2014年11月10日月曜日

笊ヶ岳ランカン尾根

笊ヶ岳は山頂の展望がいいことで知られた山です。
展望がいいのは山頂部分だけで、山頂に至るアプローチは、どのルートも展望はありません。

白根南嶺と呼ばれているエリアです。北岳からず-と南下した尾根の途中にあるピークです。北からの尾根と南に行く尾根と、もう一本東に行く尾根がランカン尾根です。一般的な登山道はありません。地図読みが出来て、いざとなったらどこでも泊れることが出来ないと取り付けません。

鳥屋集落のゲート

雨畑の鳥屋集落から林道を1時間くらい歩きます。途中から見えた雨畑。最奥の向こうは静岡です。



展望は望めない尾根ですが、この時期広葉樹の葉っぱが落ちたので、木の間から時々展望はあります。ランカン尾根のアプローチの尾根から見えました。1826.4mの三角点ピーク。手前のピークが大金山、左の奥に見えるなだらかな山が布引山。



林道の途中からの作業道


こんな看板を見ると、どれだけの人がこのランカン尾根を登っていたのかと思ってしまいます。 


1826.4mの三角点ピークの手前の傾斜の緩いところは、巨木が何本か。 


1826.4mの三角点ピーク。登山道がない、もしくは薄い山で絶対的な存在の三角点です。行くべき方向や標高の確認などをします。三角点のあるピークに行くと、とりあえず標石にタッチする人も結構います。

ひとつひとつの三角点には名前がつけられています。国土地理院の「基準点成果閲覧サービス」というサイトで調べることが出来ます。調べるとここの三角点名は『青閊』とありました。  ‘つかえる’という字だそうです。例えば「頭が閊えるつかえる、仕事が閊えるつかえる」というような使い方。読み方はわかりません。なんとなくニュアンスは伝わります。ランカン尾根、この三角点の上と下ではだいぶ様子が違うところです。下は里山っぽい感じで植林地や広葉樹の林になっていて上はツガやシラビソなどの針葉樹の林です。


三角点ピークの先のにあるすごいギャップ。左右ともに切れ落ちていて、特に右側は鋭いルンゼとなって保川の方に落ちています。写真ではよくわかりませんね・・・狭いバンドを使って突破です。


こんなに気持ちのいいシラビソの森もあったりします。


ちらりと見えた小笊

奥の方は県境の山々で、ピークとしてはっきりしているのが青笹山。一番手前の左から右に上がっている尾根は、老平-広河原-布引山のルート。檜横手がはっきり見えます。


2261m標高点手前のガレは少し見晴らしがいいです。その2261m標高点の右奥に小笊がちらっと見えました。左のなだらかなのが布引山です。


奥沢谷の方が崩れている所


こんなところに「宮標石」。明治時代に御料林(皇室所有地)とされた時の標石だそうです。


急傾斜の所が出てきます。傾斜はいろいろですが、登ったり下ったり・・・


北の方角が開けました。北岳、塩見、悪沢。手前の二つのピークは、生木割と這松尾です。這松尾は甲府盆地からだと尖って見えます。


2500m肩からの小笊

2500mで出てきたハイマツ


小笊山頂

小笊の山頂から見た荒川三山と赤石岳。手前が大笊。大笊往復は1時間はかからないでしょう。ここで時間となってしまいました。今回はここまでです。


小笊の山頂

ハイマツの上に立って頑張って富士山を撮ってみました。大笊から富士さんと小笊のツーショットは有名ですね。


いわゆるやぶ山と言われる山を歩く時のヒントを少し書いてみます。

トレースがはっきりしていない場合、もちろん地図とコンパスを出して地図読みをします。コンパスに目標地点を記憶させたりもします。地図とコンパスがあればどこでも歩けるかというと、そうでもありません。地形図で表現されていないということもままあるので、人の痕跡や先縦者の残したものに注意を払います。いちいち地図を出していると、ちっとも前に進まないからです。

倒木にびっしり苔が生えていたはずです。人がまたいで剥がれ落ちています。


こんなひどい倒木の前後は注意です。存在しているトレースが倒木の下になってます。誰でも楽に突破したいものなので、倒れた木の枝が折れているとか、幹に土がついているとか、皮がはがれているとかをよく観察して、どこから越えるか決めます。突破した後のトレースを見つけるまで慎重に!


これもはっきりした人の痕跡です。鋸で切った切り株です。トレースが薄くてどこを歩いても同じように見えても、多くの人が歩いている所の方が 圧倒的に歩きやすいです。


邪魔だから折られた細い木。これも立派な目印です。下手すると登りで折ったのか、下りだったのかもわかります。 


このマーキングは登山者に向けて発信されています。矢印の方向に行け!という意味。尾根上のピークになった所から派生している尾根はいくつかあります。下りの場合、ピークに吸収された尾根を見極めるのが難しいです。間違いやすい時にこんなマーキングは有難いです。


ランカン尾根は、笊ヶ岳の山頂から東にまっすぐのびている尾根です。
帰りに戸谷の集落の方に名前の由来を聞いてみました。あまり山は詳しくないとおっしゃっていたのですが、橋の欄干だろうとのことでした。なんだかそのまんまじゃんと思いましたが、わかる気がします。とにかく山頂までが長いんです。
この尾根を橋の欄干に例えるなら、このあたりの尾根は全てランカン状態です。

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