2015年9月22日火曜日

釜無山

釜無山  わかったようでよくわからないエリアの山です。○○名山でもないし、標高が高いわけでもないし・・・でも山梨の人なら、釜無川(富士川の支流)という名前に馴染みがあるでしょうから、釜無の釜無山か・・・となるんじゃないでしょうか?ムリか?
甲斐駒から西に進んで鋸岳があります。その尾根をさらに進むと横岳峠、普通は横岳峠から釜無川の源流に下ってしまいます。それを尾根通しに進むと、横岳、白岩岳、釜無山となります。釜無山の先には有名な入笠山です。普通は入笠山方面から登るようです。登山道が整備されています。今回は釜無川のゲートの先の洞ヶ沢という沢の南の尾根から取り付きました。地形図の赤線がルートです。


国道20号線から釜無川方面に入ったところから見た釜無山。釜無川は韮崎から国道20号線の横をずっと流れています。長野県に入り蔦木宿を過ぎると大きく方向を変えて南に向かいます。釜無川が長野県と山梨県の県境です。釜無山は長野県の山ということになります。


国道から5㎞くらい入ったところのゲート。鋸岳は人気です。釜無川の源流から入る場合、このゲートから歩きます。林道区間約9㎞。このゲートは多くの人が苦々しく思っているんじゃないでしょうか。


尾根の始まりはたいがい急傾斜の斜面です。山が大きいと尾根に出るまでが大変だったりしますが、この尾根は苦労することなくすんなり尾根に出ることが出来ました。甲斐駒から入笠山に至る長い尾根の枝尾根ということになります。 尾根に出ると俄然登りやすくなります。


森がなんとなく明るくなったなと思ったら胡桃の樹ばかりになりました。とたんに獣が濃い感じ・・・


新しめの爪あと。やっぱり怖いので笛を鳴らしました。


かさの開いたタマゴタケ。綺麗でした。


興味がある方は是非地形図をご覧ください。2万5千図の「信濃富士見」です。洞ヶ沢の南の尾根の真ん中くらいに、1549.5mの三角点があります。調べると点名「唐沢」名前の由来はわかりません。とってもユニークな場所にある三角点です。尾根からちょっと突き出たところにあることが地形図からわかります。等高線が丸い感じのところだし、等高線が閉じているわけでもないので目立つピークでもありません。尾根からちょっと外れて三角点探しをしてみました。植林されたものでしょうか?モミの木の森になりました。結構迫力ある感じ。


で、三角点名唐沢の標石。


一帯は石灰岩質の岩のようです。釜無川沿いには採掘場もいくつかありますし、こんな石が転がっているのも納得です。


尾根伝いに素直に登って行ったら岩のセクション。 簡単に降りれましたが、地形図には載っていませんでした。一瞬あせってしまった…


主稜線に出ましたが、 見事な笹原で、まるで笹の大海原って感じにあ然としました。なんとはなしにマーキングがちょっとだけありはしましたが、登山道とは言わないまでもトレースぐらいはあるかと思ってここまで登ってきたのですが・・・ありません。ここにあるのはケモノ道だけです。すっごく深い所もあって、笹の中顔までの深さのところもありました。おまけに笹が濡れていてびっしょりになりました。この青空はなんなんだ!って感じでした。


釜無川の林道沿いから登ってきましたが、変化に富んだいいルートです。ただ、主稜線に出てからの笹っ原は要注意です。読図力がないととんでもないことになります。自己完結できない人は取り付けません。


ここでひと区切りです。続きは次回です。

2015年9月20日日曜日

立山

天気に恵まれた立山山行でした。写真がきれいです。なんとも言えないくらい3000mの稜線を満喫しました。ゆっくりゆったり、噛みしめるような山行のご報告です。 交通費はかかりますが、黒部立山アルペンルートを使って楽に3000mの稜線を歩きました。
黒四ダムに降り立つと快晴の空が迎えてくれました。いちばん高い立山の向こう側が室堂。


黒四ダムの高さ186m、長さ492m。1963年竣工、日本一のダムでしょう。放水も迫力あります。


立山を楽ちんに登るために富山県の室堂2450mを目指しています。乗り物に乗ってです。富山県側からアプローチしたことはありません。黒部立山アルペンルートです。長野の大町から室堂にアプローチすると3回乗り換えがあります。扇沢、トロリーバス(トンネルの中)=黒四ダムを歩いてケーブルカー=大観峰でロープウェー=室堂へのトロリーバス(トンネルの中)=室堂。それぞれの乗り物の乗車時間は短いのですが、すんっごく乗った感はあります。写真はロープウェーの後のケーブルカーです。


乗り物から解放されて、到着した室堂は草紅葉の世界でした。とても綺麗!


立山登山です。室堂から一ノ越を目指して登って行きます。全く問題はありませんが、途中残雪もあります。


一ノ越までは整備された道。なかなかこいつが受け入れられません。歩きにくいんです。


一ノ越から立山の雄山への山頂までのルートは要注意の登山道です。 事故の頻度も高いです。岩がルーズだしルートが幾重にも入り乱れています。典型的な落石注意の場所です。


ある程度標高を稼ぐと、室堂の全容が見えます。大らかな景色です。


立山、雄山の三角点、一等三角点です。なかなかお会いできない代物かな。立派な御影石です。


 雄山を象徴する建物。お札や多少の食料も販売しています。


大汝山から黒部湖を見下ろします。


立山主峰、最後は富士ノ折立。縦走路からちょっと離れた山頂。立山主峰(雄山3003m 大汝山3015m 富士ノ折立2999m)ということで、立山三山(立山主峰 別山2880m 浄土山2831m)ということだそうです。


冨士ノ折立から別山方面の下りは急です。


真砂岳は稜線上の出っ張りです。とても気持ちの良い稜線歩きです。


 お世話になった内蔵助小屋。


日の出。


別山南峰を目指します。


 剣岳と剣沢。


紅葉が始まっていて、きれいに赤くなったウラシマツツジも見ることが出来ました。 


草紅葉と室堂平


シラタマノキ


イワイチョウ 室堂にはたくさんあります。


可憐なミヤマリンドウ


チングルマの綿毛 なんとなく気取ってるって感じがしました。


ぐる~っと回って剣御前小舎から室堂に向けて下ります。別山乗越と呼ばれるところです。雷鳥沢を下るのが一般的ですが、ちょっとだけ遠回りをして新室堂乗越経由で下山しました。こちらの方が傾斜がなくて楽に下れます。おすすめです。


浄土沢の橋を渡ると雷鳥沢キャンプ場。


また整備された石畳の道です。アップダウンがあり登り基調で室堂です。標高差が200m近くあり意外としんどいです。写真は火山性ガスの影響で立ち枯れたハイマツです。


立ち入り禁止の地獄谷


室堂ターミナルが見えて来ました。


お昼は、ターミナルの蕎麦屋でいただきました。立山って蒲鉾が可愛かったです。


また乗り物を乗り継いで黒四ダムまで戻ってきました。
黒四ダム建設慰霊碑「六体の人物像」 ダム建設に伴う殉職者は171人だそうです。





美女山歩おまけ

CS放送 skyAの番組のガイドをしたことは以前書きました。 いわゆるスカパーの「美女山歩」という番組です。収録は6月でした。富士山の展望台というふれこみの愛鷹山なんですが、富士山はどんどん姿を消してしまい、番組作れるのかな?の心配をよそに、DVDが8月に送られてきました。放送は7月にされたようですが、もともとスポーツ番組の生中継のつなぎの番組だそうで、何度も再放送をされるようです。



僕もそうですが、スカパーは有料なので見ることが出来ません。というか普段からテレビはほとんど見ないので、自分が出てくるものもDVDがあれば見る程度です。番組はコマーシャルも入って約1時間です。これではちょっと・・・
自分でやるととんでもなく時間がかかりそうなので、友人に頼んで短縮版を編集してもらいました。
こんな活動もしているということで見ていただけたら嬉しいです。


南側から見た、越前岳と富士山です。

2015年9月18日金曜日

槍の穂先ノルウェー

デジカメを持つようになって何年になるのかな?
ブログは写真データが重要です。今回の槍ヶ岳行は天候に恵まれました。写真は、とりあえず思いついた時にザックの横にぶら下げたカメラを(クライミング用のカラビナでぶら下げています。)はずしてヤタラメッタラ、シャッター押しています。なので、参考になるかどうかはわかりませんが、槍の穂先のチェックをしてみます。槍ヶ岳をねらっている方の参考になればという思いです。


槍沢からの槍ヶ岳をルート上の特徴から4つに分けて説明しました。前回ブログのコピーです。
1)上高地から横尾山荘まで
2)横尾山荘から大曲まで
3)大曲から槍ヶ岳山荘まで
・槍の穂先

Englishが教科書的に正確かどうかは関係ないです。1)~3)までは普通の登山道であると伝えてあります。槍ヶ岳山荘から山頂までの注意点、ImportantとかDangerousとかをつけると注目度、集中力が違います。もちろん真剣にです。こちらが真剣だとむこうも真剣になります。もちろん伝えることは整理しておく必要があります。日本人に伝える時も同じです。しゃべればいいということではありません。大事なことをどう伝えるかということです。


幸いなことに、この日はそれほどの混み具合ではありませんでした。それでも頃合を見計らって槍の穂先に取り付きます。前後がすいていて絶妙のタイミングでの槍の穂先のトライとなりました。


ホールド、スタンスの豊富なフェースをこなすと、小さなリッジ(岩稜)を越え、小槍に落ちるルンゼ(傾斜の急な狭い沢のこと)を登ります。そこまでがプロローグ。


で、そのプロローグが始まる前に岩場の基本、三点支持のデモンストレーションをはじめのフェースでしました。細かな内容は企業秘密(笑)ですが、こういうのは英単語を並べただけで、ノルウェー人にも全く通じるということがわかりました。それら岩場の注意点は、普段日本人にもしているものと全く同じでした。



小リッジを越えて、ルンゼの上の方を見上げた写真です。雲がある景色って満更でもありません。


実際登るとわかりますが、槍の穂先は驚くほど短いです。ルンゼを過ぎると登山ルートと下山ルートが接近する場所があって、その次はもう山頂への天国の階段と言ってもいい梯子が2段構えで設置されています。でもその手前の下山道と接近する場所が侮れません。写真の意味不明のシュリンゲ(紐、オレンジのひも)が垂れ下がっている所です。 


その場所の山頂へのハシゴの手前のアンカーです。ホールドにしたり、スタンスにしたりします。
岩に打ち込まれた鉄の棒、アンカーです。写真はありませんが、前の写真のアンカーを左手で持って、右足を岩場のスタンスに載せれば問題なく越えられるセクションです。この日は、ノルウェーの人たちに細かな解説をしながら登りました。英語でレフトとライトを間違えながら・・・その突っ込みもありながら笑いながら悪場の克服でした・・・面白いですね、言葉の壁を速攻で越えて、言いたいことが伝わる真剣さ。


山頂への2段梯子です。ここまでの岩場を克服してくると、この恐ろしく見えるハシゴが有難く思えるくらいになります。ハシゴ登りはそのくらい単純なものです。


最後のハシゴの高度感。ここでビビるようなら、取り付くべきではありません。
真上から見た感じ。 迫力の1枚じゃん!


素晴らしい笑顔。山頂でのうれしい写真です。


左が山頂へのハシゴ。右が山頂からのハシゴ。ワンウェイです。どちらの梯子にもはじにロープがセットされています。某ツアー会社のやり方。参考までに載せておきます。何もないよりは少しはましだと思います。システムとして確立してはいませんが、ヴィアフェラータということ。よりまし・・・というところです。ここいらは難しいですね。フィックスロープを張り、万が一に備えているということ。オレンジのヘルメットの女性がカラビナの掛けかえをしています。ここまでするのだったら、シュリンゲでの簡易ハーネスではなく、クライミング用のハーネスをつけるべきという僕の感想でした。


ハシゴを降りるとすぐに鎖が設置されています。体重は足が支えています。手はバランスです。岩に近づきすぎると次に立つべき足場、スタンスが見えずらいです。前向きか後ろ向きか?傾斜のあるところは後ろ向きがいいです。スタンスを見つけ辛いというデメリットはあります。前向きでこわいのはバランスをくずした時に前から落ちるということです。


慣れてくるのか、下りの方が早いという印象でした。それでもゆっくりペースの方も。こんな所は慌てず、ゆっくりが一番です。


あともう少しで安全地帯。ゆっくり、ゆっくりでOKです。


遅いメンバーを皆さんでお出迎え。


記念撮影