黒部立山アルペンルートの信州側の起点、扇沢です。この日の始発7:30に合わせて山梨を5:00前に出発しました。
切符売り場の開くのが7時くらい。たくさん並んでいましたが、受付が3人体制でスムーズに流れました。早い時間なので一般の観光客の団体さんがいなかったからだと思います。
トロリーバスに揺られ15分くらい。何の苦労もなく黒四ダムに到着。なんだかんだ言っても大迫力です。
まだ朝飯を食べていなかったので、ケーブルカーに乗って到着した駅でかけそば550円。
ロープウェイからの後立山の眺め。
もう一回トロリーバスに乗って到着の室堂。正面が立山です。
みくりが池がきれいでした。
去年工事していた遊歩道が完成していて、奥に雷鳥沢ヒュッテが見えます。右下の雷鳥沢キャンプ場を目指しています。キャンプ場を過ぎて浄土沢を渡ります。
浄土沢の橋。
新室堂乗越へ向かう登山道の木道。雷鳥沢の登山道は別山乗越に直接行きますが、左から巻くように新室堂乗越経由でも時間はあまり変わりません。新室堂乗越のほうが傾斜がなくて優しい登山道。
お花畑はすっかり終わっていました。存在感があったのがチングルマの綿毛。
アップにしてみました。
タテヤマリンドウは咲きはじめ。
なんとオコジョ登場!
剣御前小屋のある別山乗越を越えて、いよいよ剣沢を下りました。見えているのは剣沢小屋の赤い屋根と前剣のピーク。
ここからが本題です。今年は冬から雪が少ない、雪が少ないといろんなところで言われてきました。剣沢も御多分に漏れず、非常に危険な状態です。残雪がしっかり残っていれば、アイゼン付けて軽快に歩けるところですがそれが叶わないということです。剣沢小屋から真砂沢ヒュッテまで、一般登山道ではありませんというのが現在の状況です。一応右岸に登山道は整備されましたが、細い踏み跡と、ロープや梯子のルートです。
剣沢小屋からの出だし。奥は八ツ峰。
マーキングはしっかりされています。残雪がなかなか出てきません。
右の斜面につけられた夏道。やっと出てきた残雪。
近くで見ると崩落したばかりの残雪。いつ崩れてもおかしくない状態だということです。
平蔵谷出合。
滑り落ちそうなスラブにはフィックスロープが張られています。
毎年雪がなくなったころに整備される夏道のアンカー。様々ですが、時代を物語っているアンカーのオンパレードでした。岩にくさびを打ち込んでも雪の重みで抜けたり曲がったりしてしまいます。
圧巻の橋!本当にありがたい整備です。
アンカーはしっかりしていたので、ちょっと怖いけどゆっくり慎重に渡れば大丈夫です。
剣沢の雪渓の状態。常に融けて変化して、おっかなくて上にあがれません。
クレバス
長次郎谷の出合。
長次郎谷をしばらく登りました。もちろんアイゼン付けてです。熊の岩まで半分くらい来たところでなんか先が不安になり、左側のスラブ帯に乗っかりました。雪渓から離れたということです。案の定ブロックが崩壊していました。こういうのは現場の感覚です。誰も教えてくれません。岩場と雪渓が離れているので、容易には渡れないし、落ちたら命がいくつあっても足りません。
スラブ帯には小さなケルン。ロープをつけるほどではない傾斜でした。
右の左岸をずっと登って正面の熊の岩を目指しました。台形の岩の上がテント場です。
源次郎尾根の小さなルンゼ(急峻な沢のこと)を見るとブロック崩壊の残雪。
熊の岩に無事到着。岩峰は八ツ峰です。ここは水もあって、10張以上テントが張れて落石の心配がない場所です。普通はここから八ツ峰の岩壁にクライミングするクライマーが泊まる場所というイメージですが。
剣沢から長次郎谷に入って剣岳に登るルートはとても有名です。映画「点の記」のルートです。
「点の記」のルートは、明治の測量隊が登頂を遂げたルートで、長次郎谷の雪渓を詰めて、北方稜線から剱岳の本峰に辿るルートです。雪渓は、取り付きからコル(長次郎のコル)までというのが例年ですが、今年は熊の岩から先はありませんでした。標高差1000mあります。
このコースは、その年や時期の雪渓の状態によって難易度に差がありますが、バリエーションルート(入門)とされています。
宇治長治郎という名ガイドが剣岳測量隊を案内して、剣岳に登ったら人の痕跡があったという有名な話です。長次郎谷は宇治長治郎からつけられた地名です。
以前こんな記事も書いてます。⇒こちら
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