2023年7月27日木曜日

富士山吉田口

ガイド仲間からの依頼はシンガポールの方々を吉田口から富士登山というものでした。前日吉田口五合目に前泊しているということで、ひとりで吉田口五合目に向かいました。河口湖大橋からの富士の姿は完璧でした。

待ち合わせの時間前に到着した吉田口五合目は、まだ時間が早いためか閑散としていました。富士山で最もにぎわう場所です。自分が日本人であるということをいやが上にも感じた瞬間。約束した時間で合流し、山行が始まるのかと思っていたらまったくてんでバラバラでなんとも締まらない始まり。

このタトゥーを見せられても…この国では一般的ではないと返事しましたがうまく伝わらなかったと思います。

単調なスタート。厳密に言えば六合目過ぎのジグザグです。巨大なバリケードは吉田大沢からの落石から守ってくれるものです。

トイレと焼き印というイメージの通過する山小屋。七合目から次々に登場する山小屋。


予約されたのは七合目の東洋館。凄く整備されたきれいな小屋でした。


コロナ後の山小屋はどこも完全予約制。それでの登山後にコロナ感染とかいろいろ不具合が生じたときに対応できるよう、外国人はパスポートまたは在留資格証の提示が求められます。凄い時代になったと思った瞬間でした。


今や普通になった蚕棚の寝室スペース。


富士山と言えばカレーが夕食ですが、東洋館はけんちん汁が売り。ごはんとお茶はお替りできるというのは良心的です。


富士山で一番東側に位置する吉田口は日の出がメインですが、それでも夕方、影富士がちらっと見えました。


日の出前30分の空が素晴らしいということで、そんな時間から行動していました。日の出は4:35くらいでした。


日の出。下に山中湖がしっかり見えています。


七合目からの岩場は吉田口ルートの難易度を上げていると思います。


その岩のセクションも太子館までです。太子は聖徳太子の太子です。


本八合目まで行くと尾根状の向こうが見えるので下山道の確認が出来ます。こんなスカイラインが富士山です。


九合目の鳥居


吉田口山頂手前で見られる見事な石積みは溶岩です。


やっぱり噴火口は特別感にあふれます。


1万数千年前の新富士の噴火で地上に現れた溶岩です。登山道のわきに時空を超えて火山のリアルを見せてくれていると思いました。


一番新しい宝永の噴火の宝永山が確認できました。


富士山の火口をぐるっと回ることをお鉢巡りと言いますが、この日は下山も含めた時間が押しているのでキャンセルしていただきましたが、山頂郵便局には行きたいということでピストンしました。御殿場口山頂に着いたらガ~ン!


御殿場口から富士宮口までは5分の移動です。郵便局があって安心しました。


郵便局で用足しして吉田口下山道の戻る途中で見えた「まぼろしの滝」のルンゼ。


下山道のはじまりで出会った富士山の一般的なツアーの様子。コロナがあって富士登山の何が変わったのかって考えた時、正しく変わったのは小屋の対応だけです。一畳に3人寝るみたいな対応から、ギュウギュウ詰めから個室対応になったことだけです。それ以外はコロナ前と何も変わっていないと思いました。コロナ以前と変わらないツアーの実施と外国人が押し寄せているという今年。何も変わっていない富士山だと思いました。小屋からあぶれた人の弾丸という行為。調整が難しいと思った現実。


吉田口下山道のポイントは須走口との分岐です。吉田口に下るつもりが須走に行ってしまう人がいるんです。末広がりの富士山なので下山口が違うととんでもないことになります。


長い吉田口の下山道。


下山道最後の方に登場するシェルター


富士山の傾斜と夏雲。夏の富士山のイメージドンピシャです。

午後2時くらいの吉田口5合目は混雑してました。

2023年7月23日日曜日

二子山の花

今月のはじめにロープワークが目的で行った秩父小鹿野の二子山です。こんな時期に行ったのことはなかったので初めての花に出会え、忘れないようブログ記事を書きます。


山梨からではちょっと遠いし、ギリギリ日帰りエリアかなと思います。いつも東峰と西峰の間の股峠目指し南の沢沿いの道を歩きます。股峠まであと少しの写真


まずは股峠から東峰をピストンです。樹林帯を抜けると見える西峰は東峰の鎖場通過のご褒美みたいに登場する絶景です。


7月初めの山行で目に付いた花。二子山は石灰岩の山で石灰岩地特有の花に出会えるわけです。調べるとウチョウラン。
 

稜線上でたくさん咲いていたウチョウラン。恥を忍んで言えば胡蝶蘭に名前似ているんですが、コではなくウなんです。胡蝶蘭は花屋さんにたくさん並んでいますが、ウチョウランはなかなかありません。それでも野草から園芸種に栽培されているイメージがあります。


こちらもたくさん咲いていたので気にも留めなかったのですが、小鹿野二子山周辺でしか見られないキバナコウリンカです。石灰岩の山に咲く稀少な多年草。 殆どここにしか咲かないそうで絶滅危惧ⅠB類。クライミングエリアでもある二子山で、小鹿野町も保護を訴えているキバナコウリンカです。


イワシモツケ、これも石灰岩地の特異な花。


こちらは結構どこでも見られるシモツケ



シュロソウ ホソバシュロソウかもしれません。東峰の鎖場の先で数株ありました。


キヌタソウ キヌタ(砧)は、布を打って軟らかくするのに用いる木または石の台とのことだそうです。実の形がこれに似ることからのキヌタ。世田谷区砧も何かそんな繋がりなのか?


稜線でたくさん見た木の花。わかりにくいけど花はハギの花に似ていました。まんまでした、キハギ(木萩)みたいです。


ロープワークの様子。


いろんな山で見かけるネバリノギランの粘りがないノギランです。今まで注目することがなっかったから気が付かないでいたのかもと思いました。そんなノギラン。


咲き始めたニッコウキスゲ


白いギボウシも石灰岩地だからかもって思いました。


稜線の石灰岩の浸食はここでしか味わえない独特のものかもしれません。


魚尾道峠への下り最後の垂直の鎖場。ホールドスタンス豊富なんですが、傾斜に圧倒されるピッチ。


顕著で快適な尾根を下りながら、まるで挨拶されるように東峰と西峰が登場して終わる小鹿野二子山の最後です。

2023年7月16日日曜日

森吉山

秋田駒ケ岳の山行が終わった翌日は森吉山周辺を歩こうと思っていました。具体的には有名な桃洞沢に行こうと思っていました。初めての場所で良くわからないので阿仁合駅の近くに泊まった朝、どうしても最寄りのコンビニにと移動。約8kmの移動した交差点は桃洞沢のアプローチの交差点で、立派な森吉山の案内が立っていました。

コンビニ最寄りの駅、阿仁前田温泉駅前のクマの木彫りの迫力です。マタギで有名な阿仁の里でたくさんの木彫りを見かけました。桃洞沢の沢登りは夜の大雨と天候不順で行くことを諦めた朝でした。

僕の住んでいる韮崎の緯度はだいたい35度42分、阿仁はだいたい北緯40度。その緯度のポイントにあったモニュメント。緯度は難しい計算式があるのでしょうが、一度はだいたい110kmでしょう。


阿仁の里のことはよくわかってないし下調べも全くしていませんでした。今は北秋田市となった阿仁町、阿仁合駅の近くに泊まったのは阿仁町の役場があったと思ったからでした。『1309年(延慶2年)に発見された阿仁鉱山の金、銀、銅の採掘で栄えた(1970年(昭和45年)に休山)。以前は銅の生産量が日本一だった。』wiki
明治のお雇い外国人の家が保存されていました。

阿仁鉱山の当時を伝える伝承館。

ダイジェスト的に鉱山にまつわるものが展示されていました。鉱山での破砕のための穴も工夫次第という穴の展示。

鍰(からみ)と説明されていました。鉱石を精錬して銅を抽出した後に残った不純物の塊です。阿仁鉱山の厳しい労働が伝わってくると思いました。

阿仁マタギの地マンホールのデザインはなぜかかわいいものでした。

天気も悪いし、とりあえず森吉山の山頂だけは行っておこうと阿仁スキー場がスタート。

全長3,473mの阿仁ゴンドラに乗って楽ちんに移動です。20分の乗車時間、乗車で良いのかな?ゴンドラの時間です。実際は17分でした。


山頂駅から歩き始め、最初のランドマークの石森という1308mの標高点。

ロープウェイを使わないで登るルートの入り口は阿仁前田温泉駅です。このブログのはじめの写真のコンビニ横の森吉山の案内です。そのルートの一ノ腰というピークまでピストンしました。途中の立派な避難小屋です。

避難小屋横の冠岩という面白い岩。


石森に戻って進んで見えた森吉山の山頂。だいたい真ん中なんですが、特徴のない地形はなかなか読めなくて難しいですね。これは冬、積雪がある状況ではかなり難しいところだと思いました。

二百名山の森吉山山頂。

簡単に山頂まで行ったので、北の山人平まで下ってみました。その山人平の山頂からの様子です。


花は盛んに咲いていて、これは登山道のニッコウキスゲ。
 

オオバキスミレ 大葉黄菫。


マルバイワシモツケ 丸葉岩下野。 


東北シリーズの主役、ヒナザクラ。


阿仁スキー場のゴンドラで下りました。残念な天気でした。