美ヶ原ロングトレイル
「総延長約45キロメートルのロングトレイル。北は四賀地区を起点に戸谷峰、武石峰を通り、日本百名山でもある美ヶ原高原王ヶ頭を目指します。北アルプス、南アルプス、富士山、八ヶ岳、浅間山と雄大な山々の眺望が堪能できる360度の大パノラマが広がるアルプス展望コースを抜け、茶臼山、三峰山、鉢伏山を通り南の起点である牛伏寺まで。平成21年度から整備が始まり、24年度に完了して、翌年度から本格的に活用するようになりました。」
長野県産業労働部 営業局 「信州魅力発掘人」より
8分割された行程を3ヶ月で歩いた美ヶ原ロングトレイル、整理するつもりでブログ記事書きます。この日もスタートは松本駅アルプス口。初めて気づいたウエルカムのサイン。
松本市四賀金山町から登った
戸谷峰、三才山ドライブインから登った
烏帽子岩、トレイルをつなげるということで思い出の丘へタクシーを利用しました。松本城がデザインされた昭和を感じるメダル、これを付けたタクシーだけが駅前ロータリーで客待ちができるってドライバーさんが言ってました。
美ヶ原ロングトレイルを3回で踏破する目的です。3回目は2泊3日でゴールの牛伏寺まで歩き通す計画です。1日目は前回の続きの思い出の丘がスタート。標高1900mまでタクシーで登ってのスタートなので気は楽でした。
武石峰の三角点は一等三角点でした。
美ケ原牧場の牛さんたち。
レンゲツツジは全行程であっぱれな咲きっぷり!
遠くに見えていた美ヶ原の主役、王ヶ頭がぐっと近づいてきます。
1日目の宿は王ヶ頭ホテル。
王ヶ頭の山頂へ。2日目が勝負なんでとりあえず山頂でまったり。
2日目の日の出。真っ白な朝でした。
真っ白な空が真っ青になった出発の時。
2日目のルートがそのまんま見えてファイト!って気分になりました。
右端が板状節理が顕著な烏帽子岩。
振り返ったら王ヶ頭ホテル。雲が沸き上がってこれが見納めでした。
牧場が終わって茶臼山への尾根が狭まるところ。
オオヤマフスマ(大山衾)の小さい花。衾は布団のことだそうですが語源は不明だそうです。山域全体で見ることができます。小さいけどたくさん咲いているので目立ちます。
茶臼山。美ヶ原の広大な高原台地もここまでです。南の茶臼山2006.5m、北の武石峰1972.9m、東の物見石山1985.2m、西の王ヶ鼻2008m、そして一番標高が高い王ヶ頭2034.4m。この範囲が美ヶ原でしょう。
ここからは結構なアップダウンの始まり。正面に三峰山、右奥に二ツ山。見るからに起伏のある尾根の連なりです。
タガソデソウ(誰袖草)。古今和歌集の「色よりも香こそあはれと思ほゆれ 誰が袖ふれし宿の梅ぞも」が名前の由来であると言われたりします。長野県と山梨県、岐阜県にだけ生えている希少種です。
扉峠のドライブインの赤い屋根が見えます。茶臼山から200m以上下る扉峠です。
ベストな開花時期に出会うととても品が良いと思えたヤマツツジ。
三峰山が正面。扉峠からの登り返しは約200m。この景色が見えるまでが結構しんどい細かなアップダウンの道です。
三峰山山頂。振り返り雲の中に茶臼山と王ヶ頭。
三峰山から進行方向を見下ろします。三峰山と二ツ山の間は急な下りと、痩せ気味の尾根、徒歩道が地形図と違うなど注意すべきところです。
とは言っても整備された登山道ではあります。
猛禽類にやられたのでしょうか。黒地に白の水玉模様がまるで草間やよいのデザイン見たいと話題になりました。調べてみたらキツツキのアカゲラの様です。頭とお尻の赤い羽根があれば決定的だったのですが。
山行中いちばん小さかった花、サワギキョウ。
枝尾根に巻いた登山道を嫌って地図読みで進みました。なんとなく素敵な尾根を通過。
二ツ山がチラッと見えました。
主稜線から等高線3本分下ったたいら。
5月に訪れた諏訪湖に流れる砥沢の源流です。この水場は地形図見て間違いなく水が取れるって踏んだ場所。5月の時より勢いよく水が流れていました。ホースは水を汲みやすいように持って行ったものです。ほんと砥沢は天竜川で太平洋に流れ、主稜線の北の流れは信濃川で日本海に流れてそれが中央分水嶺ってことです。
ちょっと傾斜があって難しかった幕営。
いつもの個室テントの展開です。大き目のタープに2張にしたのは、翌朝万が一雨が降っていたら両サイドのスペースで朝食の調理をしようと思ったから。でこぼこのタープは雨対応で水の流れを考えてです。
結構な降水量の夜半の雨でした。3日目の朝テントを撤収した後の地面が乾いていたのにちょっとびっくりでした。フライシートに打ち付ける雨音と、地面からの雨音とのイメージがびしょびしょだったので、テントの下のグランドが乾いていたのが意外でした。全空間で僕らは全く分かっていないと思いました。
3日目は二ツ山への急登のいきなりの展開は想像通りでした。キツイわ!
二ツ山山頂周辺。
美ヶ原ロングトレイルという名の縦走路は、まだまだ続きます。一番奥は最後のピークの鉢伏山です。
最後のピークの鉢伏山もレンゲツツジが見事でした。
だだっ広い鉢伏山山頂。
松本盆地から見える鉢伏山は立派なんですが、実際に鉢伏山付近に来ると残念な気持ちになります。その時代時代で開発されていたのでしょうが廃屋が多いですし、何よりどんな権限で入山料として一人300円の徴収なのでしょうか。
美ヶ原ロングトレイルに戻って、これはブナの木権現と言われるブナの巨木。山ノ神が祀られています。
クリンソウ
シナノキの巨木。
一番しんどかった妙な整備の登山道。まるで歌舞伎の所作のような動きが求められみぎひだりと足を動かさなくてはならなくてヘロヘロになりました。
牛伏寺ごふくじの沢は明治大正時代には禿山で、国家プロジェクトで治水が行われました。当時の写真が飾られています。信濃川に通じる治水ということだそうです。
現在の整備のニセアカシヤの処理。こんなことされたら樹は枯れます。
ヨーロッパの氷河地形の治水を参考にした階段工。ヨーロッパなんでフランスなんでしょう。実際の石積みは地元の技術だそうです。
牛伏寺のロングトレイルの終着点。
個人的にどこか達成感があった終点でした。ワンウェーで進行するロングトレイルの最後を2泊3日でこなしたというところが達成感だったのでしょう。これは共有が難しいでしょうか。2日目のテント泊が無事に済んだというのが大きいと思います。
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