2023年6月29日木曜日

古賀志山

栃木県宇都宮市の古賀志山です。合流は東武日光線の新鹿沼駅。駅前に岡本太郎の特徴的な作品。なぜこの場所に岡本太郎の作品があるのかの説明はされていません。

赤川ダム手前の広い駐車場はいつ来ても満車状態です。車のナンバーはほぼ地元車です。

『ジャパンカップサイクルロードレースは、日本で唯一、国際自転車競技連合(UCI)より、ワールドツアーに次ぐ“プロシリーズ”に認定された、アジア最高位のワンデイロードレースです。ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアといった、世界の第一線で活躍するトップ選手たちの本気の勝負を間近で見ることができる本物のロードレース。今年は第30回の記念大会となります。様々なコンテンツで30回大会を盛り上げていきます。3日間の日程で行われるジャパンカップは、レースだけでなく様々なイベントが開催される「自転車のまち宇都宮」が誇る年に一度の自転車の祭典です。』Japanカップ オフィシャルサイト

駐車場はJapanカップロードレースの宇都宮市森林公園周辺周回コースだったんですね。そういえば宇都宮の街を車で走ると、どこでも見られないロードサイクルのタイヤ痕が見られます。Japanカップの開催は10月です。


赤川ダムを渡った公園にはたくさんのネジバナ。


ここのところの日帰り山行は目的があって、鎖場でのロープワークに慣れるというものです。古賀志山はある意味不思議な山だと思います。宇都宮市のオフィシャルサイトで登山道とされているのは北ルートから南ルートというほぼ鎖場がない登山道です。

この日の古賀志山は東南尾根と呼ばれているルートを選びました。古賀志山は里山の特徴が満載で、複雑な地形の細かな尾根や谷に踏み跡があり、独自にルート設定がされているんです。谷筋のルートは問題ないと思いますが、尾根筋のルートはだいたい鎖場で、毎年事故が起きるのは尾根筋の鎖場でしょう。

東南尾根の鎖場は4つに分かれていました。万が一のためにロープを出して確保しています。こんな高度感のある岩場でも、横の谷筋にエスケープすれば難易度は問題ないくらい下がる古賀志山です。

東南尾根の3つ目の鎖場。


4つ目の鎖場がテクニカルだと思いました。クライミングではないとはいえ地元の人たちはヘルメットなしで登ったり下ったりしていました。難しいですね、無事に通過してしまえばヘルメットなしとか、ロープで安全確保とかは無縁になってしまうわけですから。毎年複数回起きている転落事故は地元の人ばかりというイメージです。


たくさん咲いていたコメツツジ。ちょっと前ならバイカツツジという珍しいツツジに会えていたようです。

このサインがわかりにくい地図。

古賀志山山頂手前の杉の根っこはすさまじい展開です。

古賀志山の山頂三角点の柱石

筑波山が良く見えていた南側の展望。宇都宮の市街地も良く見えていました。

名前が気になったのであえてトレースした反省岩。鎖場だらけの古賀志山の中で問題ない、または鎖場のないルートは味気ないと感じてしまいます。

整然と整備されている森林公園

時間があったのでストックストック先端の交換をデモンストレーション。だいぶ前に「ストックの修理」という記事書いてます。

2023年6月23日金曜日

八ヶ岳キレット

八ヶ岳キレットを余裕を持って歩いた山行です。合流は中央線の小淵沢駅。ちょうど山梨県北杜市のマウンテンタクシーが停まっていました。タクシーの外観のデザインがかっこいいです。梅雨の晴れ間が約束されたような天気予報のもと、すごい人出のアプローチでした。注意しておきたいのは、タクシーも予約していないと乗れないという状況です。目の前のタクシーは予約優先で、予約なしの人は1時間後にという感じでした。

予約したタクシーで移動した観音平の様子。駐車場はとっくにたくさんの路駐車列が延々と、という感じでした。

単調な登山道を淡々と登って押手川の分岐。

甲府盆地の向こうに富士山です。景色の主役が富士山というのがほかのエリアと違うんだと思います。なんといっても富士山ですから。

編笠山の三角点柱石。

編笠山の山頂から青年小屋に下る岩ゴロゴロの登山道。

昭和の感覚が残る青年小屋。そんな山小屋はもはや珍しいかもしれません。

2018年10月の台風による土砂崩れ。青年小屋の水場「乙女の水」横です。縦走路の狼煙場というピーク直下の沢で、乙女の水場がどうなってしまったか気になっていましたが、久しぶりに訪れてみると、湧水は問題の沢の横から出ていて直接影響はないように思えました。この時の土砂は下の鉢巻道路にまで達していたのを覚えているのは、直後に車で走っていて土砂を見ていたからでした。土砂の流れた跡が一筋に森を切り裂いていた記憶は痛々しいものでした。

青年小屋の前のクロユリ。


ギボシの鎖場を見上げました。
 

ギボシのピーク。


ギボシのピークの不動明王像三体。


有名なハシゴで権現岳と旭岳のコルに下ります。


旭岳の奥に赤岳。旭岳の次にツルネを通過してキレット小屋が最低鞍部となるキレットです。


イワカガミ


クモマナズナ


ミヤマシオガマ


チョウノスケソウ。長之助って誰だろう?と調べました。須川長之助です。1842-1925の生涯、岩手県紫波町出身で十代で函館に行って運命的な出会いをします。相手はロシア人。
『万延元(1860)年函館に渡来したロシアの植物学者カール・ヨハン・マキシモビッチに仕え、マキシモビッチが帰国するまでの3年間あまり植物採取助手として彼の研究を助けた。その後も日本国内の採集旅行を続け、その押し葉標本をロシアに送り、植物分類学発展に陰の功労者になった。』      いわての文化情報大辞典より

牧野富太郎は須川長之助の業績を認め、長之助が立山で採集した高山植物にチョウノスケソウの和名をつけています。チョウノスケソウの名前由来です。今朝のNHK朝ドラで牧野富太郎に届いた手紙はマキシモビッチからでした。


イワベンケイ


ミヤマキンバイ


チシマアマナ


赤岳南峰の一等三角点の柱石


2泊目は赤岳天望荘です。赤岳の展望と天望荘。


赤岳天望荘の夕食


翌朝の日の出と雲海


ウルップソウが咲き始めていました。


雲が多めの3日目。


地蔵尾根を行者小屋に下りました。


美濃戸口の駐車料金が1日800円になっていました。美濃戸は1,000円のままでした。

2023年6月20日火曜日

十二ヶ岳

先週、目的の山のアプローチが通行止めで急遽行くことになった十二ヶ岳のブログです。不安定な梅雨空で、東から雨がこちらに来るのが見え雨具を着ての出発でした。写真は富士五湖のひとつ西湖の東岸です。


西湖ですからマンホールの蓋のデザインは西湖でジャンプするクニマスです。ちょうど今月でかけた田沢湖の話に通じます。そういえば田沢湖周辺に盛んにクニマスの表記が登場していました。
田沢湖は秋田県内陸部にあり、日本で最も深い湖。かつてヒメマスやコイ、ウナギも捕れる豊かな漁場だった。田沢湖の東側を玉川が流れ、その水源近くには、97℃の温泉が毎分5千~1万5千リットル噴き出し、江戸時代から湯治場として栄える玉川温泉がある。ただ、PH1.1(中性はPH7.0)と強酸性水のお湯は、地元で「玉川毒水」とも呼ばれる。玉川の温泉水が流れ込む流域では農作物が育ちにくいなど、人々を昔から苦しめてきた。国は1930年代、「食糧増産と電源開発」のかけ声のもと、玉川の水を当時PH6.7だった田沢湖へ引き込み、希釈する計画を打ち出した。1940年から流し込み、希釈された玉川の水で開墾された仙北平野は穀倉地帯として米どころ・秋田を支えている。さらに、湖水で増えた川の水を利用したダムや水力発電施設も建てられた。ところが田沢湖の酸度は上がり、水質が大きく変化。すんでいた魚は一年で死滅し、「死の湖」と呼ばれるようになった。】朝日新聞デジタル
【田沢湖から本栖湖・西湖・琵琶湖などへクニマスの卵が移植された記録はあり,2010年(平成22年)3月に京都大学中坊徹次教授のもとに届けられた山梨県西湖の黒いマスが、詳しい研究の結果、田沢湖で絶滅したクニマスであることが判明】山梨県HP

西湖のクニマス発見にはかのさかなクンも登場します。


話があらぬ方に行ってしまいました…
ん~十年ぶりの十二ヶ岳。文化洞トンネル東の登山口を無視して西湖の集落の中を東に進みました。もちろんニ五万図ベースです。集落外れにあった風化した双体道祖神


文化洞トンネルの上の峠にはたくさんの馬頭観音がありました。西湖と河口湖長浜との行き来の峠でした。峠の名前はわかりません。


約600mの標高差を登って毛無山山頂です。山頂と言っても尾根上のピークに過ぎないわけですが、十二ヶ岳に向かってそんなピークを十二トレースしていくわけです。山頂のヤマボウシはミドリでした。


全てのピークをトレースするわけではありませんが、段々険しくなっていきます。


毛無山から数えて何番目という感じです。


はじめはやさしい登山道


四ヶ岳から少し雲が切れ、十ヶ岳と十一ヶ岳が見えました。ここでカッコウの仲間のジュウイチが十一、十一と鳴くわけです。


だいぶ登ってきました。西湖が見えます。写真ではわかりませんが、左に河口湖が見えていました。実際見ると明らかに河口湖の方が低いです。地形図で確認すると西湖の湖面の方が河口湖より70mも標高が高いです。地形図には河口湖側に水力発電の発電所の記号。西湖と河口湖の落差を利用して西湖の水で発電しているんでしょう。


やつがたけと読むのか、はちがたけと読むのかはわかりませんが、このあたりから段々険しくなっていきます。


この日の目的はロープに少しでも慣れていただくというものでした。クライミング志向のない方でも経験としてロープに体重を預けたことがあるのとないとでは大違いです。


十一ヶ岳からが本番で、十二ヶ岳まで本気になります。


十一と十二の間のギャップの吊り橋。これ有名ですよね、ちょっと傾いてはいますが。


吊り橋を渡った直後の様子。直上ではなく左に回り込みます。


絶対に落ちたらいけないところ。


そんな岩場でちらほら見かけた花。写真が鮮明でないのはそんなこと(撮影)をしている場合じゃないってことです。よくわからなかったけど、シュスランの仲間かな?と思いましたが葉が違うのできっと背の低いギンランだと思います。


1683m標高点の先の十二ヶ岳山頂の祠。


1683m標高点から南に桑留尾川の方に下ってますが、なんともやさしくない登山道です。


サラサドウダンが凄かったです。


雨が止み幻想的な森になりました。標高1300mより下からはとても優しい登山道でした。


西湖湖畔の県道よりだいたい100m上にあった古い道。旧根場通学路と書かれています。根場は西湖の西にあった集落で、1966(昭和41年)大雨が続いて「山津波」と呼ばれた土石流に飲み込まれてしまった根場です。地形図を見ながら、根場集落の子供たちは馬頭観音が並んでいた峠を越えて河口湖長浜の学校に通っていたのかもしれないと想像しました。距離を測ったら6kmくらいでした。