中部横断道の東名清水JCT手前の下り坂からドンピシャで見えた日本平です。うっすらですが山頂の立派な電波塔も見えます。電波塔の左が最高地点の有度山標高306.9m山頂です。車でも行けるし、静岡を代表する観光地の山頂部です。こういうところが最近気になります。もう11年前に上野さんのお手伝いをした時以来の日本平です。
静岡市民ではないので、どこに車を停めるか?となりますが、静岡県立美術館の駐車場に停めさせていただきました。いちおう利用時間は大事です。様々な公共の施設がある日本平です。
国土地理院の地図がベースで行動します。ベースという意味は情報量が多くないので、Googleマップなどで補完します。ただ、地形の判断はやはり地理院地図です。美術館の遊歩道から南に下る道は地理院地図には書かれていませんでしたが、これは感みたいなもので、行ってみたらしっかり南に下るトレースがありました。
南に下りて吉田川の橋を渡ったらあった案内。
梅やスイセンが咲いていた吉田川沿いの道。
平澤寺へいたくじ、行基上人が710~13年に地蔵尊を彫刻してここに草庵を建てたのが始まりで、ついで718年にのちの聖武天皇の病気治癒を願って駿河で7体の観音像を刻み、最初の一体をこの平澤寺に安置されたということでした。
山中に多くのサイン、案内板がある日本平です。写真は静岡県のものだと思いますが、なんかとても見にくいと思ったのは方角の北を無視しているからだと思います。いちおう方位は示されていますが、場所によって違うのでわかりずらい…
平澤寺の墓地の先から山道に入ります。読み取れないけど、東とか左と頭に書かれているので道しるべだということはわかります。
小さな沢地形を越え、尾根に向かって登りになって登場する切通し。
2016年の『静岡市発行・久能山誌』という本の中に引用されている、『駿河記・詳細な実地調査を繰り返し、丹念に考証して駿河全郡を記した地誌と言われる 文政3(1820)年』の中に、『平澤寺は鎮守十二所権現が久能寺と同じ祭神を祀っており、中世には久能寺末寺の天台宗の寺院として存在していたものと思われる。本堂左側に久能山越道があったことから、久能寺の北西側入り口を守る存在であった。』。平沢から駿河湾に面した久能山へ至る、久能山越道ということなのだと思います。
えぐれた道の小さな小石が堆積した礫岩は、静岡市の西で海に注ぐ安倍川の堆積物からでしょう。丸みを帯びた小石はそのまま安倍川の河原に行けばごろごろしていそうです。長い年月をかけ隆起した日本平です。何とも不思議な切通しです。
再び道しるべ、左はお寺なのかよくわかりませんが、右ははっきりひらさわと読めます。礫岩の切通しが、いろんな里山で出会う昔の仕事道とは違う雰囲気に感じる、ということの答えが久能山越道ということかもしれません。今の久能山東照宮の久能山にあったといわれる久能寺は武田信玄によって清水に移転させられ鉄舟寺になり、久能寺は山城になり、駿府に隠居していた家康の遺言により埋葬され東照宮が創建されました。そんな時間の流れから理解できる礫岩の切通しのみちです。
近代以降様々な開発が行われてきた日本平が、いつから日本平と言われるようになったのか?2018年にできた日本平夢テラスの案内には、江戸の後半の安政年間(1854年~安政→万延→文久→元治→慶応→明治元年1868)の記録に初めて登場と書かれていました。その後、大正時代に徳富蘇峰(ジャーナリスト、思想家、評論家、歴史家)さかんに宣伝したことにより定着した日本平です。
日本平のなだらかな山頂部の一番高いのは有度山306.9mです。二等三角点のある山頂に登山道はないようです。
建築家隈研吾の作品、日本平夢テラス。
小腹がすいてお茶たい焼きを。生地にお茶が入った風味のあるたい焼きでした。
日本平の日本はヤマトタケルです。日本武尊が東征の際に野火の難にあったものの、草薙の剣の力もあって賊を平定した後、この山の頂上に登り四方を眺めたところからこの名で呼ばれるようになったそうです。右手に持っているのがまさに草薙の剣です。
日本平で一番大きな建物、日本平ホテルです。
日本平ホテルのロビーから見た富士山と清水港。まるで絵画のように素晴らしい景色でした。
サクラが咲いていました。種類はわかりません。河津桜ではないようです。
日本平のハイキングコースは東海自然歩道のバイパスルートだそうです。1974年(昭和49年)7月に完成した、全長1,697 kmの東海自然歩道はなかなか曲者ではあります。
宮加三、船越、馬走、草薙、美術館、動物園と日本平に向かうコース設定がされています。草薙コースと馬走まばせコースの分岐で見えた富士山とお茶畑。駿河湾に面した久能山東照宮側にルートがないのは「屏風谷」と言われる崩壊地で、昭和の時代にはあったハイキングコースも崩れてなくなってしまったそうで、唯一の交通手段が日本平ロープウェイだということです。
みかんの種類はわかりません。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀る草薙神社。もともと『天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)』と言われた草薙剣は名古屋の熱田神宮にあるそうです。日本書紀に、『天武天皇が病に倒れた際に草薙剣の祟りだと占われ、尾張の熱田社へ送って安置した』と書かれているそうです。
山梨県民の僕が前から気になっていた静岡で有名なスポットも行ってみました。天神屋は静岡県内だけに展開するお弁当屋さん。28店舗もあるのは静岡県が広いからでしょう。
おむすびとおでんで有名で、おでんは当然、静岡おでんです。しぞーかおでんかな?営業時間が6:00~23:00というのもコンビニ並みです。
夕食は『炭焼きレストランさわやか』のげんこつハンバーグ。こちらも静岡県民にしかわからないファミレスでしょう。静岡県内だけに展開している34店舗です。どっぷり静岡に浸った日でした。