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2024年6月24日月曜日

谷渡沢

国道140号、笛吹川の広瀬ダムの広瀬湖が左、正面は木賊山と鶏冠尾根です。

所属する静岡山岳自然ガイド協会の研修で行った沢登り。まったく有名ではない谷渡沢は広瀬湖にそそぐ笛吹川左岸の沢で、最後は奥秩父主稜線の古礼山に突き上げる沢です。

しばらく使われなくなった廃林道を進むのですが、流れの両岸がオオバアサガラに覆われていてちょうど花盛りで少し驚きました。白いゴージャスに感じた花でした。


クリンソウが残っていました。かなりシカに食べられてはいましたが。


このくらいの滝が2こ。高巻きをするほどでもなく素直にそのまま登れました。


確実に、より安全に、ロープワークの確認をしながら登りました。


マタタビの花も満開でした。


だいたい沢の詰めは急なものです。縦方向にロープを固定して、それぞれがロープにセルフビレイを取って登ります。複数人いる場合は次のピッチにどういう段取りでロープを延ばしていけば早くこなせるか?なんてことの確認をしながらです。


予定の幕営地は標高1800m圏でした。


翌朝、笹原の中にダケカンバやトウヒ、いろんなカエデの木が点在していて、まるで楽園のような場所に何度も歩みをとめて見とれました。


富士山も見えてバッチリでした。


標高差で200mも登れば奥秩父の主稜線です。主稜線に出れば立派な登山道があります。


まだ登山が一般的ではない明治期の探検登山を想像しました。登山道がなく、猟師なんかを山案内人に雇い、沢筋を歩いて高みを目指した登山。登山史に登場する小暮理太郎や田部重治の気持ちがわかる場所に思えた古礼山の南。現在の僕らは二五万図を手に自由自在に山々の中を歩くことが出来ます。もちろんその場所の植生にもよりますが。


古礼山の南の最低鞍部に上がり登山道を歩いて山頂に行きました。


古礼山の南西の尾根を下りました。それにしても古礼山の南側がこんなに素敵な場所だったとは。僕らが幕営した標高1800m圏は古い切株が見られました。伐採などで人の手が入っても、自然の力で更新している森林のことを天然林と言います。伐採後も、周囲の樹木の種子が発芽・成長することで自然に森が回復されます。伐採をした後に種子が発芽して成長し、再び形成された森で、そのことを‘天然更新’と言うそうです。


谷渡沢南の長い尾根の途中唯一あった三角点の点名は「広川」、広川は尾根の南の沢です。


かなり充実感をあふれた山行でした。

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