2023年2月24日金曜日

地図読み講習募集


 スマホのGPSアプリ全盛ではありますが、やはり基本は紙ベースの地図です。地図が読めるようになると山登りがもっと楽しくなります! そのために地図読みの基本を学び、読図スキルをしっかり身につける講習です。等高線一本一本にこだわった、地形図と実際の地形を比べながらの講習です。ガイドの方もご参加いただけます。読図講習のノウハウを習得できると思います。


・日時集合 : 2023年3月26日(日) 8:50 韮崎市民交流センターニコリ

韮崎駅前の`市民交流センターニコリ‘にて机上講習をやり、車移動10分でフィールドです。

・ルート :  韮崎駅=折居集落-入戸野集落-大平山-折居集落=韮崎駅    

       標高差約600m  距離約8km  行動時間7時間予定

・持物  :2万5千地形図 『韮崎』 ベースプレートコンパス、昼食、行動食、

      水筒、チェーンスパイク(念のため)

・参加費 :  ¥10,000(ガイド料)


・お申込みフォーム:こちらからどうぞ!

・催行にあたり同意書は必ず必要です。:こちらです。

・保険加入も必ず必要です。やまきふ共済会の共済をお勧めしています。:こちらです。


2023年2月16日木曜日

奥沼津アルプス

先週の山行は沼津でした。静岡でミーティングがあって静岡3日目の朝は素晴らしい天気でした。前日は南岸低気圧の通過と寒気で大雪の山梨だったようですが、それはまったく知りません。ただ朝霧高原に通じる国道139号線富士宮市内で山梨方面は通行止め。一時的に陸の孤島と化した山梨を外から見た初めての体験。
写真は沼津アルプスの鷲頭山です。
大平の多比口から登りはじめました。「おおひら」です。バス停に教えてもらいました。これが山梨なら「おおびら」でしょう。甲州弁は濁音が多いからです。某テレビ番組で甲州弁は日本で一番かわいくナイ方言とされたらしいです。「おおひらっつ~こんずら」なんてことを考えながら歩いていました。
湿った沢沿いの登山道でした。まあるい葉っぱのマメヅタ。シダ植物とは思えないような質感と形で、甲府盆地ではあまり見かけません。葉が小さいという意味か、マメのような形の葉という意味なのか、どちらにしても納得のネーミングです。胞子葉がニョキニョキ。
ハナミョウガの赤い実。
フユイチゴの赤い実。
稜線に出ました。かなりのアップダウンが連続する沼津アルプスはトレランの人たちに人気の様でした。たくさんランナーに会いました。
独特な沼津アルプスの標識。


大平山の山頂の三角点?地形図には三角点マークはありません。どうも国土地理院のものではないようです。
大平山の東に延びている尾根が奥沼津アルプスです。


奥沼津アルプスを見下ろしました。
山じゃないところは有名な昭和33年の狩野川台風で被害を受けた場所です。1000人を超える犠牲者だったそうです。狩野川の流量をコントロールするために、狩野川放水路が沼津アルプスの南にあり、分流堰を開け狩野川の流れを江浦湾(えのうらわん)に流します。
プレートに乗ってやって来たという伊豆半島の一番くびれたところです。伊豆スカイラインの玄岳(くろたけ)が見えています。遠い尾根の向こうは熱海です。
だいたい足場の悪いところにはトラロープ。トラロープの末端はフリーなので地面を這っています。だいたい腰のあたりでロープが掴める高さにフィックスロープを張りました。素早く安全に通過していただくためです。
前日の降雪で真っ白な富士山でした。
こんな岩がゴロゴロしていました。
別な場所のフィックスロープを張った様子。ロープの始点に戻らなくても良いようダブルにしてみました。目の前のスリングを外しロープの片側を引っ張ると回収できます。
すごい梯子


面白い模様の木がとても目立ってました。調べてみたらカゴノキとわかりました。この木の和名は鹿子の木カゴノキで、樹皮がシカの子供のまだら模様のようであることらしいです。バンビの木


こちらは備長炭で有名なウバメガシ。樹皮だけで判断するのって難しい~
石切り場跡
大嵐山は公園でした。
かろうじて出ていた三角点。三等三角点点名「日守村」北側の麓が日守村だったのでしょう。


眼下に狩野川の流れと奥に三島の街並み。
河津桜

2023年2月2日木曜日

ダイアモンド富士

富士山頂からの日の出を楽しむダイアモンド富士です。富士五湖本栖湖横の竜ヶ岳が有名で、竜ヶ岳山頂で見ることが出来るお正月の時期はすごい数の登山者が登ります。富士川町高下(たかおりと読みます)では歩くことなく車で行き見れますし、身延の七面山では春分の日と秋分の日に見ることが出来るダイアモンド富士です。当然それぞれ時期が違います。
11月下旬に塩見岳山頂から見ることが出来るそうで、塩見岳からダイアモンド富士をというガイド山行の相談を受けたこともありました。事情があり成立はしませんでしたが。


今回のダイアモンド富士、山の上に行かなくても人だらけじゃなくても、富士山の西側だったら楽に見えるんじゃないかな~みたいな会話が出発点だったと思います。ただどこかに泊まらなきゃということで1泊2日の山行になりました。寒波が落ち着いた朝。


歩き始めてすぐに登場した雪の上の足跡。数羽が飛び立ったのでわかりました、日本の国鳥キジの足跡です。


ダイアモンド富士が目的で宿泊、1日目は本栖湖北の烏帽子岳。2日目は大室山という計画でした。烏帽子岳の目的は2日目の富士山に抱っこされたような大室山を見ること。烏帽子岳からは広大な青木ヶ原樹海を見ることもできます。本栖湖畔から歩き始めたフラットな地形は平安時代の864年(貞観じょうがん6年)に起きた貞観大噴火でできた青木ヶ原樹海の末端です。大室山奥から流れた溶岩流が烏帽子岳裾に来て止まったということ。なので登りはじめの尾根はいきなり急登です。


烏帽子岳手前には戦国時代の本栖城跡。ヤセ尾根のピークは城山と呼ばれています。この尾根の下の青木ヶ原には、駿河と甲斐を結ぶ中道往還が通っています。軍事上重要な場所だったのです。


おっ武田菱!


主郭の平を過ぎて登場したのろし台。この石積みが今から500年も前の戦国時代に積まれたと思うと感慨深いです。尾根上には富士山の溶岩が転がっていたりもしました。これ飛んで来たんだ~、なんて言いましたが、正解は山城を堅牢なものにするために青木ヶ原から運び上げたもののようです。


烏帽子岳山頂から富士山と大室山。NHK本栖デジタルテレビ中継所というアンテナが建つ山頂です。白いアンテナは国道からも見えました。国道139号線


青木ヶ原樹海の奥に足和田山、さらに奥に杓子山。まさに樹海だ!と思えます。

 
下山して本栖湖の湖畔まで行って溶岩の荒々しい様子を見ました。


平安時代の864年(貞観じょうがん6年)に起きた貞観大噴火で流れてきた溶岩流の末端の溶岩です。(この時の溶岩流は大室山東の長尾山から流れたものが多く、それとは別に大室山北西の石塚火口からのものが本栖湖に流れ込んだと言われています。)


翌朝のダイアモンド富士を見る場所の下見。何月何日何時にどこでダイアモンドが見れるか?ということが簡単にわかるサイトがあって、それを見ると2023年1月29日朝7:53に朝霧高原道の駅の南ということだったので、実際にその場所に行って目の前に障害物がないかどうかの確認でした。


フジクラシックホテルと富士山


今頃の普通の日の出時刻は6:45くらいです。朝霧高原は富士山の向こうから富士山の高さ分の時間を加えるものなので山頂からのダイアモンドはだいたい7:50。ダイアモンド富士で有名な竜ヶ岳に朝日が差しました。


ガセでした。あさ下見した道の駅の南に車を走らせると、富士山の右斜面の更に右の空に太陽が燦々と輝いているではありませんか!あんなに色々調べて考えたのにこれではダイアモンド富士は絶対にないとわかった瞬間車を日陰に日陰にと走らせました。時間はありません、太陽は動いています。という瞬時の判断と行動で何とか間に合ったダイアモンド富士でした。あ~嘘つきって言われなくて良かった~


無事にダイアモンド富士に会えて次は大室山です。


富士風穴


折角なのでちょっと入ってみた溶岩洞窟です。1年を通じてだいたい0℃の内部は約200mの奥行だそうです。


富士山の周りには側火山と呼ばれる小山が100個以上あり、その中でも一番大きなのが大室山です。大室山の噴火は約3000年前と言われているスコリア丘です。平安時代の貞観大噴火の溶岩流は大室山北を流れました。溶岩流の影響を受けなかった中腹部以上には貞観の大噴火以前の植生、珍しいブナの森があるんです。


登りはじめて登場した昔の山仕事の道。


地図読みです。


ブナの無数のクマの爪痕。この木の実が特別美味しいのかもしれません。


大室山1468m標高点。大室山で一番高いところです。ここにもブナ。


二等三角点「大室山」からの富士山。あちらの方が圧倒的に高いのですが、富士山を間近に見ることが出来る大室山です。


大室山の噴火口でお昼にしました。


大室山は平安時代の貞観大噴火の溶岩流とは違い、比較的穏やかな噴火によって吹き飛ばされた噴石(スコリア・黒い火山礫や火山弾)が積み重なりすそ野を広げ造られた山です。ほとんどデコボコがなく凍ったスコリアをチェーンスパイクで下りました。


本栖風穴の遊歩道に出ました。


本栖風穴を覗きました。立ち入り禁止です。ダイアモンド富士をテーマにどっぷり富士山を堪能した山行になりました。山頂に行かなくても魅力満載の富士山です。