大雪山からトムラウシ山の縦走の後、そのまま北海道に残って大雪山を周回しました。1泊2日でというリクエストだったので、無理のない内容でと思ったからでした。大雪山最大のカルデラ、お鉢平を中心に反時計回りに廻りました。スタートはまたまた旭岳ロープウェイ。姿見池と噴煙です。
風は弱いものの雲の多い日。旭岳山頂は相変わらず観光客が多かったです。
旭岳から裏旭キャンプ指定地への下り、この時はチェーンアイゼンを使いました。
荒井岳から松田岳のあいだのカラフルな尾根。
荒井岳は層雲峡開発の荒井初一という人物からの名前で、松田岳は松田市太郎という人物が由来で、松田は4人のアイヌの人たちの案内で1857年(明治維新の11年前)に石狩川の水源調査を行い、 忠別岳(1962m)などに登頂し、層雲峡温泉を発見しました。文人大町桂月の桂月岳、松浦武四郎の松浦岳(緑岳)、大雪山の父と言われる植物学者、小泉秀雄の小泉岳などもあります。
稜線で見られた段々の構造土・構造土は土壌の凍結・融解作用によって、地表面に幾何学的な模様が出来る地表のことで、そんな微妙な自然の成り立ちなので、登山道以外は足を踏み入れてはいけないということです。
北海岳を通過し、クジャク岩という岸壁の下を通ります。岩の崩落があったという注意喚起がされていました。
広く見通しが利くところでずっと探していたヒグマ。北海岳の下り、北海沢の対岸で見つけました。直線距離で300mくらいだったでしょうか。そのくらい離れていれば怖くはありません。ただ遠すぎました。
北海沢の残雪
北海沢の渡渉点。もう一つ赤石川の上流部の渡渉もあります。そういった沢筋は雪が融けるのが遅いので花が楽しめます。
赤石川上流部の渡渉から登り返して到着した黒岳石室。白雲岳避難小屋と黒岳石室には管理人さんが常駐しています。
大雪山というピークはないわけですが、東の黒岳は大雪山層雲峡ロープウェイがあり、西の旭岳は大雪山旭岳ロープウェイがあり、どちらを利用するにしてもアプローチが楽です。黒岳石室から黒岳をピストンしました。
翌朝は雨上がりで草木はびっしょり。雲の平をお鉢平のふちを目指しました。
手前の岩場
お鉢平展望台。2020m標高点です。
展望台からの雄大な景色。カルデラの対岸には間宮岳です。
北鎮岳の肩への登りは急登なのですが、素晴らしい登山道でした。
北鎮岳山頂
北鎮岳から中岳を通り、分岐から北に小尾根を下った先にある中岳温泉は楽しみにしていました。ハイマツの尾根から湯舟が見えていました。
全くの自然の中の野湯です。スコップが置いてあって自由に湯舟が作れるとの情報でしたが、スコップの柄は折れていたし、そこまでの噴出量ではないので足湯を楽しみました。
こんな景色の中の野湯です。
中岳温泉から分岐の裾合平まではお花畑が期待できましたが、ピークはとっくに過ぎていました。ここも木道の再整備が進んでいるようでした。
大雪山の稜線を反時計回りに一周して、旭岳ロープウェイの姿見駅に戻りました。だいたいお昼の時間でこの気温。ロープウェイで下って山行が終わっりました。一週間で二つの山行をした北海道でした。山行の内容ばかり書いてきました。以下に主だった花の写真を載せますのでお楽しみください。
メアカンキンバイ(雌阿寒金梅)北海道の固有種で高山帯(知床・阿寒・大雪山系と羊蹄山)に分布です。
ミヤマリンドウ(深山竜胆)北海道、本州の中部以北に分布です。

ウスユキトウヒレン(薄雪唐飛廉)分布は大雪山系,夕張山系,北日高山地,羊蹄山
チシマツガザクラ(千島栂桜)国内では北海道の高山帯と早池峰山だけに分布。ちょうど花が咲く時期でたくさん見ることが出来ました。

エゾコザクラ (蝦夷子桜) 北海道特産の小型のサクラソウ。
エゾコザクラのアップ
イワブクロ(岩袋)の白花。北東北から北海道の花。
左が普通に見られるイワブクロ、右が白花。並んで咲いていました。高山の火山性の砂礫地に生えます。
見事なイワヒゲ(岩髭)の群落。
エゾノツガザクラ(蝦夷の栂桜)ピンクのアオノツガザクラって感じです。
ムシゴケ、高山帯などで、他の高山植物と混ざって見られる地衣類の一種です。これだけあると迫力がありました。
クモマユキノシタ (雲間雪の下) 大雪、夕張、日高山系の湿った礫地に生える多年草。
中岳温泉の周りの岩を覆っていたイオウゴケ。全体的に緑がかっていました。
イオウゴケのモンローのくちびる。
エゾノハクサンイチゲ (蝦夷白山一華)ハクサンイチゲもエゾとつくと特別感がありました。
エゾノリュウキンカ(蝦夷立金花)葉、茎、花も食用となり、北海道では初夏の山菜の代表格といわれます。
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