2025年11月2日日曜日

雨飾山

小谷村からの雨飾山に行ったのは、どうしてもブナ林の紅葉が見たかったからでした。もう遅いかもと思ったけれど間に合いました。早朝の白馬連山の雪を見て少々焦りました。雪対応は全く考えていなかったからです。まぁ行ってみて考えようと小谷村へドライブ。


小谷村の雨飾高原キャンプ場の第一駐車場。第二駐車場の方が広くてそんなに遠いわけじゃありません。この広葉樹の紅葉を見たかったのでした。


トイレの横が登山口。


霜が降りて少しスリッピーな木道。


ブナの大木の黄色。単調な登りの登山道の横にはブナの大木がたくさんあるので、ヤシャビシャクを探しながら登っていました。ヤシャビシャクは夜叉柄杓で、ブナの古木に寄生しているわけではなく単に着生と言って間借りしているだけの低木です。


だいたいブナの大木の高いところに生えているのでわかりづらいヤシャビシャクです。比較的大きなヤシャビシャクの写真です。杓子に例えられるまあるい実がたくさん見えました。


そんな感じに登っていたらあっという間にブナ平を過ぎました。


ブナ平の先で登場した新雪。


荒菅沢にいったん下って見上げる布団菱の岩壁。


正面に堂津山、その左奥に乙妻山と高妻山、一番左が登山道のない地蔵山、堂津山の右奥が西岳、右端に中西山と東山。


プチ岩場とハシゴの稜線で高度を上げます。


笹平の奥に雨飾山山頂。


新雪を見ることがあってもまだ冬じゃないので、陽の当たるところは泥んこ。


そして影ったところはつるつる。すごく人気の山なのでいろんなレベルの登山者がいるわけですが、こんなところを四つん這いで叫びながら登っている人がいたりするわけです。フラットに歩くことが出来れば問題ないんですけどね~


山頂についてまず目に飛び込んでくるのが白馬連山です。


雨飾山1963.2m山頂


すこぶるいい天気で、山座同定大会みたいな日でした。白馬岳の右に雪倉岳がどっしり。写真の左の山が朝日岳で、右に8月に行った栂海新道の稜線がつながっていて、犬ヶ岳や白鳥山がはっきりわかりました。


こちらは糸魚川の街と日本海と頚城三山。頚城三山は左から頚城駒ケ岳、鬼ヶ面山、鋸岳です。


笹平の女神の横顔。笹原の真ん中に西洋風の女性の鼻に見立てそう思わせるって話です。笹原に切り開かれた登山道、女神は左を向いています。


ピストンなので登ったルートを下りました。小谷村に下ります。


朝は空きスペースもないくらいの駐車場でしたが、戦いすんでという感じにのんびりしていました。小屋横の水道で泥んこの靴を洗えます。

 

2025年11月1日土曜日

妙義山

妙義山ってわかっているようで全くわかっていないな~、そんなことを考えていたらいてもたってもいられなくなり行ってみました。道の駅みょうぎ近くの駐車場からスタート。妙義神社の一の鳥居です。

妙義神社総門。妙義神社は妙義山信仰の中心です。また、妙義修験と呼ばれる山岳信仰の場でもあります。

古い火山の妙義山、凝灰岩や安山岩が侵食で礫がボコボコした特徴のある表面です。その岩の石段がとても珍しいと思いました。ボコボコ礫が残ったままの石段です。

日光東照宮の彫刻師が彫り上げたと言われている見事な彫刻に飾られた本殿。ここが中間道といわれる登山道の始まりです。

中間道は「関東ふれあいの道」です。環境省が計画し、各都道府県が整備、管理している「長距離自然歩道」のひとつです。だいたい10㎞のコース設定で、公共交通機関も絡めて案内されていて、中間道は「さくらの里と石門のみち」とされていました。

難易度が高い主稜線岩稜と、車道の県道の中間に続く中間道は妙義神社と中之岳神社を繋ぐ道。わりと新しめの標識はにこちゃんマークで三段階の難易度を示していました。

妙義山というピークはありません。碓井川支流中木川をはさんで北側が裏妙義と呼ばれ、今回行ったのは表妙義と呼ばれるエリア。白雲山・金洞山・金鶏山と分かれていて、写真は白雲山エリアで一番高い相馬岳1103.9m(右のピーク)です。

両側が切れたヤセ尾根の長い手すりのついた階段。

岩壁の基部がえぐれた登山道。ちょうどこの辺りの上の稜線にあるのが「鷹戻し」という有名な鎖場です。ひさしの登山道の先に中間道の最高地点があり(約910m)、感覚的にはコルなのですが、尾根は東側に延び、一本杉(七曲峠)、筆頭岩、金鶏山と繋がっています。最高地点からは中之岳神社への下りとなります。

石門巡りコースの始まりは天狗のひょうてい。

足場も刻んであるしステンレスの鎖も設置されています。

右のまあるいのが鏡岩。丸い手鏡の形を連想してのネーミングでしょう。後で知るのですが、なんとあのウォルター・ウェストン初登だそうです。

胎内くぐり

石門巡りの初めは第四石門。巨大な穴の向こうに大砲岩が見えています。

マップもありましたが、実際の地形が表現されていないので分かりづらいです。

第三石門はわかりませんでした。第二石門は鎖を登って穴の向こうを下ります。

第二石門。つるべさがりを登り、たてばりを下り、カニの横ばいをトラバース。

第一石門

石門巡りの入り口は群馬県道196号線。

筆頭岩。これもウォルター・ウェストン初登だそうです。

杉の木は写っていませんが、一本杉(七曲峠)と呼ばれている峠です。

車を停めた道の駅みょうぎに戻らなければならないので県道196号を歩くつもりだったのですが、なんと古い道が残っていました。妙義神社と中之岳神社を結ぶ古道です。

大人場おにんばは広い平。

富岡市妙義ビジターセンター。元々は美術館だったようですが、1925年(大正14年)日本の名勝地に指定された100年後、2023年8月11日(なんと山の日!)のビジターセンターになったとのことでした。


ビジターセンターの展示に、なんて無知だった自分と少し恥ずかしくなりました。写真は槍ヶ岳槍沢の坊主の岩小屋(播隆窟)の前で、右からウォルター・ウェストン、根本清蔵、上條嘉門次です。有名な写真ですよね!

こちらも有名な写真で、上高地の河童橋です。ウォルター・ウェストン夫妻と嘉門次、笠を被って座っているのが根本清蔵です。根本清蔵は農業の傍ら妙義山の案内をしていて、ウェストンがやって来た時、筆頭岩と鏡岩を登ったということでした。筆頭岩ではウェストンの教えで初めてザイル(ロープ)を使ったということで、ここ妙義山は『日本の近代登山発祥の地』と言われます。ウエストンは根本清蔵の登攀能力や段取りの良さにとても信頼し、一緒に様々な山に登ったということでした。だいたい嘉門次60代、ウェストン50代、根本清蔵30代という年齢だったようです。ウォルター・ウェストンのザイルパートナーは根本清蔵だったようです。明治から大正にかけ交通網が発達していって、彼らの行動範囲も広がったのでしょう。


白雲山と金洞山、ウェストンと根本清蔵の展示のある富岡市妙義ビジターセンターは無料です。


2025年10月21日火曜日

鹿ノ子池で読図

2泊3日で白根南稜の鹿ノ子池に行った山行です。静岡県道60号南アルプス公園線を通って大井川の井川に入ります。富士見峠の下でトンネル工事が行われています。このトンネルはリニア関連の工事です。JR東海が地域振興という名目でトンネルを掘っています。完成後は20分~30分短縮されるということです。静岡市内から井川地区への移動は2時間かかるので、1時間30分で行けるということになります。


「地図」という単語に過剰に反応してしまいました。確かにトンネルが完成したら地図に載るでしょう。


赤石温泉白樺荘まであと5分くらいのところでなんとパンク... 最近の車はスペアタイヤがないので、ほぼレッカーのお世話に... 2泊3日の山行の始まりがなんてこった... どうやってレッカーの段取りをつけるんだ... まあ、捨てる神あれば拾う神ありで助かったわけですが... 

集合場所の赤石温泉白樺荘はいつの間にか畑薙荘と名前が変わっていました。白樺荘だとどこにでもありそうな名前なので、こっちの方が特定しやすいと思った畑薙荘。

大井川支流東河内左岸の尾根。最近は里へ、というか市街地へのクマの出没がいろんな被害を生んでいますが、ここは正しく彼らが住む場所です。

筑波大学の演習林です。遠目から見てもナラ枯れが目立っていた森です。調査なのか研究なのか、ナラの木の根元に巻かれたゴキブリホイホイのような粘着シート。アオゲラが張り付いてしまったのでしょう、アオゲラの羽がきれいでした。

把握しやすい尾根上のポイントにはずっと前から捕獲檻が置かれたままになっています。


たくさん生っていた山ぶどう。

トリカブト

傾斜がなくなり平坦になると巨木が目立つようになります。鹿ノ子池近いことを知らせてくれる森です。


鹿ノ子池。上流からの流れ込みがかなり減っていました。今年だけの現象なのか、雨の量が少ないとか、または湧水の量が減ったのかはわかりません。この水量だと鹿ノ子池の環境が変わってしまうかも?と思いました。


サービスのポテトサラダは、マッシュポテトが主です。キュウリとハムと玉ねぎ。


白根南稜の主稜線の水無峠山は2080m標高点です。


山頂の北の二重山稜の最後にあった池も干上がった感じでした。このエリアの降雨量が少ないのかも知れません。


いかにものビューポイント。ずっと樹林帯を歩いてきたのでとても貴重な美しい景色の先は日本二百名山の大無間山です。


青笹山手前のナギからの景色。聖岳などは雲のなかでした。


本当に気持ちのいい芝生が敷かれたような尾根です。


青笹山からの帰り、水無峠山の標高点ではない側の二重山稜にあった山頂標識。


3×3mのタープを並べて張った鹿ノ子池のテント場。1日目の夜に降った結構な雨がたまることがなかったので、自分的にはかなり満足な張りでした。自己満足です。


2日目の夜の天然キノコ汁。


3日目も読図。地形図を読むのが難しい(だいたい傾斜がなくて地形図では表現できない尾根や沢が登場する場所)ところを登って下るときに残しておいたサイン。これはだいたい登りで作った矢印のサインに、下りで同じところを通るということが難しいレベルなので何の参考にもなりません。


鹿ノ子池を上から見下ろしました。


カエデ類も多いんですが、まだ紅葉には早い標高でした。


1日目にパンクした車。2日目の青笹尾根の手前で携帯の電波が入るのは知っていたので、自動車保険で翌日のレッカーの予約をして、静岡市内のタイヤやさんに予約をしてという感じで、信じられないくらいスムースに事が運びました。レッカーの運転手さんにも感謝なのが、電波がないところからレッカー車に乗せてくれたこと。井川の田代で携帯が使えましたから。


今年新品にしたばかりのタイヤでしたが、パンク修理も終わって無事に20時台には韮崎に」帰宅できた夜でした。