2022年10月30日日曜日

ハイマツ無惨!

今年の夏の一番怒りを覚えたことを書きます。こんなことが許されるのか!というくらいの怒りです。一個人の力の無力さを感じますが書いてみます。山岳観光振興を狙った行政が、全く山のことを知らないまま土建業者に貴重な稜線部のハイマツの伐採をさせてしまった。八ヶ岳横岳杣添尾根の森林限界から上は元々北側のダケカンバ林の弱点にありました。ところが尾根のトップのハイマツが伐採され中途半端な登山道が出来ました。もともとの登山道の整備で十分なんで、伐採されたハイマツの登山道の使用をやめてください。
写真は長野の川上村のレタス畑です。奥に八ヶ岳の赤岳から天狗岳。


 八ケ岳の横岳に直接登る杣添尾根です。日帰りの登山でした。

樹林帯を進み右に折れるあたりから何となく、ん…みたいな展開でした。こんなに展望良かったっけ?杣添尾根です。

森林限界に達して目に飛び込んできた景色。

こんなデッキありましたっけ?


この奇妙なデッキ、テラスの向こうに天下の富士山でした。



尾根のトップの登山道の様子。


主稜線、赤岳と横岳をつなぐ稜線に出ました。


こんな素晴らしい景色の主稜線です。


同じ杣添尾根を下りました。尾根上の無惨な刈られたトレースが見えます。登りながら違和感を覚えた尾根上の道にこの時初めて気が付きました。ハイマツ帯を避けて、左のダケカンバ林の中に登山道が元々あったということを。


2016年の杣添尾根の写真です。ハイマツ帯にトレースはありません。



元々の北側のダケカンバ林の中に通じる登山道にバリケード。こんな枝一本で尾根上の酷いハイマツ伐採の登山道に導かれてしまいます。


元々のダケカンバ林の登山道に入ってみました。問題なく通ることが出来ました。ただ3本くらいの倒木の処理は必要です。


旧ダケカンバ林の登山道の下部もバリケード。


いろいろ僕なりに調べてみるととんでもないことがわかりました。4年前に杣添尾根地元の南牧村が予算を立て約3億円で尾根上のハイマツの伐採を地元の土建業者にやらせた。土建業者は登山者ではないのでとりあえず伐採したけど、中途半端で半端ないくらい歩きにくい枝が残った登山道になってしまった。お金をかけた目的は山岳観光の振興だけど歩きにくいハイマツ伐採の登山道は不評で途中で敗退する登山者もいるくらい。
下の写真をもう一回載せます。これを見ただけで想像できると思います。ひどい登山道。


このことを長野の地元紙に告発しましたが反応はありませんでした。山梨の地元紙にも告発しましたが、反応は良かった記者でしたが立ち消えになりました。全国紙の知り合いの記者にも伝え取材も受けましたが記事にはなっていません。新聞の話しです。杣添尾根の森林限界上は元々尾根の北側のダケカンバ林の弱点に登山道がありました。山岳観光振興を目的に南牧村が予算つけて尾根上の貴重なハイマツを伐採してしまいました。八ヶ岳は国定公園です。国立公園は環境省の管轄で、国定公園は都道府県の管轄だそうです。長野県の担当者にも問合せしたけど、当該市町村に問合せしてくれという返事でした。しかしこれらの写真を見れば取り返しのつかない開発行為であるということは容易にわかると思います。僕らに出来るのはハイマツの伐採の尾根の道をクローズして元々のダケカンバ林の登山道を使うということだと断言できます。

2022年10月26日水曜日

ヤクシマリンドウ

8月、今年も屋久島に行きました。たくさんのヤクシマリンドウ屋久島竜胆に会えたのでブログに書いておきます。鹿児島空港に着陸する時によく見えた霧島連山です。韓国岳、新燃岳、高千穂峰などです♪


屋久島空港へ運んでくれるプロペラ機


屋久島空港への着陸態勢に入って見えた愛子岳。尖がったピーク

朝早いフライトだったので午前中のうちに淀川登山口に到着

花之江河から石塚小屋を目指した1日目。これは古い石塚小屋跡の石積み

屋久島の登山道、宮之浦岳、縄文杉、白谷雲水峡などのメインルートは迷うこともないような登山道なのですが、今回初めてメインから外れたルートを歩いてみて、こりゃちょっとハードルが高いなって思いました。一応整備はされていますが簡単ではないということです。

稜線上にある高塚小屋


ん、足跡…


ん、うんち...

ヤクザルです。普通に会えます。今回は威嚇されたりちょっと苦労したひと時もありました。


ヤクシカです。こちらも普通に会えます。稜線で草を食んでいたこの個体はずいぶん大きく立派な角の持ち主でした。


雨にも降られ、青空も出ていたりしたけど山脈はガスってなかなか見えず


花のついていないヤクシマリンドウの株を見つけました。高山帯の花崗岩の割れ目に生えています。


晴れていないと花は開かないということで、この日の条件はイマイチでした。


本当に不思議な花で山頂部の大岩の割れ目でしか見られません。なんでそんなところで咲いているの?と聞いてみたくなるくらいです。しかも大岩の周りはヤクザサに覆われているので簡単には近づけないのです。


たくさんの花をつけた株を見つけました。屋久島で「ヤクシマ」と冠する植物はみんな矮小化した小さなものですが、ヤクシマリンドウは大き目の花と鮮やかな青紫色で目を引きます。


貴重な屋久島の固有種、ヤクシマリンドウ、素敵な花です。


2泊目は鹿之沢小屋。沢沿いに建つ小屋は、今年床が張替えられ快適に泊まれました。翌日の花山歩道は読図必須と思いました。噂のヒルも登場して、宮之浦岳などのメインルートとは違いました。


最後の日は観光。写真は西部歩道(車道)のヤクシカとヤクザル


鹿児島空港に向かう窓の下に開聞岳。屋久島から見えた開聞岳を見下ろせました。


2022年10月23日日曜日

ウスユキソウ

今夏ご一緒した早池峰山、楽しみの一つにハヤチネウスユキソウに会うというものがありました。写真は一番きれいに撮れたハヤチネウスユキソウです。そういえば他の山でもウスユキソウ属の花に会っていることを思い出したのでブログにまとめてみます。


早池峰山の乾いた草地の蛇紋岩の間にたくさん会えました。下の写真のような景色です。
本当は苦手な花の名前ですが、ハヤチネウスユキソウの特定は簡単でした。植物分類法がわかってないのでどうしても苦手意識が先行してしまいます。ひとつの花を分類していくと概ねこんな感じの様です。種→属→科→目→綱→門→界 マックスのは植物であるということです。ハヤチネウスユキソウはウスユキソウ属です。


これは花の時期がちょっと遅い株の様です。ハヤチネウスユキソウの茎は10~30cmと幅があるようですし、株によってはもう花は終わりでちょっとガッカリしましたし。それとハヤチネウスユキソウは大柄な感じがしてガッカリ感が増しました。


こちらはホソバヒナウスユキソウです。尾瀬の至仏山や谷川岳の蛇紋岩地帯の特産です。以前谷川岳馬蹄形を歩いた時、朝日岳にたくさん咲いていたものです。


こんな感じに咲いています。ウスユキソウ属で有名なのはヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイスです。綿毛に包まれた花の周りが星形に見えとても親しまれている花です。エーデルワイスをデザインしたマークがたくさんあります。大柄なハヤチネウスユキソウより谷川岳のホソバヒナウスユキソウの方がエーデルワイスに近いんじゃないかっと思ってます。本物は見たことありません。


一ノ倉岳から見たオキの耳、トマの耳、左に切れ落ちているのが一ノ倉沢です。


お年寄りのハヤチネウスユキソウの写真ものっけたので、こちらが年寄りのホソバヒナウスユキソウです。ヒメじゃなくヒナというところが注意。


こちらがヒメウスユキソウです。別名コマウスユキソウです。数ある駒ケ岳の中でも木曾駒ケ岳の花崗岩の礫地に固有種です。ウスユキソウ属の中で最も小さい種と言われています。ホソバヒナウスユキソウはヒナですがヒメウスユキソウはヒメです。


木曾駒ケ岳山頂、左に頂上山荘が見えています。今年は3回も木曾駒ケ岳に行きました。


同じウスユキソウ属のミネウスユキソウ。どこでも見かけます。下の写真のミネウスユキソウは塩見岳に登る途中で会いました。


浅間山の西の湯ノ丸山で見かけたウスユキソウ。当たり前ですがウスユキソウ属


飯縄山のヤマハハコ。ちょっとウスユキソウに似た感じではありますがこちらはヤマハハコ属です。