2017年2月12日日曜日

戸隠高原

所属している会の(静岡山岳自然ガイド協会)の研修で行って来ました。戸隠?黒姫?信濃町?北信五岳の山々の周辺はなんといっていいか、地域を表現するのが難しいとこです。そこに住んでいればここは信濃町だよ、とか戸隠だよとかいうのは簡単なのでしょうが、僕らにとっては妙高山のふもと、戸隠山のふもと、だいたい同じ感覚のエリアです。除雪車が働いている光景に出くわしただけで特別な感じでした。前夜から入った信濃町。同じ日本なのか?と驚くくらいの積雪量。世界でも有数の豪雪地帯に突入です。


戸隠神社中社の駐車場からのスタートでしたが、まずは県道の残雪量から驚きの高さとなります。2mくらいはありそうな雪の壁でした。


小鳥ヶ池。農業用のため池だそうです。


この日の研修の、登山技術としてのテーマはふたつ。一つは予めナビゲーション表を作った上で行動するというものでした。ナビゲーション表というのは、ホアウトアウトを想定したものです。予定ルート上のポイントを決めて(特徴のある地形)それぞれの場所の標高を記入し、次のポイントへのコンパスの角度(ベアリング)を測り記入。戻る場合のバックベアリングも記入。標高差、距離、想定した時間も記入。一連の行為をホアウトアウトナビゲーションと言います。ホアウトアウトって本当に恐ろしいです。一度前穂の北尾根の八峰のなだらかな傾斜でやられたことがありました。自分が地面に立っている実感が全くなくなり、すべてが白い世界で全方位の感覚がなくなってしまいます。
写真は硯石展望台から見た「一夜山1562m」です。


こちらは「荒倉山」今は長野市に入っている鬼無里村の山です。鬼にまつわる伝説がたくさんある山々。


足元はスノーシュー。今回のコースはスノーシュー歩きにとても適したところでした。


リョウブのドライフラワー。漢字で書くと「令法」。一説には、平安時代に飢饉の際の食料として、田畑で栽培して保存するように命じた法令に由来するという事です。新芽を食べることが出来て、米なんかに混ぜて炊いたものが「令法飯りょうぶめし」


リョウブは冬芽が面白い。先端の笠のようなのをとることが出来ます。冬芽が膨らんでくるのでしょうか?春の兆しのきっかけみたいなこと。


下りでは、雪の塊がコロコロ…マッシロシロスケの大群です。


鏡池到着。ちょうど雲も取れてきて青空が顔を出してきました。尖がったピークが戸隠山の八方睨はっぽうにらみ。


研修テーマのもう一つは、ビーコン操作。肌に近いところに装着して、send mode(電波を送る)にセットして行動します。雪崩が起きました!一緒に雪山に登っている人が雪崩に巻き込まれて雪の中に埋まってしまった場合、search mode(電波を受ける)にして、埋まった人が携行しているビーコンから発信される電波を救助者のビーコンで受信することにより、埋没した人の位置を速やかに特定して掘り出すための道具。雪崩で埋まってした人を救出する時間は15分以内と言われます。それ以上時間がたつと生存率が極端に下がってしまいます。当然メンバ全員がビーコンを装着していないと意味がありません。こんな練習は一人では出来ません。


来ましたーッ!白と青の世界。鏡池は四季を通じて素晴らしい景色が見える場所で有名です。秋の紅葉の時、条件がそろうと湖面に荒々しい戸隠連峰が映ってすごくきれいだそうです。写真は西岳方面。蟻の戸渡で有名な戸隠山よりも厳しい山です。


戸隠山方面。


鏡池からさらに進んで、みどりヶ池を目指しました。傾斜のないところは細かな川の流れがあり、それは地形図には表されていないので中々難しいルート取りでした。


ぐる~っと回って小鳥ヶ池に戻って来ました。氷った池の上、ちょっと怖かったけど問題なく渡れました。


試しに、池はどうなっているかと雪を掘りました。しばらくして氷の面が出てきて安心。


太平洋側の気候で暮らしている、山梨県韮崎市在住ガイドの三ちゃんです。同じ日本の中という事が信じられないくらいの雪国体験でした。



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