2023年12月31日日曜日

2023年大晦日・安達太良山

気が付けば大晦日の2023年。ガイド山行を依頼していただいたお客様、仕事を依頼してくれたガイド仲間、検定や更新研修や育成学校の山行をいただいたガイド協会、今年一年有難うございました、お世話になりました。精一杯ガイド山行に取り組みますので来年もよろしくお願いします。
先日行った山、安達太良山の山行を今年最後のブログにします。
いつもなら寝ることが出来ればいいと、ビジネスホテルやゲストハウスなんて宿なんですが、福島の二本松の安達太良山に行くんなら麓の岳温泉のまっとうな宿に泊まんなきゃ!ということでちょっと高めの宿に泊まったんでした。


1泊2日2食で20,000円くらいでした。


夕食、朝食をしっかりいただきました。こんなもんかな~って内容の宿。温泉は素晴らしく、からすの行水の普段ですが3回もお風呂に入りました。


前日の夕方にはなかった門松を朝に見て、時の移ろいに焦ったりしました。あっという間に今年も終わりなんですもん!


岳温泉からすぐの安達太良高原スキー場。このアプローチはネット上でもなかなか難しい情報しか得られないところで参りました。スキー場のすぐ横にロープウェイがあるのですが、冬季は運行していません。HPのデザインはスキー場もロープウェイも同じなんですが、それぞれ独立していて繋がっていません。運営主体が行政なんじゃないかと思えるくらい情報の更新が遅いんです。


経験が必要ということでとりあえず運行している唯一のリフトに乗りました。運行していないけど2本目のリフトに乗ることが出来れば30~50分短縮できるというなんともな~の登山口。経験ということで一本目のリフトには乗りましたが…


登山道の案内はありました。


ひと登りで五葉松平。わかりにくいんですが、奥のとんがりが安達太良山の山頂です。


右奥に終始確認できた蔵王連峰。


高村光太郎と智恵子の空の話し。「この上の空がほんとの空です」by二本松市
 

五葉松平から上でそこそこの積雪になったのですが、やはり今年はとても少ないんでしょう。そのことより安達太良山の山頂周辺で見られる針葉樹が五葉松のみだということが不思議でした。


ゆるやかな頂稜部。


安達太良山の別名は乳首山、そんな露骨な表現が許されているのかどうかはわかりませんが、この岩が山頂だという安達太良山です。


越されたり越したりしながら山頂で一緒になったつくば市から来た「ビワ」という犬。ウエアリングといい、サングラスといい、なんかカッコよかった。


安達太良山山頂から牛の背という稜線を北上。風にさらされる稜線のエビのしっぽ。


牛の背から見えた沼ノ平カルデラ。


エビのしっぽを崩して現れた標識。ここから南下です。


稜線の道を選んだらほぼノートレース。有名なくろがね小屋は改修で休業中。前夜泊まった岳温泉の源泉はくろがね小屋周辺の様です。


勢至平で広い登山道に合流します。その幅広の道はくろがね小屋への物資搬送で広いのか、岳温泉の源泉ということで広いのかわかりませんが、つまりどちらもなのでしょう。


安達太良高原スキー場の登山者向けの案内。


帰りの東北道から見えた安達太良山です。

2023年12月10日日曜日

小金沢山

このブログは自分のガイド活動報告みたいなものだし、時々自分の備忘録のために記事を書いています。11月の最後に行った大菩薩の小金沢山。リクエスト頂いた山はもう冬で、冬山対応は厳しいということで、展望の良いところに行きたいというリクエスト。中央線の甲斐大和駅で合流して途中からバスに乗りました。降車したバス停の小屋平。

小屋平から主稜線に登る登山道はかなり荒れています。普通にこんな段差が次々に登場です。

大菩薩峠より好きな石丸峠です。

青い空と笹原の稜線は大菩薩ならではです。だれでも容易にこの稜線来ることが出来るので人気なのだと思います。


この日の目的のピーク、小金沢山がどっしり見えました。

振り返った大菩薩の主稜線です。

狼平。大菩薩の主稜線で一番好きな場所です。

上手く写せませんでしたが、南アルプスの山々がはっきり見えました。

小金沢山は山梨100名山で、大月市の秀麗富嶽十二景のピークです。そんなうたわれかたをしているピーク、甲州アルプスといういわれ方もあります。

歩きやすく、素晴らしい稜線だと思います。ただ、この素晴らしい稜線が、立場によって名称が変わるというのはどんなんでしょう?実際歩いてみてとても乱暴に扱われていると思いました。里にも近い2,000mの稜線の運命かな?

小金沢山から縦走して牛奥雁ヶ腹摺山のピーク。

三角点はありません。明治に設置された林班の境界を示す宮標石がありました。

牛奥雁ヶ腹摺山から西に日川に下る途中の縞枯現象。

本流に近づいて登場したヤドリギ。種がたくさん生っていました。


早い時間に下山したので初めて笹子峠の矢立の杉に行きました。


迫力あった矢立の杉。甲州街道の難所、笹子峠の千年杉です。


そのまま、旧笹子峠も見学。中央線が甲府まで通じたのが明治36年、その前年の明治35年にいまの中央線の笹子トンネルが開通しました。鉄道とは別なモータリゼーションの車道です。写真の旧笹子トンネルが開通したのが昭和13年。現在の国道20号の新笹子トンネルが開通したのが昭和33年。そんなことに思いを巡らす歳になったのだと思います。

中央線笹子駅の横にある巨大な石碑。これは鉄道、中央線の笹子トンネルが開通したという記念碑です。こういった歴史にも触れた山行でした。

 

2023年11月30日木曜日

ショートロープ研修

所属する静岡山岳自然ガイド協会の研修でした。ショートロープというのは、 危険個所でガイドがお客さんをロープでつなぎ、滑落や転落を防ぐためのロープワークです。甲府の昇仙峡の奥、黒平での研修でした。移動中の車窓から昇仙峡の景色。


2日間にわたって行われた研修でした。宿泊はマウントピア黒平。管理人の藤原さん、お世話になりました。


マウントピア黒平のコテージ。キッチン、トイレ付きの二間で一棟5人泊りで10,000円とtax。食事はセルフになる宿泊です。炊飯器やナベ、フライパンは常備されていて、食材の買い出しをして一日目の午後に合流した僕でした。10人くらいの食材の買い出しってなかなか慣れないので難しいと思いました。参加者にお米を作っている会員もいて、新米を持って来てくれたのは感謝です。


2日目担当の僕でした。ショートロープってかなり高度なロープワークですが、基本確保術なので、ロープを使った確保ってという基本のおさらいから入りました。


究極のボディビレーの肩がらみ。理屈じゃなく実際にどのくらいの負荷がかかるか?ということを認識しているということはとても大事だと思っています。マウントピア黒平施設周辺の急斜面でいろんなビレーの確認をした午前中。


お昼の後に向かった燕岩岩脈。登山道はないので地図読みが必要になります。どこから取付くのか燕岩岩脈ということです。尾根地形の燕岩岩脈でリアルなショートロープの実践です。


ガイドが二人一組で、お客さん役とガイド役に分かれてのショートロープの実践。


行動の流れがとても大事です。厳しいところは確実に確保して、そうでもないところは行動を止めないでスムースな行動をするというのが理想です。加えて行動しながら万が一のアクシデント(転落)で確実にロープで止める、というショートロープです。


松の木の山頂の1275m標高点。


冬が始まって展望がきく日々が始まりました。金峰山が近いです。


僕の大好きなみみ石のピーク。


1275m標高点手前のコル。ここでも読図でマウントピア黒平に下りました。


2日間の研修が終わり車を走らせ帰宅ですが、夕陽に照らされた燕岩岩脈が見えました。この稜線で行われたショートロープ研修でした。