ずっと気温が高い状態が続いていて、やっと先週末から冬がやってきたという朝、甲斐駒に向かうベルガ通り。日の出もだいぶ遅くやっと甲斐駒に朝の光が当たりました。
甲斐駒ヶ岳黒戸尾根で通年営業している唯一の山小屋、七丈小屋を運営する(株)ファーストアッセントその代表の花谷泰広氏。花谷君と一緒に仕事をすることになるとは想像もしていませんでした。ファーストアッセントのツアーでした。
尾白川渓谷道の尾根道との分岐にある道しるべ。これは黒戸尾根唯一と言われる道しるべです。たくさんの石物がある黒戸尾根なのですが、ほとんどが甲斐駒講にまつわるものなのでとても珍しいものです。
左駒ケ岳道 右不動滝 と彫られています。ただその下に黒戸尾根の古道のヒントが隠されているという話しを花谷君がしてくれています。ツアー参加者でないと聞けない話です。
スカッと晴れた日。鞍掛山どっか~んでした!
甲斐駒を開山した弘幡行者の小尾権三郎が、お餅とお粥で修業したと言われる粥餅石を経由した特別なツアー。小さな建物はトイレで、天皇陛下が皇太子時代にこのルートを登った時のトイレだったと花谷君に教えてもらいました。
粥餅石
ここで、甲斐駒ヶ岳黒戸尾根で生きていくという、覚悟みたいなものを、花谷君からはたくさんもらった山行。
霜柱が冬の到来を物語っていました。
どど~んと八ヶ岳です。
冬がやって来たと言っても、やっぱまだまだで水場のこの様子が暖冬を直感です。
七丈小屋の夕食。
暗いうちにスタートした翌朝。八合台地で日の出という計算でしたが、少し出発が遅れてしまったというところに厳しい現実があります。この時期に登りたいという個人的な希望と、登れる山かという現実です。花谷君は僕よりずっと若いけどガイドとしてのキャリアやカテゴリーはずっと上の存在、はっきりお客さんに指摘していた言葉は勉強になりました。まともな冬山のツアーに参加は出来ないとお客さんに普通にぶつけるわけです。装備や直前の準備、行動でこっちも危険な状況に引き込まれてしまうわけで、厳しい自然との対峙という状況を前にシンプルに考えればいいんだと思いました。マジってことの実践。
八合目台地と輝いた甲斐駒。
象徴的な二本剣。
馬頭観音が並ぶ甲斐駒ヶ岳山頂。
2967mの山頂から780mの登山口まで一気に下る黒戸尾根。この尾根の高いところの景色はすっごくダイナミックです。写真の正面は尾根の名前の由来の黒戸山。
森林限界から上はアイゼン、七丈小屋から五合目まではチェーンアイゼン。僕は初めて使いましたが、使える道具のチェーンアイゼンだと思いました。安全に行動するという事に直結します。
鳳凰と富士山。いかにも冬の山梨の景色です。
刃渡りはまだ冬ではありませんでした。
甲斐駒開山ルートの横手口に下ります。
おいしい水場もある横手ルート。
お牧場の昔の様子は想像するしかありませんが、山梨は朝廷に馬を献上した牧場が昔からあった場所です。
お牧場から下は昔の山仕事も重なって広い歩きやすい道になりました。花谷君と夕暮れの八ヶ岳。
開山の二代目が建立したと言われる丁目石の観音様。
登山道は今登山を楽しむ僕らのために作られたというのは違います。昔からの人々の暮らし、営みの延長上に僕らの山とのつながりがあるという事が本質です。そんな感覚を花谷君と共有出来た山行だったと思います。