2016年1月6日水曜日

三条の湯

埼玉に野暮用があり、お昼から翌日の夕方まで時間が出来たので、以前からとっても気になっていた雲取山のふもとの三条の湯に行ってきました。青梅街道を山梨に向けて国道411号線をひた走り。奥多摩のランドマーク、小河内ダムです。ダム湖の名前は奥多摩湖。


多摩川の奥、丹波川の支流、後山川沿いの林道歩きです。国道から8Kmくらい歩いて林道は終わります。昔は自由に入れたのですが、今は入り口から2㎞のところの片倉谷出合いにゲートがあり一般車は入れません。ゲート手前に十分な駐車スペースがあります。


 退屈な林道歩きでも、こんなワサビ田があったりするとワクワクします。


奥多摩から山梨県の一之瀬高橋にかけての多摩川の源流地帯は、東京都の水源の森です。先月恩賜林という記事を書きました。山梨における山林の半分を占める森がどうして恩賜林になったという歴史的な経緯でした。そのこととは全く別に、首都東京の水源確保を目的に、明治の後半、丹波山村、小菅村から買収したり、山梨県に払い下げを申し出たりした東京でした。東京都水源林の始まりは明治時代だったのです。以来現在まで営々と管理整備された森が広がっている多摩川源流です。豊かな森は、ブナやミズナラなどの自然林が7割にものぼるといわれています。


林道終点から青岩谷に架かる橋を渡って、よく整備された登山道を行きます。カンバ沢、三条沢、青岩谷が狭い範囲で前後して合流するところ。三条というネーミングはそんな地形の特徴からつけられたのでしょう。沢の蛇行と、急な尾根でちょっと複雑な地形です。三条沢の沢底のテント場が見えたら、小屋はすぐです。


本当に急な斜面に建つ建物。
由来~200余年前、丹波山の猟師が傷を負ったシカを追いかけたところ、そのシカが湧出している鉱泉に傷口を浸して、まるで治療をするかのような様子に出会った。以来、無人の小屋と浴槽が設けられて、誰でも入れるようになっていた。創傷、冷え症、胃腸病、皮膚病、神経痛、リュウマチ等に特効があった。ところが、大正2年の大水で流出してしまった。その後、東京都水道水源林丹波山出張所 所長山路勝輝と丹波山村の大下孟一が再興した。小屋の食堂の額縁より。


小屋の受付をしようと思ったら、軒先で発見。鹿のもも肉を生ハムにしているところ。親父さんは猟師でもあるということです。


ここの楽しみはなんといってもお風呂でしょう!鉱泉です。水温はだいたい10度。当然加温しないと入れません。


野趣あふれたというわけでもありませんが、山の中でお風呂に入れるというのはやっぱ特別でしょう。アルカリ泉質のお湯は、肌がつるつるしてとっても気持ち良かったです。


食堂のストーブ。


夕食のメインはシカのロースト。


小屋番の北畠靖敏さん。気さくに三条の湯のことをいろいろ教えてくれました。


翌朝の朝食は、ちょっとお正月。盛られたわさび漬けはかなり辛い物でした。普通のやつよりもたくさんわさびを使うそうです。辛さが心地よかったです。


雲取山向かって登り初めて出会った山の神の祠。しっかりお餅が供えられていました。


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