2021年4月20日火曜日

湯舟山

「三国山稜:丹沢山塊の西端、籠坂峠から明神峠に至るなだらかな起伏の稜線を三国山稜と呼びます。静岡県小山町HPより
山梨静岡県境の篭坂峠から三国山まで来て北上する三国山稜というイメージですが、三国山から東に延びる尾根上に明神峠があり、さらに東に湯舟山、世附峠、不老山と伸びて西丹沢の丹沢湖で終わる尾根も三国山稜と呼んで差し支えないと思います。写真は三国峠の山中湖側、鉄砲木ノ頭の野焼きのあとで真っ黒になった斜面。「火入れ」と呼ばれる伝統の野焼きが4月4日にあったそうです。

集合場所のJR御殿場線駿河小山駅からは、奥の方に三国山稜がよく見えていました。


明神峠に移動して地図読み開始。この日は初めて地形図を持っての登山という方たちで、ひょっとしたら僕の方が緊張していたかもしれません。実は初心者という言葉が苦手です。明神峠から稜線に上がったら山の神の石祠がありました。


去年書いたブログ記事「大谷ヶ丸北西尾根」ここで西群馬幹線という送電線について少し触れています。西群馬幹線は柏崎刈羽方面からの電気(1000KV、現在は500KVで運転)を東山梨変電所(大月市、JR笹子駅のそばにある超高圧変電所)を経由して、新富士変電所(小山町にある超高圧変電所)まで運ぶ送電線。つまりこの送電線は大菩薩や小金沢連峰わきを通って小山町にやってくるわけです。


尾根上のピークとピークの間の低いところがコルです・・・峠も鞍部も窓もみんなコルです。などと言いながら進みます。振り返ると三国山稜と富士山。


歩いていて気が付いたのは火山噴出物のスコリア。僕の想像ですが富士山の宝永山の噴火の時に飛んできたものでしょう。


湯舟山山頂の二等三角点柱石。点名は「湯舟村」地形図南に湯舟という地名が見えます。


大きなブナが目立つ稜線でした。


御料局の宮標石がたくさん登場。明治時代の御科林の境界標です。


マザーツリーっていえば白神山地のそれが有名ですが、この樹もそう言っても差し支えないくらいの迫力でした。


マザーツリーの下でお昼。風が強く寒い日でした。鍋焼きうどんを作りました。


ヒノキの植林地の南が伐採されていて広がった大パノラマ。正面に箱根の金時山。


いい感じの収穫。


富士山周辺で自生するサンショウバラの樹。山椒薔薇です。この葉の様子が山椒に似ているということが由来。花は6月なのでちょっと先です。


山椒の葉に似たサンショウバラの樹がやけに多いと思っていたら、その小ピークがサンショウバラの丘という場所でした。奥は不老山です。富士山周辺でしか出会えないサンショウバラ、間違いなくこの場所で出会えます。


オオミズアオという大型のヤママユガで約10cm。蛹で越冬して羽化して1週間の命だそうです。サンショウバラの間で目を見張る美しさでした。


メギの花も目立ちました。メギは目木です。煎じて目薬にしたという和名です。棘が凄まじいので別名がなんともな~の樹です。コトリトマラズ、コトリスワラズ、別名も普通じゃないストレートな感じは棘だらけで実感できます。厳しい環境に生えているから応援したいんですが、棘が・・・


世附峠。世附はよずくです。ずっと静岡と神奈川の県境を歩いてきました。世附は神奈川側の地名です。三国山から東に延びる尾根、湯舟というのは静岡側の地名、世附は神奈川側の地名、行ったり来たりはそのまま両地域の交流です。尾根の南と北との交易の歴史を感じます。


不老の滝


不老橋でほぼ終わった山行でした。

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