群馬県富岡市にある鍬柄岳(くわがらだけ)です。やせ尾根や岩峰が多い西上州の山の入り口の山です。登山口の駐車スペースでこの岩峰が目に飛び込んできます。この山だけではすぐ終わってしまうので、まずは、ぐんま百名山の大桁山(おおげたやま)に登って南下することにしました。
富岡市道小倉線の駐車スペースには立派な馬頭観音。大桁山の東のコルの川後石峠に至る古道の馬頭観音です。その古道とは関係なく、大桁山の登山道は「関東ふれあいの道」です。環境省が計画し、各都道府県が整備、管理している「長距離自然歩道」のひとつです。だいたい10㎞のコース設定で、公共交通機関も絡めて案内されています。長距離自然歩道の中でも有名なのが東海自然歩道です。その東海自然歩道の始まりが1970年ということなのでかなり古い歩道たちです。
関東ふれあいの道の大桁山登山コースは千平駅~大桁山~虻田バス停で設定されています。関東ふれあいの道の総延長は1,800kmもあります。関東ふれあいの道は東京都の高尾山の麓が起点で埼玉、群馬、栃木、茨城、千葉、神奈川の順に1周です。全体で150ルート以上あります。各都県の整備だし、かなり温度差もあるでしょう。
ちょうど地形図に徒歩道があり、道形も残っていたので歩いてみました。しっかりした石積みが見えます。どうして長距離自然歩道は昔からの道を利用したルート設定にならなかったのでしょう?この道形は、駐車スペースの立派な馬頭観音に通じています。
川後石峠です。4方向から林道が合流しています。地形図の606m標高点が峠です。
関東ふれあいの道は大桁山の南山腹の林道を使っています。杉檜の植林地を歩くより、素直に大桁山から東に川後石峠に延びる尾根を歩くのが合理的に思えました。その尾根の様子です。
大桁山の東尾根の途中から見えた鍬柄岳です。2つの山の標高差がだいたい200mあるので見下ろせます。
大桁山の東の790m小ピークにあった山の神の石祠。
大桁山の東の尾根を進んで、再び南の尾根から続いてきた関東ふれあいの道に合流。階段が整備された登山道ということでしょう。
大桁山山頂。展望がイマイチなので、ゆるやかな尾根を北に進んで、妙義山の展望を楽しみました。ちょうど星穴岳のむすび穴がはっきり見えました。
大桁山から尾根続きなので、そのまま南下して登場した鍬柄岳の北面です。
鍬柄岳は、「石尊山」とも呼ばれています。石尊信仰の山頂の石祠は「石尊大権現」です。石尊信仰とは神奈川県伊勢原市にある大山阿夫利神社のご神体である巨石を崇敬する信仰です。そのため登拝道として、山頂に至る岩場には鎖が設置されていました。
石尊信仰は山岳信仰と修験道的な信仰が融合した神仏習合の神で、農耕の神様として知られています。
鎖のアンカー
東西に長い鍬柄岳の山頂部です。
東の小ピークの石祠
鍬柄岳山頂と奥に大桁山です。
展望の良い鍬柄岳山頂から東を見ると、前日歩いた富岡アルプスの稜線が見下ろせました。真ん中の尾根です。
こんな感じに登ったり下ったりでした。安全を確保しての行動です。
山中多く見られたイノモトソウ 井の許草というシダです。昔はこの葉をアルコール漬けにして打撲傷の外用薬に用いられていたそうです。
登山口に戻りました。ひとつのピークに登るのに、ハーネス、ヘルメットを準備して、実際ロープを使うっていう行動はそれだけでおなか一杯になるくらい特別な山行になったのだと思います。お疲れ様でした。
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