2021年7月20日火曜日

浅間隠山

谷川岳に登った翌日、少しでも好天が望まれるところに移動して登山ということで、軽井沢北の浅間隠山を狙ったわけでした。登山口の駐車場のこの青空に思わずガッツポーズ!


浅間隠山は群馬県の東吾妻町と長野原町の境にそびえる日本200名山の山です。


登りはじめはモミジイチゴの木苺の実が食べごろでなかなか進まない展開でした。


200名山ということで全国から登山者が訪れるかどうかは僕にはわかりませんが、とても整備された登山道が続いていました。


サラサドウダンの花びらが敷き詰められたような登山道。


山頂南東の1690m圏の小ピーク。ここまで来れば山頂もすぐです。北の吾妻川方面からはこのピークと山頂を繋ぐ山頂部が富士山に似ているということで川浦富士と呼ばれているようです。その川浦富士があるので浅間山が見えないところから浅間隠山(あさまかくしやま)なんです。


アヤメがちらほらでレンゲツツジは終わってました。


登るにつれガスに覆われていたのですが、山頂では浅間山を隠さず見せてくれました。


浅間隠山山頂のかわいそうな三角点柱石。なんでこんなことになったのでしょう?ふつうは三角点と彫られきれいに仕上がった面から下は土中なわけです。


スコリア(だいたい火山灰)に覆われた浅間隠山の地面です。勝手にこれは浅間山から飛んできたのだろうと思いました。


登山口の群馬県道54号線に下ってきました。県道の法面はたくさんのシモツケというバラ科の落葉低木の花が咲いていました。


二度上峠からの浅間山。


2021年7月16日金曜日

谷川岳

谷川岳にというリクエストを頂きました。ただコロナ過でほとんど山を歩いていないというのが問題でした。まだ梅雨明け前で天気も気になった山行です。とにかく稜線に上がってしまおうと谷川岳ロープウェーに乗りました。

何とも微妙な空でしたが、雨具を着ることはありませんでした。

とは言っても榛名山の向こうに夏の黒い富士山が見えたのには驚きでした。

天神尾根は短いので、まるで初心者ルートのようにとらえてしまいがちなんですが、蛇紋岩の岩はぬれるととても滑ります。確実に歩くにはそれなりの歩きのスキルが必要です。

登山道の残雪が融けたばかりで、ショウジョウバカマがそこだけの春を感じさせます。


肩の小屋に着いて、とりあえずオキノ耳まで。展望がきくようなら一ノ倉岳までピストンするつもりでした。


何も見えないんじゃ行っても仕方ない、ということで雲の移ろいやたくさんの花々を眺めていたらなんとどんどん雲がとれてきました。


オキノ耳からトマノ耳の尖がりがかっこいいって見ていました。その尖がりの意味を肩の小屋の小屋番さんに教えてもらうのは翌朝でした。


左の茂倉岳と右の一ノ倉岳。雲の変化に見とれて一ノ倉岳はまた今度ってなりました。


肩の小屋に戻りながらの展望でオジカ沢の頭の左に俎板ぐら。


夏の谷川岳ではそれほどの存在感ではありませんが、このケルン、冬は圧倒的な存在感なんです。


ミヤマキンポウゲの黄色と肩の小屋。


肩の小屋に泊まった翌朝、トマノ耳は落雷がすごいそうです。山頂標識がやられてバックリ割れてしまうこともしばしばだそうで、これは去年雷にやられた標識。小屋の横に置かれていました。


トマノ耳の今年交換したばかりの山頂標識。翌朝もう一度行ったトマノ耳で確認しました。


雨は降りませんでしたがウエットな登山道。


コロナ過で体力に不安はあったとしても、谷川岳をそれなりに堪能した山行、まるで肩の小屋に泊まるのが目的のような山行になりました。それでも素晴らしい花の山が良かった!

2021年7月12日月曜日

千国越え

塩の道 千国街道歩きも4回目。日本海に面した糸魚川の街からずっと歩いてきたわけです。梅雨のこの時期に姫川の急流が実感できる水量でした。

塩の道は並行して走っている大糸線を使ってコース設定が出来ます。起点駅、終点駅と自家用車を絡めて日帰りで歩くわけです。幸い大糸線の各駅には駐車スペースがあります。この日は終点駅の信濃森上に車を置いて、始点駅の中土に移動。あまり知られていない大糸線あるある・・・松本~南小谷の間はJR東日本、南小谷~糸魚川の間はJR西日本なので、南小谷で乗り換えなければならないこと。乗り継ぎが悪い時間帯もあって、下手すると南小谷で相当待たされるなんてこともあります。

前回終点だった中土駅から歩き始め、池原集落の先に古道の入り口でした。

中部電力姫川第二発電所の導水管。

フスベと呼ばれる難所の通過。急傾斜の斜面が姫川左岸に落ちています。牛馬の転落もあったとか。車坂を姫川の渓谷に下ります。


下里瀬(くだりせ)宿で見た小谷村のマンホール。村花「オオヤマザクラ」がデザインされているそうです。


塩の道千国街道、古道の様子。こんな昔のトレイルがずっと残っているわけではありませんが趣ある古道です。

里山です。ドクダミの白い花がきれいでした。

小谷村郷土館。この茅葺き屋根の古民家、以前は小谷村役場だったそうです。今は民俗資料が展示されている資料館です。

三夜坂入り口の馬頭観音。

月待信仰の二十三夜塔が坂の上にある三夜坂。

鍾馗様(しょうきさま)は疫鬼(えききは、中国に伝わる鬼神あるいは妖怪)を退け魔を除くという神様。高遠石工の作とされています。

曹洞宗源長寺の西国三十三番観音。表情豊かでこちらも高等の石工の作と言われています。

千国宿の史料館。千国番所跡です。松本藩の口留番所として明治の初めまで機能していたそうです。いくつかある民家の中でも塩倉という塩の保管庫。中に塩なので戸車まで金属は使われていないということでした。

再現されている歩荷の荷。

親坂は石畳が残った急な坂です。牛も登るのを嫌がったとか。親坂の最後に登場する弘法清水。

塩の道のすぐ横から湧き出ている弘法清水です。

小谷村の3つ目の史料館の牛方宿。それぞれの史料館の入館料は300円なんですが、今年は特別価格が設定されていて、3館共通券が500円!塩の道の手ぬぐいがおまけで付いてきます。

前山百態観音。江戸末期、高遠石工による彫像。西国、坂東、秩父の観音が立ち並びます。

百体観音・・・西国三十三ヶ所霊場(京都、奈良、滋賀、和歌山、兵庫、岐阜にまたがる観音霊場)、坂東三十三ヶ所霊場(関東一円の七都県にまたがる観音霊場)、秩父三十四ヶ所霊場(秩父地方の霊場)合わせて百か所あることから通称百体あるいは百番と呼ばれています。

切久保集落外れの庚申塚。塩の道も昔の道がわからなくなったところもあるようです。見どころ満載でそれぞれじっくり見学とはいきません。一回に10km~15kmくらいの歩きです。あとはそれぞれの地元での取り組みに差があり、分岐がよくわからないところも多いです。

白馬村のマンホール。白馬三山と村花のカタクリのデザイン。

2021年7月11日日曜日

王ヶ頭ホテル

2泊3日の美ヶ原ロングトレイルの山行はかなり珍しい内容でした。美ヶ原山頂部には車で行けること(一般車は無理)、いわゆる山小屋というよりホテルと言っても良い宿泊施設が3つ存在すること、それ以外には避難小屋も含めて山小屋がないエリアなのです。最後の牛伏寺まで1泊目の王ヶ頭ホテル、2泊目はオリジナルのテント泊。人気の高原ホテルの次がテント泊っていう山行。なかなかこんな山行はないわけで、ご参加いただいた方に感謝なんです。


大きな王ヶ頭ホテルの建物と電波塔が林立する王ヶ頭山頂です。


王ヶ頭ホテル入り口。

ロビーとフロント


ホテルに到着した時のサービスはウエルカムドリンクというリンゴのスパークリングでした。とても飲みやすいアップルスパークリングで駆け付け三杯。王ヶ頭ホテルに泊まるのは圧倒的に普通の旅行者です。このホテルに泊まる人はきっと僕らのような登山者と、それ以外は登山というものは全く知らない観光客。誰でも来れる場所。山梨でいえば富士山の五合目でしょう。


部屋への廊下には美ヶ原の風景写真。四季の美しい写真です。


そして夕食。美ヶ原山頂のホテルなので、下界の宿とは勝手が違うこともあるかもですが、素晴らしいスタッフさんたちがフォローしてくれるので安心です。


夕食時の箸に印されていた王ヶ頭ホテルのマーク。


2000mという標高で泊まれる宿泊施設は山小屋バージョン以外にいくつもあるでしょう。例えば中央アルプスの千畳敷、立山の室堂、富士山五合目などですがやはり王ヶ頭ホテルは全く違いました。山屋感覚で泊まった僕はこの夕食に2時間かかったということでこのブログ記事なんです。


前菜が運ばれただけでびっくりでした。こだわりの地産地消のオンパレード。高級食材ではありません、地場産の身土不二。説明されたけど忘れてしまったのでお品書きをトレースします。


食前酒のワイン(塩尻さんだったか?)のあとの前菜のトップバッターのトマトのファルシー。


パプリカのムース


鴨肉のオレンジマリネ


羽二重豆腐


鮎バッテラ寿司。みどりの真ん丸が気になります。


モモの摘果した普通なら畑の地面で踏みつけられる小さな未熟のモモの実のシロップ漬け。ほのかにモモの香りに感動でした。


金糸瓜


小付けのトウモロコシの真丈。


イワナの塩焼きは迫力でした。


吸い物 鯛の潮椀


冷菜 信州サーモンと蕎麦のガレットのサラダ


志賀トラウトと地野菜のしゃぶしゃぶ~ウニ風味仕立て~


二色ゼリー


ローストビーフ レホール添え~グレイビーソース~


生姜ご飯 味噌汁 漬物 


デザート これでおしまい。夕食は2時間かかりました。


翌朝の日の出タイム。星空とか自然解説のツアーもセッティングされているみたいです。


約3kmの距離をポンプアップして確保されている水。


東側がオープンエアーの半露天風呂。ガラスがないだけでかなり自由を感じるって目からうろこでした。


早朝の半露天風呂。すっごく爽快な入浴だったんですが微妙な気分。風呂から上がって朝飯食べたら約8時間行動の山行が始まるわけです。そしてテント泊。凄いギャップ。


ボリュウームの朝食。


美ヶ原の登山道から見た王ヶ頭ホテル。窓のない辺の上が女性用、下が男性用の半露天風呂です。朝食前まであの露天風呂にいたという妙な感覚を持って歩きました。