2017年6月25日日曜日

エンシュウハグマ

またまたの竜頭山(りゅうとうさん)です。浜松市天竜区にある1352mの山です。名古屋の旅行会社のツアーのガイドを頼まれました。竜頭山がどの山域にある山なのかということを正確にお話しする自信はありません。静岡県は遠江(とおとうみ)、駿河(するが)、伊豆となりたちで分けることが出来ると思います。遠江と駿河を分けるのは大井川でいいと思います。伊豆は別格です。(辺境の地?)。
山梨からは3時間半のドライブでした。新東名高速道路の有難さが実感できました。


登山口に向かう途中の秋葉神社 への分岐。江戸時代、秋葉神社は火伏せの神として信仰を広め、その参詣道が秋葉街道と呼ばれるようになりました。国道152号線は秋葉街道ともいわれます。その秋葉山の北にあるのが竜頭山です。ちなみに東京の秋葉原の地名の命名のおおもとはこの秋葉信仰ということだそうです。大火にあって、秋葉権現を勧進したことからの地名だそうです。


一番奥が竜頭山です。手前の川は天竜川で、秋葉ダムのダム湖なのでこんなに水があります。竜頭山、尾根伝いにたどれば深南部の山々からその先、南アルプスの3000mの山々に繋がってはいるのですが、南アルプスとは言えないし、深南部というのもはばかられるという感じで、あえて言うなら遠州の山ということだと思います。遠江(とおとうみ)と遠州(えんしゅう)、言葉としての関係ですが、遠江(とおとうみ)では仰々しいので、少し砕けた感じに遠州と呼ぶでということでいいと思います。そこの住人ではないので難しいところではありますが。ちなみに静岡百山のひとつの竜頭山です。


平和(ひらわ)登山口。ツアーの皆さんは名古屋、僕は山梨、お互い長い距離を移動しての合流です。こういうのは中々大変ですね。


平和(ひらわ)集落は存在しない現在ですが、石垣や火の見やぐら、幅広の道なんかで往時が偲ばれます。右の道は集落に向かう道だったのでしょう。


立派な石積み。どんな家が建っていたのでしょうか?


昔の仕事道を登山道として利用しています。山での人々の暮らしと登山道が一致しているわかりやすいケースです。写真の横たわる木は、当時伐採した木材を運び出しやすいように設置された丸太の跡です。木馬道の痕跡です。


沢コースと尾根コースがあり、今回は沢コースから尾根コースへ周回としました。


中は覗いていませんが、建物として残っている杣小屋です。


山頂南の尾根は、ブナなんかの広葉樹の森でした。なかなか美しく、展望はイマイチでしたが気持ちの良い尾根道でした。


主稜線に上がると、大岩が出てきて、その間を縫うようにつけられた登山道です。大岩は修験の場だったという情報はネットから。


山頂南の東屋。


遠く南アルプスの南部の山々が見えるのだと教えてくれました。


二週続けての竜頭山山頂。二等三角点です。


尾根ルートの途中の水場。なぜか直立不動の太いホースから勢いよく水が出ています。立ちどまって立ったまま飲めるおいしい水でした。


黄色いコナスビの花はたくさんありました。


まだ咲いていたキランソウ。


フイリフモトスミレ。当然花は終わっていましたが、特徴のある葉っぱです。


先週より香っていたコアジサイ。


真ん中の芽が10㎝以上に延びて花が咲く「アオフタバラン青双葉蘭」こちらは下山後にガイド仲間に教えてもらいました。ランは自分でも反応してしまいますが、いかんせん難しい同定です。



これはキッコウハグマ(亀甲白熊)


エンシュウハグマの葉っぱ。


エンシュウハグマ(遠州白熊)


ハグマは僧侶が使う払子(ほっす)という道具のことで、毛は中国から輸入された牛の仲間のヤクの尻尾の毛でした。それが白熊(ハグマ)と呼ばれていていたということでのハグマです。ハグマとつく植物の花はヤクの毛を使った払子(ほっす)という道具に似ているということです。エンシュウハグマは遠州に咲く払子(ほっす)に似た花ということです。葉っぱの形が独特で、竜頭山で初めて見ました。名前は花の形からなんですが、残念ながら秋に咲くそうなので花を見ることは出来ませんでした。でも葉っぱだけでも珍しかったです。静岡県の西部と愛知県の三河地方でしか出会えない花だそうです。


ネットからお借りした花の様子。


三河の植物観察というサイトから写真をお借りしました。


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