9月に入って、コロナ過再びという感じになっています。台風の影響とかコロナとかでいくつかの山行が成立しなくなり、ちょうど1週間空いたということで、初めての北海道に行ってきたというブログ記事です。行こう!と決めていろいろ段取りして2日目の韮崎駅。改めて思うのは韮崎駅のこの解放感。
慣れない搭乗手続きを済ませて機上の人です。
エアバス350のモニター、エコノミークラスでも機載カメラが見れるって凄いです。
目の前のモニターで速度や高度が表示され、ランディングの様子まで見ることが出来ます。
北海道の玄関ともいえる新千歳空港。ネットで予約したレンタカー会社の空港ブースに行くと誘導されバスに乗りました。約5kmのところにレンタカー会社があって、そこへの送迎が各社自前のバスってことでした。その場所に行くと巨大な住宅公園の一角のようで戸惑いましたが、とりあえずレンタカーを借りて走り出し、幌尻岳登山口のひとつのチロロ林道ゲートを目指しました。登山口向けて走り出す前にベアスプレ―の購入は、ネットで調べた釣具屋さんに予約していたもので閉店時間が19:30、レンタカー借りてお店に着いたのが19:20という慌ただしさでした。
百名山の中でも難しいと言われる幌尻岳のルートは主に3つ。メインは平取町の額平川沿いに幌尻山荘に泊まり北カールの西の縁を登るもの。もう一つは新冠町(にいかっぷ)からで、とても長い林道歩きが伴うもの、そして今回僕がトレースしたのが平取町のチロロ(千呂露)川から戸蔦別山を越えて幌尻岳に至るロングルート。写真はチロロ川二ノ沢出合で、数回の渡渉が始まるところです。
徒渉です。左岸右岸と流れを渡らなければならないのが7回だったか、8回だったか?大体そんな感じです。
ゲートのチロロ川を渡る橋のところに631mの標高点があります。二岐沢わきの林道を30~40分歩いて北海道電力取水場があり、そこは757mの標高点があります。北海道電力取水場から先は登山道になります。
徒渉点にはピンクテープが目印として取り付けられていて迷うことはありません。流れも安定していて沢登り用のシューズは必要ありませんでした。ほぼ飛び石伝いに渡れました。
何度か徒渉を繰り返し、前方に滝らしい滝(そこまで滝はありません。沢が左に曲がるところなので見えにくい滝です)が見えたら登山道は尾根に取り付きます。
下の写真が最後の渡渉点。急な岩が露出したところです。ここまでも単純な徒渉だけではなく、短い高巻きやへつり(水流のすぐ横の岸壁をへばりつくようにして横に進むこと。)
尾根をほぼ真っ直ぐ登って行く登山道は、あまり遊びがなくストレートなので辛い登りです。地面は風化した砂でおおわれていて、ときどきその下の粘土質の土が露出していて滑りやすいのも難しくさせる登山道。
ネットでもたくさん登場する看板。トッタの泉は水場なのですが、この段階では何もわかっていなくて周りを見回しました。登山道から外れたところにあるんじゃないかという疑いです。特に踏み跡もなかったので登山道を進みました。
あっさり登場したトッタの泉。登山道のわきから勢いよく流れ出していました。エキノコックス症感染(エキノコックス症は、北海道のキタキツネやイヌに寄生する寄生虫が原因となる感染症です。)の心配があるため、沢などの生水は飲めない北海道です。煮沸しないと飲めない沢の水。トッタノ泉は湧水なので煮沸なしで飲めると言われます。それでも浄水器があった方が良いかな。
稜線に近づくにつれ優しい登山道になりますが、岩が目立つようになります。
稜線に出たら幌尻岳が目の前
ヌカビラ(糠平)岳の三角点柱石
ヌカビラ岳から北トッタベツ(戸蔦別)岳の稜線上には幕営適地が点在しています。
北トッタベツ岳山頂から見えた、左からチロロ岳、ピパイロ岳、伏美岳
踏みつけられたヒグマのフン。
地球の表面を構成している地殻の下のマントルを構成するというカンラ(橄欖)岩。凄く特徴的で表面のザラザラ感のは、ヌカビラ岳北側の登山道の砂はこの岩の風化だ!
戸蔦別岳山頂。幌尻岳の左奥に見えているのは、イドンナップ岳やナメワッカ岳、エサオマントッタベツ岳、カムイエクウチカウシ山、十勝幌尻岳という名前の山々なのでしょうが、同定するところまで行きませんでした。時間が無かったんです。
妙に近づいてきたホシガラス。
戸蔦別岳から幌尻岳を見ています。稜線の左に七つ沼カールが見えます。戸蔦別岳から幌尻岳に向かうわけですが、ピークからピークに行くということは、下って登るっていうことです。普通はその最低鞍部まで下って、最低鞍部通過後登りになるとシンプルですが、その最低鞍部のところが地形が複雑でヤセ尾根になっていて侮れません。下りと登りの中間部のことです。
戸蔦別岳から幌尻岳の最低鞍部の侮れない稜線をこなした後の登り。稜線上の肩といわれる小ピークまでの標高差は約200m。こういう登り返しは縦走していると堪えるわけですが、最低鞍部のジグザグに比べたらシンプルで大丈夫!って感覚です。
肩のピークから見た幌尻岳。まだ標高差は100mあります。
幌尻岳山頂。ポロシリと、ここもアイヌ語の感じの当て字。アイヌ語の意味は「ポロおおきなシリ山」ということでした。
ピストンなので戻って、肩のピーク状のところから見た戸蔦別岳が真ん中です。最低鞍部のやせた感じのジグザグが見えています。侮れないヤセ尾根です。200m下ってヤセ尾根をこなして、200mの登り返しで戸蔦別岳です。戸蔦別岳から北戸蔦別岳に行くのも侮れません。最低鞍部にはかんらん岩の岩場があるからです。戸蔦別岳から北戸蔦別岳へは100m下って、100m登り返しです。
沈む前の夕陽に照らされた戸蔦別岳と幌尻岳。
沈む夕陽。
翌朝はガスガスで始まりましたが、雲は浅いものでときどき展望はありました。
ヌカビラ岳の肩のような1700mくらいのところから下る沢筋を見ています。なんとなくの山並みの真ん中に北海道電力の取水場が見えています。757m標高点です。そこを通過して林道を歩いた先にレンタカーが停まっています。
ダケカンバの白さが気になりました。なんでダケカンバの枝が白いのかはわかりません。北海道のダケカンバは白いです。
日高山脈は褶曲山脈ということで地質の宝庫。ヒスイは糸魚川の専売特許じゃないってことですね。
チロロの巨石。北海道3日目の朝はのんびりヌカビラ岳の山頂から下って、レンタカーで旭川に移動でした。初日の夜に見ることが出来なかった景色を堪能しました。
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