北アルプスの百名山、焼岳に登った山行です。前日に上高地入りして日本山岳ガイド協会のアルプス山荘に泊まった翌朝の梓川です。今にも雨が降りそうな朝。
時折青空ものぞかせた空は疑似晴天。登山道のわきにはたくさんのキノコ。ジコボウと言われるハナイグチです。
上高地から焼岳へのルートは、焼岳からの峠沢という沢の右岸を進みます。その中間点くらいの笹藪の向こうからクマが突進してきました。笹藪を進んでくる勢いと、ちらっと見えた黒い体毛がクマだ!となり、胸に装着したベアスプレーのストッパーを外して身構えたら180度ひるがえって離れて行ったクマでした。かのクマは風上からやって来たので、気づかなかったのだと思います。最近、山に限らず様々な場所でクマの出没が問題視されています。僕らガイドができる対策の最終手段はベアスプレーか、と思い持参した今回でした。
ハシゴ場の始まり。
樹林帯を抜けて見下ろす大正池。
ハシゴ場の最後は2段のアルミのハシゴ。
上から見下ろした最後のハシゴ。
新中尾峠の手前で本格的な雨になりました。焼岳小屋では雨宿りさせてもらえず…
それでも情報提供はしたので、これらの情報に加えられた峠沢横のクマとの遭遇。
中尾峠。中尾は奥飛騨の地名です。
焼岳北峰。雨とガスで何も見えなかったのですが、風が弱かったのは救いでした。三角点のある南峰には登攀禁止で行けません。

山頂部の溶岩ドームはガスった中でも迫力があります。加えて周辺には水蒸気の吹き出し口がたくさんあり、たくさんの場所で温かい空気に触れられます。
中の湯ルートで下りましたが、全く予想もしていなかったのに素晴らしいナナカマドの紅葉に出会うことが出来ました。

笹のミドリとナナカマドの赤、あとは青空があればと思いますが、雨はやむことなく降り続けました。

その結果、川になった登山道には大きな水たまりも。

もう少しで中の湯登山口に着くという登山道で見た古い車。今は安房トンネルで飛騨に抜けるわけですが、トンネルが出来る前、この場所の50mくらい上に通る安房峠道路のカーブから落ちた車の残骸です。
お客様の希望もありこの日は中の湯に泊まりました。

何もかもずぶ濡れなのでありがたかった最強乾燥室。

夕食

ちょうど僕の誕生日で、なんとサプライズで祝っていただきました。ケーキとオリジナルの手ぬぐいです。とてもとてもうれしいサプライズでした。これからもよろしくお願いします。

晴れた朝、中の湯のロビーからは明神岳、前穂高岳から吊り尾根、奥穂高岳が見えました。
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