : 1日目 広場-水晶峠-御室小屋跡(テント泊)
      行動時間約6時間
   
     2日目 御室小屋跡-金峰山-御室小屋跡-水晶峠-甲府市森林浴広場
      行動時間10時間
   
募集定員: 3名 

装備 : ザック、登山靴、雨具、寝袋、マット、ストック、ヘッドランプ、帽子、水筒 手袋、防寒着、食器、行動食、非常食、昼飯(2日分)、食糧、共同装備等の分担をお願いします。
二五万図:茅ヶ岳、金峰山

参加費:ガイド料33,000円 

◇テント泊に不安がある方も心配はなさらないでください。しっかりサポートします。テントと食料(1日目夕食と2日目朝食)がガイドが持ちます。
◇テントは3人まで対応します。それぞれの方がソーシャルディスタンスを守った1人用のテント泊です。
◇ハーネスとヘルメットをお持ちでしたら装備に加えてください。なくても大丈夫です。

・お申込みフォーム:こちらからどうぞ!

・催行にあたり同意書は必ず必要です。:こちらです。

・保険加入も必ず必要です。やまきふ共済会の共済をお勧めしています。:こちらです。



2020年6月23日火曜日

軽量化

ファストパッキングFast Packingという言葉や、ウルトラライトという言葉があります。それらをまとめて、荷物を少なくしてスピーディーに行動するということでしょうか。軽量化です。必要のないものを背負って歩くなんて馬鹿々々しいし、目的の山でその季節にあった装備を的確に準備して、快適な山行を楽しみたいものです。


タープを購入しようかどうしようかと考えていたら、こいつがあることを思い出しました。モンベルのマルチチューブシェルターです。タープは六角形、長方形、正方形とありますが、登山で使うなら正方形の3m×3mが一般的のようです。


専用ポールを使えばかまぼこ型のテントみたいになるし、ツエルトとしてもタープとしても使えるマルチな性能という謳い文句でしたが、シンプルに使いたいときは余分なパーツがとても気になって(気に入らなくて)ほとんど使うことはありませんでした。装備って、あんなことやこんなことにも使えるってのはやっぱダメですね。マルチチューブシェルターは廃番で今は製造されていないわけです。


かまぼこ型の写真はネットで拾いました。だいたい専用ポールを購入しなかったのでこんな使い方は出来なかったんですけどね。


四角のナイロン生地に様々なパーツをつけていろんな使い方(テントより軽いし)、という狙いだったのでしょうが、再利用してパーツを外すとどのくらい軽くなるかやってみました。軽量化です。下の写真はモンベルの取扱説明書です。


スティッチリッパ―を裁縫箱から借りて、縫い糸ひとつひとつにリッパ―を入れて、根元の刃で切っていく根気。こんなこと初めてやってみたわけです。


ミシン目は仕方ないかな。生地を切らないように注意しましたが、パーツは端にあるのでダメージは少なかったかな。


使わないテープも切るのですが、折り返しの中のものは切れないので仕方ないです。


そして結果・・・もともとの本体は470gということだったので、これで410gになったということでした。この瞬間に期待マックスだったわけで、しかたない数字は正直です。もっと減ってると思ったのに・・・なんだかダイエットしてるみたいですが、同じでしょう。


ナイロン生地自体が30デニールなので、軽量化はここまででしょう。こんな検証が何かのお役に立てればと思ってます。もちろん山登りのです。


2020年6月22日月曜日

浅間山 剣ヶ峰

剣ヶ峰といえば富士山をはじめその山の最高地点というイメージです。前から気になっていたピークが浅間山の剣ヶ峰でした。写真は佐久平から見た浅間山で、↓のピークが剣ヶ峰です。右が浅間山で左が黒斑山です。浅間山より標高は低いのですが、古い火口のひとつだったのかな?


赤い線を時計回りに歩きました。火山館から東は登山道という扱いではありません。剣ヶ峰からは南西の尾根を下りました。上の写真と地形図が一致しているのでイメージしやすいと思います。


浅間山(前掛山 噴火警戒レベル1の現在、浅間山の本当の山頂は規制がかかっていて行けません)登山口の天狗温泉。県境またぎの移動自粛が解除された週末、たくさんの車が停まり、駐車場代(500円)集金係の人が忙しそうでした。


浅間神社(あさまじんじゃ)への参道でもあるのでしょう、丁目石が登場します。


いくつか見かけた炭焼き窯。山仕事の道でもあった登山道です。


一ノ鳥居


登山道脇から見える不動滝。川の名前は蛇堀川、小諸市で千曲川に合流します。


はじめて見ました「ベニバナヤマシャクヤク」


二ノ鳥居


牙山(ぎっぱやま)2111m標高点。このピークの存在が独特の景色を作っていると思いました。


不動滝の上流の源流で沢をまたぎます。その沢の様子は山が生きていると感じさせてくれます。火山なので硫黄の臭気もですが、有毒な火山性ガスには要注意なのでさっさと通過したい源流です。


黒斑山方面のトーミの頭の稜線。


火山館には水もあります。三ノ鳥居と奥には浅間神社。


あるんだな~、あるところにはって言うのは行者ニンニクです。花が咲く直前の行者ニンニクがたくさんありました。


天狗の露地といわれるフラットでゆるい地形。


なんかきれいだと思ったシャクナゲの新芽。


天狗の露地のシラビソの幼木の森。写真でもはっきりトレースがわかります。そしてマーキングもあるのですが、マーキングを追うような登山者は入らない方がいいです。しっかり地形図を読める登山者だけのルートです。トレースが縦横無尽にあったのはキノコ道かもです。キノコ道というのはキノコ採りの人たちが付けたトレースなんで、獣道より当てになりません。目的が違うからです。


浅間山と剣ヶ峰の最低コルを確認して、剣ヶ峰への尾根に取り付いたら登場した絶望的な倒木帯。


剣ヶ峰から浅間山に延びる北東の尾根に上手く乗っかることが出来ました。やっぱりあったトレースです。


結構な傾斜の草付きを登ります。


湯の平と呼ばれるカルデラの底。外輪山が取り囲む独特の地形。


剣ヶ峰山頂。山頂標識があったのは意外でしたが、が、が、ここからの浅間山を楽しみにして登って来たのに願いは叶いませんでした・・・ガスが南からどんどん流れてきて、浅間山の山容を最も近い場所で見ることが出来る剣ヶ峰が・・・残念!


剣ヶ峰から牙山(ぎっぱやま)2111m標高点へは尾根続きですが、それは周辺で最難関の尾根歩きになるでしょう。剣ヶ峰山頂で確認したら牙山(ぎっぱやま)への尾根にあったトラロープです。


剣ヶ峰山頂は北峰と南峰。標高点2281mは北峰です。南峰に向かう途中で出会ったすごい樹形のカラマツ。


剣ヶ峰南西尾根は素晴らしい尾根でした。


牙山(ぎっぱやま)の尾根と奥に外輪山の黒斑山方面。


整備されていた痕跡。シンプルな尾根にあったマーキング。このことの経緯はわかりません。


この時期ならではのレンゲツツジと佐久平。


整備されてはいたのでしょうが、やはり地形図を読めて自分で判断できる登山者がトレース出来る尾根です。


天狗山荘の登山道に出ました。登山道を歩いていても見えるテープ2本です。ここから尾根に取り付くし、下りはここに出るわけですが、最後は尾根が広がるので尾根の本流が分かればどこから取付いても良いと思います。地図読みが出来ないと入っちゃだめですよ!



2020年6月15日月曜日

日向山新ルート?

昨日までの雨が止み、高温予報の甲府盆地から山へ。ウエットなベルガ通りの先には甲斐駒をはじめスタッフ勢ぞろいって感じの山々。ひょっとしたらとても重要な下見をすべく静岡山岳自然ガイド協会のメンバー3人で登山口に向かいました。日向山です。


🄿マークに車を停めて時計回りに周回しました。先日、錦滝ルートの登山道廃止をブログに書きました。とすれば矢立石からのルートが唯一の登山道ということになります。でも日向山北東尾根という素晴らしい尾根があります。矢立石だけではなくほかのルートを勝手に探ったわけです。


ルート全体にやぶはありません。


標高900m周辺は平らな部分が多く、地図読み泣かせの地形でこんな絶望的な崖が登場しましたが、尾根をキープってつもりでこなしました。


雨上がりの森の中、ワサワサした音に包まれてました。音の主はマイマイガの毛虫。頭上の樹の葉っぱをワサワサ食べてるんです。その音が響く(大袈裟ですが)中を登っていきます。写真をよく見てみてください。やつらが食べて落ちた葉っぱの破片とうんち。


ほぼ950ⅿの尾根に乗っかったら、昔の仕事道の道形が登場しました。何の不安もなくその半世紀前の道を進みました。


もう一回計画段階の地図を。🄿マークからほぼ赤ルートで登り、950ⅿあたりで緑ルートに入り、1000mあたりで赤ルートに戻ったというのが実際。黄色、緑、赤が候補ルートでした。紫は下山ルートです。


1100ⅿあたりで登場した昔の仕事道の道形。


ヒノキの植林地の昔の仕事道の道形。


1223mの標高点の後そのまま傾斜のゆるい地形が続きそろそろという気分。


そろそろというのは矢立石からの登山道合流ってこと。1250mあたりで合流した登山道です。


周辺にたくさん咲いていたナツタムラソウ


矢立石からの登山道の馬頭観音。この道もやはり昔の山仕事の道だと主張しているような馬頭観音像です。


山頂雁ヶ原に飛び出ました。青と白の世界、いい天気のご褒美です。


奇麗な山頂エリアの雁ヶ原。


白砂の向こうに八ヶ岳


ふり返って甲斐駒ヶ岳。あっ~もはや夏空じゃん。


さっ、読図に戻って日向山北東尾根を下ります。


日向山山頂からの出だしがむずいんです。地形図見ましょう、読みましょう。


で、実際北東尾根に入ると時々登場するブナの大木に圧倒されます。


そのくらいすっげ~って感じのブナの大木が登場するんです。


その森の中の長老のような大木のいくつかが倒れていました。温暖化っていうのを意識せざる負えません。人間が一番しわい(甲州弁)


それぞれのブナに名前つけたくなるわ、みたいな。


写真で分かるでしょうか?昔の山仕事の道形って写真です。里山のあるあるワンダーランドです。


こんな気持ちの良い尾根道が登場。


四等三角点 点名田沢川。1221.5m ここには山の神の石祠があります。


北東の方角に昔の山仕事の道を利用して下っていきます。倒木は仕方ないでしょう。


その道に炭焼き窯が登場ってわかりやすいと思います。山の遺産だと思います。


林道のちょっとあったモミジイチゴの実、酸っぱい実

 日向山には錦滝ルート、矢立石ルートとふたつの登山ルートがあります。錦滝ルートは登山道から抹消すべきだと提案しています。それ以外のルートを探った今日でした。残念ながら今日登ったルート、魅力は全くありません。そりゃ昔の仕事道ってのは小さな魅力かも知れません。が、面白くないルートなんです。仕方ありません。ただ、北東尾根はブナの巨木や地形の面白さでとても魅力あります。あとはそれぞれの登山者が自分のスキルを上げてオリジナルの山を実践するかということでしょう。僕のようなガイドに依頼するというのもありです。