森吉山の山行の後、せっかく北東北まで来たのだからと、八甲田山まで行ってみました。今冬最強最長の寒波がやって来る!とさかんにアナウンスされていましたが特に問題なく津軽平野に入ったら津軽富士、岩木山の出迎えでした。
酸ヶ湯は積雪4mと言われ、国道103号の両側はどこよりも高い雪の壁でした。八甲田ロープウェイで森林限界に上がって樹氷と思って行ったわけでしたが、しっかり運休…
どうもロープウェイの稼働率はだいたい5割くらいみたいで、山頂駅の強風は麓ではわからないのでなかなかだと思いました。その後ロープウェイの運行を追ってみましたが、5日間くらい動かなかったようです。
仕方がないので三内丸山遺跡に行きました。縄文遺跡の集落跡です。弘前に宿を取り、翌日弘前の街を散策して米沢に移動しました。山形県です。ちなみに夜の間の降雪は40㎝くらいだろうと言われましたが、弘前は雨の朝でした。
米沢の朝のニュースは雪、雪、雪。
道路と歩道の間にある雪の壁は、見えている車の屋根でわかると思います。右折にしろ左折にしろ駐車場や細い道から出るのは見づらいわけです。当然雪の壁から一歩前に出てくる車が多いので慣れないと難しい雪国のドライブです。
時折雪が降る中、目的を栗子山ではなく栗子隧道に変えました。前日は青森からグーグルマップに言われるままに米沢入りしました。東北自動車道を南下して福島に入り、東北中央自動車道で西進して米沢に入ったのですが、途中とてつもなく長いトンネルを通りました。知りませんでした、栗子トンネルです。8,972mで、なんと道路トンネルで全国第5位の長さのトンネルでした。そして東北中央自動車道の栗子トンネルは、山形と福島県境の栗子山を貫くトンネルの第4世代ということでした。第1世代のトンネルは1881年(明治14年)です。写真は第3世代の国道13号です。万世大路のストーリーです。
東北中央自動車道ではなく国道13号を通ると萬世大路、または万世大路というサインが出てきます。山形から福島に通じる交易の道です。
【萬世大路(ばんせいたいろ)は、国道13号のうち福島県福島市から山形県米沢市に到る区間の愛称である。現在の表記は「万世大路」であるが、ここでは区別のため以下の表記を使い分ける。
・萬世大路 :明治14年に開通した明治国道、それを引き継いだ大正国道5号→国道13号旧道
・万世大路 : 現在の国道13号 wiki 】
国道13号から栗子川沿いの道を進み、米沢砕石(株)の駐車場に車を停め、事務所で入山時刻の記入をするルールです。もちろん帰りに下山時刻の記入も求められます。
スノーシューを履いて歩きました。深いところで膝下くらい。万世大路は車も通っていた道なので、人が歩くだけのものより幅はしっかりあります。
長坂と書かれた標識。ほかのものはほぼ雪に隠れていました。
一瞬青空がのぞいたりでしたが、15mくらいの風と断続的な降雪が続きました。
栗子山の稜線は雪雲の中、稜線の向こうは福島です。
栗子隧道の米沢側です。4世代にわたって行われた栗子山の下の道路整備、人馬が物流の主役から自動車に代わって時代とともに推移していくわけです。人馬から時代を進めた人物は明治になって山形に赴任した初代山形県令 三島通庸 (みしま みちつね)の存在だと思います。県令は今でいう県知事です。藩政から明治になってすっきり山形県になったわけではないのでしょうが、三島は強引に道路整備を進め栗子山隧道を通しました。約870mの隧道トンネルは当時としては国内最長クラスだったそうで、掘削するのに当時世界に3台しかないアメリカ製の掘削機を使ったといわれています。
栗子隧道の扁額。萬でも万どちらでも良いのですが、なんでそんな仰々しい名前の道なのかというと、【1881年(明治14年)10月3日に明治天皇の行幸を迎えて開通式を挙行した。天皇は福島県側も含めたこの新道に対し、翌明治15年に「萬世ノ永キニ渡リ人々ニ愛サレル道トナレ」という願いを込めて「萬世大路」と命名した。wiki 】ということです。道路整備の最先端の隧道だったのでしょう。天皇陛下に頂いた名前の道です、有難みは今では考えられないくらいの影響があったと思います。米沢にも福島にも万世という町名があるくらいです。
栗子隧道の入り口は雪壁になっていました。ロープを持ってて良かった~!
ネットの情報だけでは実感できない万世大路です。1972年(昭和47年)には落盤が起きて閉じられた隧道だそうです。なので半世紀前の道を歩いてきたことになります。
隧道の中の氷筍を目当てっていうのもあるそうです。タケノコのような氷です。
羽州街道や奥州街道とはちょっと外れていますが、万世大路、おもしろかったです。福島に出た東北道は太平洋側の天気になるのでばっちり青空でした。それでも奥羽山脈は荒れた天候の様でした。安達太良山方面の写真です。
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