2020年12月31日木曜日

黒戸尾根 冬

先週の土日の山行です。黒戸尾根七丈小屋を運営している登山家、花谷泰広氏のファーストアッセントのツアー。山岳ガイドで小屋番で甲斐駒を知り尽くした花谷君の冬のツアー、登頂率100%っていうのは凄いです。冬でも営業している山小屋がある黒戸尾根、意外に入山者は多いです。尾白川の駐車場も県外ナンバー中心にたくさんの車でした。


駒ケ岳神社で安全登山を祈願して吊り橋を渡って尾根に取り付きます。


ツガの大木。汗をかかないように黒戸尾根をゆっくりゆっくり上っていきます。


山の神の石祠、ここが一合目。冬枯れで釜無川まではっきり見えています。笹の平奥の駒留までは里山でえぐれた昔の山仕事の道です。


笹の平から見える甲斐駒山頂。


駒留のカラマツの大木。ここが二合目で、八丁坂の急登が始まります。


三合目先の刃渡りのやせ尾根。


刀利天は四合目。


五合目。篠沢の七丈瀑の氷が一週間前より大きくなっていました。右奥の日陰に見える氷瀑が七丈瀑です。


六合目の不動明王像。


七丈小屋。順調な到着でした。


この日は第二小屋でした。すぐ横のハシゴは山頂への登山道です。


ここで少し七丈小屋のコロナ感染予防対策をちょっと書いておきます。写真はトイレ。消毒液が各個室に備えてあります。(作りが風通しが良すぎるのでチョ~寒いトイレ)


寝るスペースのパーテーション。急ごしらえの様ですが、しっかり個室スペースを確保した間仕切りです。


一人分のスペースは荷物もしっかり置けて広く確保されています。注目は奥の番号です。この時僕に割り当てられたのは9番でした。敷布団と枕にはビニールのカバー、次の宿泊者のための消毒もスムーズだと思います。自分の寝袋を持参しますが、夜通しストーブがついて暖房バッチシ、スリーシーズン用の寝袋で十分です。冬用のガチな寝袋って重いですもんね。


下駄箱は自分のナンバーを指定されます。第二小屋は外履きサンダルも同じナンバーのサンダルが指定されているので、他の人と共有することはありません。


食事も間隔を保ってアクリル板の間仕切りなんかも使っていました。当然割り当てられたナンバーのテーブルでの夕食です。


夕食はカレーで、朝食はおいなりさんが夜に配られます。朝はお茶、お湯が準備されているので早朝小屋で食べて出発します。


当然小屋に到着したとき検温です。二棟の七丈小屋の定員は本来50人くらいでしょうか。それがコロナ対策で定員14人の現在です。経営も大変でしょうが、僕ら登山者にとって冬でも泊まれてコロナ対策もばっちりな七丈小屋は大変ありがたいわけです。


翌朝、ヘッドランプでスタートして八合目台地でちょうど日の出でした。富士山と鳳凰のオベリスクと日の出のグラデーション。
 

日の出の後は反対側の山頂がに陽に照らされきれいでした。


二本剣。この景色を堪能して九合目です。


山頂も目の前。


    甲斐駒山頂の一等三角点柱石。点の記を見てみました。「甲駒ヶ嶽」と書かれふりがなは「かいこまがたけ」。明治24年7月14日設置の柱石。所在地は長野側、山梨側の併記でした。
・長野県伊那市長谷黒河内3211番地1(黒河内国有林269イ林班)
・山梨県北巨摩郡白州町大字横手字駒ケ岳山4349番地 と書かれていました。


山が微笑んでくれたような日で、風は弱く気温もマイナス一桁の山頂でした。遠く北アルプスの山々も見えるなんてラッキーな日曜でした。


登ったら下ります。山頂から七丈小屋に戻った時は素手で作業ができるくらい高い気温で助かりました。写真は五合目に下る鎖場です。万が一に備えてロープを出しました。


刃渡りの下山。武川米の里が見えるくらいの高度感にはシビレます。


駒ケ岳神社手前の急斜面で出会ったカモシカの親子。


売店おじろのおばちゃんのコーヒーをごちそうになって山行おしまい。自転車おばちゃんFさんの饅頭もごちそうさまでした。皆さんお疲れさまでした!


2020年12月11日金曜日

二子山

秩父小鹿野町の二子山です。スタートは秩父鉄道の終着駅三峰口駅。昭和レトロで味わいのある駅です。


二子山は右が東岳、左が西岳の双耳峰。石灰岩の岩山です。真ん中の股峠を目指します。


二子山、双子山、二児山、ふたごの山は全国にたくさんありますが、必ず双耳峰だと思います。この近くにも別な二子山があって、横瀬二子山と呼ばれるようで、西武秩父線芦ヶ久保駅の南です。こちらの二子山は小鹿野町にあるので小鹿野二子山。登山口です。


股峠へのルートの始めは沢地形。ぱっと見ずいぶん荒れていると感じました。


水量が少ないのでそれほど問題にはなりませんが、大雨のためだいぶ岩が動いていてとても歩きにくい道でした。


峠への登山道は小さな尾根のジグザグで落ち葉が掃かれていました。有難い!


まだ奇麗なカエデが残ってました。クライミングエリアが点在している二子山。奥に見える壁は東岳弓状バットレスと言われる岩壁です。


股峠。峠の北側に駐車場があって、クライマーはそちらからアプローチします。


まずは東岳へ。鎖場と人工のステップ。ちょっと微妙な位置と角度のステップ。


やせた岩稜。


西岳。奥は群馬県神流町や上野村です。


東岳は1122m標高点です。


股峠に戻り次は西岳です。温かい師走の入りでした。


西岳一般コース。


西岳山頂の三角点柱石はむき出し。


お昼はホットサンド。卵とチーズはもっと火を入れるべきだったかと思いましたが、卵のとろとろ感が良かったということでした。


鋸の歯の上を歩くようなアップダウンです。正面のピークにも登ります。


比較的風化はしにくい石灰岩ですが、主成分の炭酸カルシウムは雨水に溶けるのでとても面白い浸食を見ることが出来ます。


前後左右、よく注意してトレースを探します。この岩はそのまま登りましたが、岩を登らないで巻く場合もあります。でも一本道なので迷うことはないし、それほど危険ではありません。


白い平は太平洋セメント叶山鉱山、石灰岩の採掘プラント。奥の山並みは群馬県、上州の山々です。目の前のピーク手前から左に折れて下りました。


下山ルートの鎖場は垂直です。ここにも人工のステップ。


ここまで下れば岩場が終わって普通の里山です。


魚尾峠(よのおとおげ)。地理院地図にも登場する魚尾道(よのおみち)という古道のような響きの名前がどこをどう通っていたかはわかりません。埼玉県小鹿野町から群馬県神流町に行くには国道299号です。国道の峠道にあるのは(トンネルの上の峠)志賀坂峠です。


安全な里山の道からふりかえって見た二子山西岳と東岳。スカイラインを歩いてきたわけです。


下山途中で見かけた炭焼窯。


えぐれた昔の仕事道の登山道。こういった道はいたる所にあるわけなので、登山道というより昔の仕事道って表現したい僕です。


ようばけ
下山後に秩父に移動中に偶然出会った地層の露頭。ばけ、はけというのはこの地方で崖を指す言葉だそうです。ようは陽のあたる様子からだそうで、まさしくようばけに出会ったわけでした。高さ約100m、幅約400mのようばけ。秩父ジオパーという様々な案内がされています。ようばけの手前にはおがの化石館という博物館もあります。


秩父ハープ橋。秩父の象徴の武甲山の左に横瀬二子山が見えています。