2017年5月11日木曜日

鬼の窓

神宮大橋から長尾を登り、水晶薙で遊び、東鬼の窓のコルから黒川の喜平谷で幕営した朝。喜平谷に降りたのは平坦地があることと水が確保できるからでした。写真のいちばん低いコルが鬼の窓です。鬼の窓のことわかる範囲で書いてみます。


鬼の窓という地名のコルは大岩山の北西と北にあり、北西のコルは鬼の窓で、北のそれは東鬼の窓とか口の鬼の窓と呼ばれます。窓と呼ばれる地形は尾根が深く切れ落ちた鞍部のことで、剣岳の大窓、小窓、三の窓なんかが窓としては有名です。キレット(切戸)なども同じ感じに使われます。南アルプスでは鋸岳の鹿の窓が有名ですが、それは自然に出来たトンネルです。写真は東鬼の窓の北の岩場です。


東鬼の窓にある謎の石柱。山の中にあるこんな人工物の代表は三角点ですが、三角点はほぼピークにあります。ここはコルなので標高の低いところから見たら同定するのは難しいと思うので、三角点ではないとは思いますが幻の三角点だという人もいます。文字が消えているので何とも言えないです。


拡大してみました。謎の石柱です。


江戸時代に編纂された地誌、「甲斐国志」の記述はこの東鬼の窓です。
「上流ニ鬼ノ窓岩ト云フアリ 大岩ノ中ニ間八尺程ノ穴アリ往時魑魅ノ棲ミシ処ト云フ 白州ヨリ凡ソ五里余ナルベシ」巻之三十 山川部第十一甲斐国志には6mほどの穴が開いていると書いてあります。200年前の地誌です。
「大岩の中に二間八尺(364cm✖242㎝か?)ほどの穴あり、往時魑魅(ちみ・すたま 山の中のばけもの)の棲みしところという」


大岩山と駒岩をつなぐ稜線まで登るのがハードワークです。


約450メートルの標高差の登り、途中に白ザレもあって一瞬空が開けました。鋸岳方面と中央アルプス。


「大岩山自然保存地区」の倒れた案内板。中尾根が大岩山と駒岩を結ぶ尾根に出る所。ここに登りつくと初めて尾白川が認識できます。尾根に出るということの意味です。


大岩山ピストン。白ザレではない本物の残雪です。踏み抜きもそれほどひどいものではなく、古いトレースもあったので比較的楽に行けました。


大岩山2319m山頂。


尾根を戻って、千段刈りの天然カラマツ林を歩いて駒岩まで来ました。近くに絶好の展望台があるので行こう!となりました。鞍掛山です。


青い空だと冴えるのにとは思いつつ、この展望です。駒岩まで行ったらぜひ鞍掛山の南の展望台に行くことをお勧めします。黄連谷が山頂に駆け上がっています。




不動明王
この展望台は遥拝所(ようはい  遠く離れた所から神仏などをはるかにおがむこと。)とも呼ばれていて、山岳宗教の修験の場所だったようです。


修験の場所ですから険しいです。駒岩から一旦コルに下がって急な斜面をトラバース気味にルートは付けられています。とても急なアップダウンです。


安全のために設置されたトラロープが安全ではありません。末端の様子。


バイカオウレン。


小さな可憐な白い花がまだ残っていました。


ハナネコノメです。


ミヤマネコノメソウ(イワボタン)


シハイスミレ


日向山の白ザレ。正面の尾根が駒岩、大岩山、日向八丁、烏帽子岳に繋がっています。


日向山雁ヶ原から、濁川の源流部が見渡せました。長尾から水晶薙、そして雨乞山。


日向山山頂から登山道ではなく、北東に延びる北東尾根を下ります。雁ヶ原から風で飛ばされた砂地の緩傾斜地に、勢いよく出始めたバイケイソウ。


2日間とも風が強く、空も曇りがちでした。


1221.5m三角点「田沢川」山の神の石祠


尾根の分岐をうまくとらえて濁川の本流に降りてきました。神宮大橋の近くです。上手く読図をしながら濁川を取り巻く尾根を一周しました。最後に登場した炭焼き窯跡が、昔の人と山の関わりを物語っています。



2017年5月9日火曜日

水晶薙

国道20号線、北杜市白州町台ケ原から見える雨乞岳2037mです。左側に花崗岩の白ザレが見えています。そこだけ白くてまるで雪が積もっているようです。「水晶薙すいしょうなぎ」、神宮川の上流にある白ザレです。神宮川の旧名は濁川、大雨が降ると流れが白く濁ったことが由来です。ウィスキー工場が出来た時、濁川から神宮川への改名がなされました。明治神宮参道の玉砂利を献納していることからでした。ウイスキーに使われる水が‘濁り’というイメージでは困るということだったのでしょう。


地図読みの実践をという山行です。濁川を囲む稜線をつないで一周しました。神宮大橋は濁り大橋だったかも?この橋の近くに車を停めました。翌日下山してくる場所です。


新緑が山々を駆け上がっていました。大岩山は奥の右のピーク。


神宮大橋の近くに停めた車から1km弱で雨乞岳の登山道がありますが、地形図に示された徒歩線はそれより南に書かれています。どうせなら地形を見ながら進みましょうということで、地形図通りの徒歩線を辿ったらしっかり昔の仕事道が残っていました。えぐれているのが昔の道です。


標高1000mくらいのところで、石尊神社横の登山道と合流。どちらも昔からの仕事道です。傾斜の緩めの長い尾根で、「長尾」と呼ばれています。長い尾根の長尾です。


標高1200mくらいで収穫したコシアブラ。


濁川の本流をはさんで人気の日向山の雁ヶ原の白ザレが見えました。


ホクギノ平の三角点。点名は鳥原で、ふもとの集落の名前です。


風が強い日で、夜には雨が降る予報でした。主にカラマツの植林された林ですが、葉が出る前なので以外に展望が利きます。


大岩山が見えました。手前の白ザレが水晶薙です。


ホクギノ平三角点1600.6m、ナガレコンバ1690m、黒津の頭1797mと緩やかなピークが続きます。えぐれた昔の仕事道もナガレコンバ辺りまでで、カラマツの植林地の登山道に変化します。ホクギノ平の語源はわかりませんが、ナガレコンバのナガレは北にある流川ながれがわが関係している感じと、木場こんばは伐採した木の集積地なのかなと思います。そのこととえぐれた仕事道は直接結び付くと思います。


黒津の頭1797mの南を巻くようにつけられた登山道は、南下する尾根とのコルに出ると雨乞岳が大きく見えます。雨乞岳への登山道と別れ反対の南に進みます。小さなピークを3つ目が水晶薙のある尾根です。


花崗岩の風化した眩しいくらいの白ザレに飛び出しました。檜尾根の向こうに日向山の雁ヶ原の白ザレが対峙しています。


痩せた尾根の両側がどんどん風化しています。この白砂でこの辺りの沢は白いんです。


登り返し。この尾根の両側は濁川の支流、笹の沢の支流で左側がアレ沢、右側が黒津沢。


 ピークに戻り方向を確認して進みます。黒津沢の頭と大岩山の稜線を結ぶでこぼこの尾根は中尾根と呼ばれています。水晶薙だけではなく白ザレの斜面が時々登場します。大岩山の奥の鋸岳は雲の中です。


中尾根は小ピークが9つほどあって、ひとつひとつのピークで変化する方向を確認します。ロープを出すほどではないものの注意して通過です。


ブナの幹につけられた熊の爪痕。


いくつもある小ピークの中で、いちばん広々している笹の平。名前の通りです。


 口の鬼の窓または東鬼の窓と呼ばれるコル。


鬼の窓の西の釜無川の支流、黒川の上流部の喜平谷に泊まりました。


ふかふかの苔の上にツエルトを張りました。


焚火


夕食は山菜の天ぷら


2017年5月4日木曜日

下調べ

週末の山行の下調べがなかなか思うように行きません。メジャーなところではないし、山岳資料としても簡単には調べることも難しいエリアです。

それでもいくつかの地名とポイントをコレクト出来ました。中途半端な段階ですが、自分自身の備忘録としてアップします。