2025年10月21日火曜日

鹿ノ子池で読図

2泊3日で白根南稜の鹿ノ子池に行った山行です。静岡県道60号南アルプス公園線を通って大井川の井川に入ります。富士見峠の下でトンネル工事が行われています。このトンネルはリニア関連の工事です。JR東海が地域振興という名目でトンネルを掘っています。完成後は20分~30分短縮されるということです。静岡市内から井川地区への移動は2時間かかるので、1時間30分で行けるということになります。


「地図」という単語に過剰に反応してしまいました。確かにトンネルが完成したら地図に載るでしょう。


赤石温泉白樺荘まであと5分くらいのところでなんとパンク... 最近の車はスペアタイヤがないので、ほぼレッカーのお世話に... 2泊3日の山行の始まりがなんてこった... どうやってレッカーの段取りをつけるんだ... まあ、捨てる神あれば拾う神ありで助かったわけですが... 

集合場所の赤石温泉白樺荘はいつの間にか畑薙荘と名前が変わっていました。白樺荘だとどこにでもありそうな名前なので、こっちの方が特定しやすいと思った畑薙荘。

大井川支流東河内左岸の尾根。最近は里へ、というか市街地へのクマの出没がいろんな被害を生んでいますが、ここは正しく彼らが住む場所です。

筑波大学の演習林です。遠目から見てもナラ枯れが目立っていた森です。調査なのか研究なのか、ナラの木の根元に巻かれたゴキブリホイホイのような粘着シート。アオゲラが張り付いてしまったのでしょう、アオゲラの羽がきれいでした。

把握しやすい尾根上のポイントにはずっと前から捕獲檻が置かれたままになっています。


たくさん生っていた山ぶどう。

トリカブト

傾斜がなくなり平坦になると巨木が目立つようになります。鹿ノ子池近いことを知らせてくれる森です。


鹿ノ子池。上流からの流れ込みがかなり減っていました。今年だけの現象なのか、雨の量が少ないとか、または湧水の量が減ったのかはわかりません。この水量だと鹿ノ子池の環境が変わってしまうかも?と思いました。


サービスのポテトサラダは、マッシュポテトが主です。キュウリとハムと玉ねぎ。


白根南稜の主稜線の水無峠山は2080m標高点です。


山頂の北の二重山稜の最後にあった池も干上がった感じでした。このエリアの降雨量が少ないのかも知れません。


いかにものビューポイント。ずっと樹林帯を歩いてきたのでとても貴重な美しい景色の先は日本二百名山の大無間山です。


青笹山手前のナギからの景色。聖岳などは雲のなかでした。


本当に気持ちのいい芝生が敷かれたような尾根です。


青笹山からの帰り、水無峠山の標高点ではない側の二重山稜にあった山頂標識。


3×3mのタープを並べて張った鹿ノ子池のテント場。1日目の夜に降った結構な雨がたまることがなかったので、自分的にはかなり満足な張りでした。自己満足です。


2日目の夜の天然キノコ汁。


3日目も読図。地形図を読むのが難しい(だいたい傾斜がなくて地形図では表現できない尾根や沢が登場する場所)ところを登って下るときに残しておいたサイン。これはだいたい登りで作った矢印のサインに、下りで同じところを通るということが難しいレベルなので何の参考にもなりません。


鹿ノ子池を上から見下ろしました。


カエデ類も多いんですが、まだ紅葉には早い標高でした。


1日目にパンクした車。2日目の青笹尾根の手前で携帯の電波が入るのは知っていたので、自動車保険で翌日のレッカーの予約をして、静岡市内のタイヤやさんに予約をしてという感じで、信じられないくらいスムースに事が運びました。レッカーの運転手さんにも感謝なのが、電波がないところからレッカー車に乗せてくれたこと。井川の田代で携帯が使えましたから。


今年新品にしたばかりのタイヤでしたが、パンク修理も終わって無事に20時台には韮崎に」帰宅できた夜でした。

2025年10月9日木曜日

焼岳

北アルプスの百名山、焼岳に登った山行です。前日に上高地入りして日本山岳ガイド協会のアルプス山荘に泊まった翌朝の梓川です。今にも雨が降りそうな朝。


時折青空ものぞかせた空は疑似晴天。登山道のわきにはたくさんのキノコ。ジコボウと言われるハナイグチです。

上高地から焼岳へのルートは、焼岳からの峠沢という沢の右岸を進みます。その中間点くらいの笹藪の向こうからクマが突進してきました。笹藪を進んでくる勢いと、ちらっと見えた黒い体毛がクマだ!となり、胸に装着したベアスプレーのストッパーを外して身構えたら180度ひるがえって離れて行ったクマでした。かのクマは風上からやって来たので、気づかなかったのだと思います。最近、山に限らず様々な場所でクマの出没が問題視されています。僕らガイドができる対策の最終手段はベアスプレーか、と思い持参した今回でした。

ハシゴ場の始まり。

樹林帯を抜けて見下ろす大正池。


ハシゴ場の最後は2段のアルミのハシゴ。

上から見下ろした最後のハシゴ。

 新中尾峠の手前で本格的な雨になりました。焼岳小屋では雨宿りさせてもらえず…


それでも情報提供はしたので、これらの情報に加えられた峠沢横のクマとの遭遇。


中尾峠。中尾は奥飛騨の地名です。

 
モンローリップのイオウゴケ。


焼岳北峰。雨とガスで何も見えなかったのですが、風が弱かったのは救いでした。三角点のある南峰には登攀禁止で行けません。



山頂部の溶岩ドームはガスった中でも迫力があります。加えて周辺には水蒸気の吹き出し口がたくさんあり、たくさんの場所で温かい空気に触れられます。


中の湯ルートで下りましたが、全く予想もしていなかったのに素晴らしいナナカマドの紅葉に出会うことが出来ました。



笹のミドリとナナカマドの赤、あとは青空があればと思いますが、雨はやむことなく降り続けました。


その結果、川になった登山道には大きな水たまりも。



もう少しで中の湯登山口に着くという登山道で見た古い車。今は安房トンネルで飛騨に抜けるわけですが、トンネルが出来る前、この場所の50mくらい上に通る安房峠道路のカーブから落ちた車の残骸です。


お客様の希望もありこの日は中の湯に泊まりました。



何もかもずぶ濡れなのでありがたかった最強乾燥室。



夕食



ちょうど僕の誕生日で、なんとサプライズで祝っていただきました。ケーキとオリジナルの手ぬぐいです。とてもとてもうれしいサプライズでした。これからもよろしくお願いします。



晴れた朝、中の湯のロビーからは明神岳、前穂高岳から吊り尾根、奥穂高岳が見えました。

2025年10月3日金曜日

美ヶ原 百曲り

この時期限定の美ヶ原松茸ツアーでした。なかなかいろいろ段取りが大変で、山に登る前に疲れてしまっていた自分が情けなかった...出発は三城牧場のいこいの広場。トイレの下にこんな広い駐車場があったと初めて知りました。


今回は美ヶ原の歴史を考えても、絶対メインルートであったろう百曲りルート。三城から歩き始め、はじめは沢地形の道を歩きます。小さな沢に架かった橋を見るにつけ美ヶ原の玄関から入っているという感覚になりました。

広小場の広場。ここで百曲りと茶臼山に行く道が分かれます。

ちょっとだけ味見をさせてもらった山ブドウ

三城から美ヶ原の山頂台地にはそんなに時間がかかりません。ガイドの悲しい性か、今まではいちにち目いっぱい行動したいと、遠回りして山頂台地に行っていました。しかし、山頂台地で草を食む牛たちはどこを通って山頂台地に行くのか?と考えた時、正しく百曲りでしょ!と始めて歩いた百曲りのルートでした。年2回数百頭の牛が春に登り秋に下るということをするルートはとても歩きやすいはずだと想像していました。その通りの道を歩くことが楽しくて仕方ない自分でした。


山頂台地の縁。


牧草地の牛。

美ヶ原のシンボル、美しの塔。このモニュメントに掲げられている尾崎喜八の詩、「美ヶ原  登りついて不意に開けた眼前の風景にしばらくは、世界の天井が抜けたかと思う...」百曲りのルートはそれを実感できるルートだと思います。


山本小屋のこの時期限定のメニューを味わうために三城から登ってきた山頂台地です。主役は松茸!まずはすき焼きです。


松茸の香り食感を深く味わえる土瓶蒸し。


なめらかな茶碗蒸し。


松茸の天ぷらはお塩で。


しめの松茸ご飯の迫力!


翌朝の山頂台地。


ぐるり360度の景観を楽しんだ2日目の朝、宿を後にしアルプス展望コースを取り北アルプスに近づきながら歩きました。


なんとなくお気に入りの写真をいただきました。王が鼻にて。


2日間の仕上げは桜清水茶屋の新蕎麦御前のお昼。


栗ご飯


天ぷら、アケビの皮とふきのとうと天然キノコの天ぷら。


教えていただいた名前は信州の方言だったので忘れてしまいましたが、一般的にはカラカサタケと言われているキノコです。


メインはお蕎麦


僕が大好きなキノコ汁!


今年もきれいなアケビが飾られていました。