2019年12月3日火曜日

八森山

安部川右岸の中流にある標高1044.4mの山が八森山です。2年前の仕事をまた依頼されました。登山経験がない方と4泊5日のテント生活をするというものです。地質調査をするのだけれど下から通うのは厳しいので山頂にテントを張って仕事をしたいというオーダー。水、食料、テント泊装備のケアをするというものでした。有東木から見える八森山。


基本里山です。登りはじめから昔の山の斜面にへばり付くような集落の石積を見ることが出来ます。そんな古い道を利用しながら登って行きます。細野と呼ばれていた集落は今は誰も住んでいません。


八森山山頂。安倍川西山稜ともいえる山のつながりは、南に見月山、北には二王山、笹山そして山伏と続きます。


三等三角点「八森」標石


ほぼ展望のないところの幕営というのも奇妙なものです。幸いヤマビルはいませんでした。


やはり水が大切です。


ある日の朝食、これはカニ雑炊ウインナー添えです。


吊り橋の向こうが渡どの本村、向こうからこちらを見たとき向こうにあるから「向むかえ」の集落は安倍川の右岸。向えの集落が登山口。


「わさびの栽培は、今から400年前、慶長年間(1596~1615年)に安倍郡大河内村有東木(現在の静岡市葵区有東木)で始まったとされています。その後、伊豆などの各地域へ広まっていきました。そのころ駿府に隠居していた徳川家康公に有東木の庄屋がわさびを献上したところ、その香りとその独特な辛味を絶賛し、家康公のお声掛かりで有東木のわさびは門外不出の御法度品になったと伝えられています。」静岡県HP

渡の集落の北東にある有東木(うとうぎ)集落の名物は「さびめし」、あったかいご飯に鰹節をかけ本わさびのすりおろしを乗せ醤油をかけてというシンプルさがウケるみたいです。ご飯と鰹節でワサビをくるんで食べる感じです。直接ワサビが舌に乗っかるとツンツン感が半端ないので注意です。写真は真富士の里という県道29号の道の駅のもの。


同じく県道29号線、有東木に分かれる三差路の宮原酒店の”静岡おでん”


まぁこれも静岡名物です。静岡県民でもない僕が言うのもなんですが、黒はんぺんもいただきました。


木の間から見えた安倍奥の山。左が山伏で、右が大谷嶺。


カンアオイです。冬に花が咲き、葉の形がアオイ(葵)に似ていることが名の由来です。
徳川の葵の御紋はフタバアオイなんですが、それはカンアオイとは別な種類。カンアオイ、地方ごとに非常に多くの種類があって、日本に約60種もあるといわれています。分類も混乱気味でなかなか難しい花ではあります。漢字で書けばわかりやすいです。関東寒葵、多摩ノ寒葵、天城寒葵、越ノ寒葵、磐田寒葵などなど


カンアオイの花


普通の花と違って受粉を蟻やヤスデがすると言われます。葉の下に隠れるように咲いているわけですから蝶や蜂が蜜を吸うのは不可能です。


キッコウハグマの花がまだ残ってました。亀甲白熊が漢字のキク科の多年草です。


葉の形が亀甲なんです。


こちらはアリドオシ、漢字は蟻通。山梨の僕の住んでいる周辺では見ることが出来ません。


こちらはマンリョウ。万両です。
万両・(ヤブタチバナ 藪橘) 
千両・(クササンゴ 草珊瑚)
百両・(カラタチバナ 唐橘)
十両・(ヤブコウジ 藪柑子)
一両・(アリドウシ 蟻通)
全て赤い実を付けるので、お正月の縁起物としてもてはやされてきました。「千両、万両、有り通し」と縁起をかついだのだそうです。「千両も万両もおカネがいつも有り続けて困らない」ということで謹賀新年となります。


フユイチゴ 12月に熟す木苺なんで冬苺なんでしょう。美味しいです。


マメヅタ 豆蔦です。これで常緑シダ植物です。


そして皇帝ダリア。冬の初めに静岡に来ると見られる、僕にとっては静岡に来たことを実感できる花です。園芸種ですけどね。


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