昨年、2024年に世界文化遺産に登録された佐渡金山ですが、もう一つの目玉はトキでしょう。繁殖期に入っているニッポニアニッポンです。
佐渡と言えば大佐渡縦走となります。やはりガイド登山では大佐渡の稜線にあるドンデン山荘に泊まって早朝出発が定番です。今回はそのドンデン山荘の予約が出来てから様々な予約を押さえました。両津港に着いてはじめの予約はタクシーでした。運転手のおじさんがこんなに目立つネームプレートを持って迎えに来てくれたのには驚きました。ちなみに新潟交通佐渡というタクシー会社でした。
多少のアクシデントがあって、ドンデン山荘に着いたのは夕方。それでもということで裏山のドンデン山に登りました。写真のピークはドンデン山の北にある尻立山です。
篆書体(てんしょたい) の御料局三角点がドンデン山にもありました。佐渡の山々、江戸時代は幕府の直轄地で、明治になり皇室の御料林になりました。その時に設置された宮内省御料局(皇室の領地を管理する部署)の三角点。味わいのある字体です。
ドンデン山荘
ドンデン山荘の宿泊予約はとてもハードルが高いと勝手に思い込んでいたみたいです。実はそんなことはなくて、もっと気軽にコンタクトを取ればいいのかな?と思いました。気が重くなるくらい5月のフラワーシーズンの佐渡は混みます。あくまで登山者目線ですけど。男性は僕だけだったのでこの広い部屋でした。
前夜からの雨は激しく降ったのですが、朝には止んで無事に出発。
この春は各所で雪の多さが指摘されていますが、ここ佐渡でもそうで、雪に押されて倒れた枝がとても邪魔な登山道でした。何より目的の花々が1~2週間は遅れている感じでした。
雪が融けたところから春はやってきます。形の良いザゼンソウ。
大佐渡の稜線。
今までは気が付かなかったのですが、サイズは小さいですがアリ塚です。[エゾアカヤマアリ]というアリのものです。超攻撃的なアリで、刺すことはありませんが”蟻酸(ぎさん)という毒をお尻から飛ばし、これが皮膚に付着すると炎症を起こすそうです。ドンデン山の北にある金剛山の山頂はエゾアカヤマアリのアリ塚に覆われていて、金剛山だけの話しかと思っていたら大佐渡の稜線にもいたわけです。
オオバクロモジの花。大葉黒文字という和名です。太平洋側のクロモジより葉っぱが倍くらい大きいので大葉ということらしいです。太平洋側より日照時間が短いので、より光合成をするために大きくなったという説です。
少しづつ青空も出てきました。
雪が融ければ起き上がる木々です。締まった雪ではありますが、踏み抜きとか崩れには注意ですし、場合によっては起き上がる枝でむち打ちなんてこともあります。
フッキソウ 富貴草 常緑でよく茂ることからのネーミング。
ユキワリソウ(雪割草・オオミスミソウ) 大三角草 三角草は葉っぱに3つのとんがりがあるから。
カタクリ 片栗 佐渡のカタクリの葉は緑一色、長野や新潟で見られるような斑が入っていません。
残雪に半分覆われたあやめ池。
あやめ池から雪の斜面は標高差約北100mです。金北山手前の難所です。雪が多かったので下部の灌木帯が埋まっていて助かりました。
花の時期にはこのトラロープが設置されます。念のために軽アイゼンを着けました。
トラロープの急斜面が終わっても、すぐに山頂というわけにはいきません。金北山山頂手前まで残雪が残ります。国仲平野と加茂湖、両津港が見えています。
山頂の三角点は驚くところにあります。
雪が融けたところから春になります。フキノトウが凄いのは雪国ですね。
山菜のコゴミもたくさん生えていました。
最後は防衛相管理道路という林道を歩いて白雲台に下りました。事前に予約していたタクシーが待っていてくれました。加茂湖近くの宿や夕焼けの美しさをアピールしていましたが、その通りの夕焼けを見ることが出来ました。
夕食のズワイガニ
佐渡3日目の朝日です。朝5時から行動したのはトキの観察です。田植え真っ盛りの水が張られた田んぼが輝いていました。
振り返ると水面に大佐渡縦走路映っていました。一番高いのが金北山です。
この時期のトキは繫殖期に入っていて、雑木林にコロニーを作っています。雑木林から夜明けとともに餌場に飛んでいくときの姿を見ることが出来るという狙いはドンピシャでした。足の短い(サギのようなシャープさがない)どこかずんぐりした説きを8羽も見ることが出来ました。
トキの越冬する国仲平野の田んぼにも行きました。
レンタカーで移動して、小佐渡の里山にある「佐渡トキ保護センター観察棟」の巨大なケージです。必ずトキが見られる施設ですし、観光バスは入れないので静かに観察できます。
佐渡トキ保護センター観察棟の入り口。現在佐渡島には600羽を越えるトキがいるそうです。
佐渡の最後は世界文化遺産に認定された佐渡金山。江戸~明治~大正~昭和と推移した坑道を歩きました。
動遊の割戸です。江戸時代の露天掘りの跡で、V字に割れたツインピークが佐渡金山のシンボルです。
道遊というのは鉱脈につけられた名前のようです。江戸時代に手掘りをするのに優良な鉱脈だったそうです。少し北から、大切山坑から見た道遊の割戸です。
佐渡奉行所跡です。採掘した金の精錬と大判小判作りが行われていた重要な場所です。
江戸時代に奉行所(ぶぎょうしょ)に設けられた現在のいと言える白州。なんでひれ伏しているのか?気分は悪くなかったんですけど…
佐渡相川の金山の門前町と言える京町通です。2泊3日の佐渡の山行もグランドフィナーレみたいな流れです。
最後の食事は京町亭。スタンダードなカレーも佐渡金山を表現していて、エア椅子が2つ盛られているのは佐渡金山のシンボル道遊の割戸です。
スポンジに金箔がふりかけられ
小さなクッキーは佐渡島の形。
相川から両津港に移動してジェットフォイールに乗船。普段自家用車での移動がほとんどの僕には、決まった時間での移動は苦手です。遅れたら目も当てられないわけで、むちゃくちゃ緊張していました。それでも船に乗ってしまえばホッとします。のんびり窓の外にドンデン山が見えて佐渡島を離れました。
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