2024年7月14日日曜日

蛇抜沢

先月に引き続き訪れた大井川源流のことを書きます。この時は大井川東俣林道の通行許可をもらい自分の車で入りました。以前は畑薙ダムを通過し、沼平のゲートから先は畑薙大吊橋を過ぎるとダートだったと思いますが、今は二軒小屋までほぼほぼコンクリートが敷かれています。

コンクリートの施工は順次行われていて、だいたい9割くらいは済んでいます。二軒小屋までの東俣林道です。固めると一週間くらいは通行止めになるようです。この時は二軒小屋まで20分のところから歩きました。


大井川西俣に入り、二軒小屋発電所あたりで休憩。早くも咲き始めたヨツバヒヨドリにとまるアサギマダラ。


6月25日の大井川東俣と西俣の合流点。この時は東俣に入って左岸の沢を登る予定でしたが、あまりの水量に渡渉が出来ませんでした。二軒小屋というブログ記事を書きました。

7月8日の東俣と西俣の合流点の流れ。6月25日からだいたい2週間の経過でかなり落ち着いた流れだと思いました。色が全く違い6月のそれはまさしく濁流だったんでした。

大井川西俣の悪沢を過ぎた広い河原に向かって道は整備されています。

2週間前に土砂でふさがれた左岸の枝沢。四輪駆動の車なら通れるくらい復旧されていました。

西俣ヤードと呼ばれている資材置き場。TNはトンネルでしょう。すべてリニア関連です。

右岸の尾根の末端から、悪沢と蛇抜沢の間の尾根をひと登り。標高差100mくらい登って登場した道形は、地形図にも載っている右岸の徒歩道でした。大井川西俣の上流、高山裏避難小屋に向かう小西俣と、三伏峠に向かう中俣の合流の慣合まで続いている地形図上の徒歩道ですが、どんなストーリーがあるのやら。

稜線に上がったら悪沢の流れが見えました。結構大きな沢音とともにです。

林業関係の痕跡はたくさんあります。

2280m標高点の等高線の形がとても気になり、そこにどうしても行ってみたくなりました。地形図ベースで山を歩いている人間の病気みたいなもんです。なんと!池がありました!

10×50mくらいの池でした。この辺りに精通している椹島のSさんも知らなかったという池です。

池の半分はよどんだ水にオタマジャクシがうじゃうじゃしていましたが、南側の半分はフレッシュな湧水の水が流入していてとてもきれいでした。ピンぼけですが湧水の様子です。


何て名前を付けましょう?ひょっとしたらとても有名になるかもしれません。それでも恐らく昭和30~40年代には伐採のために人が入っていたと思います。池の周りに一升瓶が転がっていましたから。

シラビソの森を蛇抜沢の標高2000m地点まで下りました。調査登山のリクエストだったからこんな変則的な内容になりました。リクエストがなければ絶対に下らないであろうひどい尾根の下降は、最後3ピッチの懸垂下降になりました。

あまりに傾斜がきつかったので、人気のカツラの木の実を見ることが出来ました。伸びすぎた魔女の爪みたいに思えました。

クルマバソウ

ちょっと増水気味に思えた蛇抜沢本流の流れ。


標高2400mくらいで幕営しました。翌朝は晴れた―!と思えたのですが、夜明けだけでどんどん標高の高いところにガスがかかってきました。


幕営地の奥に蝙蝠岳。


特に大きな滝もなく推移した蛇抜沢。沢底のあちこちに春の芽吹きが見られたのは残雪のせいです。


蛇抜沢の遡行は容易でした。蛇抜という地名は崩れに付けられる代表的な地名です。沢靴のソールはラバーでした。部分的にぬめりのせいで支持力が得られない靴底のラバーでしたが、特にフエルトでないと登れないとは思いませんでした。


段々に連続したこの滝が最大の滝でしょう。階段状に構成されていて簡単に登れました。ネット情報で40m滝と言われているようです。


下流部で南西にまっすぐに登っていく蛇抜沢、標高2650mあたりで傾斜が緩んで楽園のようになります。続きます。

 

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