2020年11月10日火曜日

白山ロープワーク

はっきりした目的を持ったガイド山行でした。ロープに体重を預ける!ロープワークという言葉を使いましたが、ロープに体重を預けるってことをロープワークって言って良いものかどうか・・・良いんです、だいたいクライミング志向のない方たちが、クライミングロープに触れることなんてありません。体験は貴重です。いざという時に役立つでしょう。


クライミングロープを扱ったことが無い方たちが、ロープに体重を預けるということを体験できる簡単な方法は懸垂下降です。その実践の場所として選んだ白山(しろやま)でした。緑が丘スポーツ公園から登り始めた湯村山にはたくさんのコウヤボウキが咲いていました。


朝霧に覆われていた稜線。この石畳がとても気になりましたが、いわれはわかりません。


直近の情報がありましたが、やっぱ普通にいるもんだと思った方がいいでしょう。熊


湯村山から白山、千代田湖への尾根道は甲府周辺の登山者のトレーニングコース。雲の上に出たら見えてきた白山の山頂。


500mくらいの標高から花崗岩に変わる地質。いつ頃どんな感じで整備されたのか、しっかりした階段が続きます。


白山山頂。一応標高点ではないので正確な標高はわかりませんが、地形図では630mに読めます。多くの県民が訪れるからか結構立派な手作り看板ですが・・・


白山からの甲府盆地は雲海の下でした。いずれにしても白山からの甲府盆地と富士山の景色は山梨を代表するものだと思っています。素晴らしいです!


白山の岩場のトポ。クライミングのルート図の表紙。始まりは30年くらい前です。フリークライミングのエリアとしてです。


まずはリスクの少ないところで基本形の練習。


クライミングハーネスをつけ、ヘルメットをチェックして(普段使うことがあまりない場合緩すぎて脱げてしまうなんてことがありますから)、まずは腕がらみで懸垂下降。肩がらみをやって道具を使わないで理屈を理解する、どのくらい体に負担がくるのかと体験。


この斜面が絶妙でした。ボロボロの花崗岩の斜面で、そのままロープ無しで下ろうと思えば躊躇するような感じ。ロープで下るってこんな感じか…それにしても腕や肩が痛い…なんて展開のあと、エイト環やATCという下降器を使うととっても楽に下れます。実感していただきました。


下降器のエイト環です。結局ロープを腕や肩に巻き付けたり、下降器に巻き付け摩擦を作り出してロープを利用して下降するのが懸垂下降です。


クライミングでの事故は致命傷に繋がります。その半分は懸垂下降の時に起こるイメージです。純粋にロープに体重を預けるという体験です。ロープの結びとかは一切講習していません。


本番。30mの壁を懸垂下降です。もちろん青いロープで確保しながらやりました。懸垂下降の核心はロープに自分の体重を預けないとまともに(カッチョ良く)下れないっていうところ。こんな体験がいろんな山にある鎖場の通過に役立つことでしょう。バランスです。


下山は白山から南西方向の493ⅿ標高点、天狗山を通過しました。


気になって平成元年発行の甲府市史史料編第一巻原始古代中世を開いてみました。天狗山の山頂は「羽黒山古墳」と呼ばれている石を積んだ積石塚と呼ばれるタイプの古墳だそうです。高さ6m、直径30ⅿの人工的に積まれた漬物石サイズの石。


なんとも不思議なのはそんな甲府市史とこの甲府名山がリンクしていない感じでした。それに積石塚というタイプの古墳が何の調査もされていない見た目の表面だけで書かれていることです。


大宮神社に下山しました。


甲府で育った僕にはこの夕日は懐かしかった。西の鳳凰や甲斐駒のシルエットが日常にあったからです。お疲れさまでした!


 

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