戸台大橋に向けて車を走らせています。午前8時前後。真夏の太陽がギラギラしていました。梅雨明け宣言はあったものの大気の状態が不安定で天気予報は二転三転、難しい判断が迫られるかな?と思っていましたが、何とか良い条件で登ることが出来ました。山のアプローチっていろんな理由から選ばれると思いますが、最短で鋸岳に登れますよ!という今回。北沢峠行きのバスに戸台大橋から乗り、丹渓新道から角兵衛沢にアプローチするというものです。
一番奥に見えるシルエットが鋸岳です。ギザギザした甲斐駒ケ岳の西にある山です。
南アルプス林道(南アルプススーパー林道という昔の名前)、丹渓新道のバス停から見た鋸岳。右に第二高点、左に第一高点、真ん中のへこみが小ギャップ。プチッと鹿の窓が見えています。白く抜けた感じになってます。伊那市から北沢峠行きのバスの運転手さんは、周辺の自然解説をし丁寧にてくれて、丹渓新道バス停手前では必ず鹿の窓を教えてくれます。
丹渓新道の下りの樹林帯を抜ける直前。向こうは藪沢です。仙丈ケ岳に登ると出会う、藪沢カールや藪沢大滝の下流ということになります。
北沢峠行きバス-丹渓新道-角兵衛沢出合というコース、3回渡渉をします。渡渉の難しさは水量次第。今回は全く問題ない水量です。ちなみに去年は壮絶でした。こちら
これは3回目の渡渉、何度も登山靴を脱いだり履いたりで、えいやぁーっとジャンプしていただきました。転ばないように注意してくださいということですが、その程度の水量だったということです。
樹林帯の急登をこなして、角兵衛の大岩にいいペースで到着。西日が当たってやったら暑い日で、テントが張れませんでした。翌日第一高点に朝一番に取りつくため、ここにテントを張るのがいいんです。
大岩下の岩小屋といわれる、100mはあろうかと思われる角兵衛の大岩の付け根にあるえぐれたテントスペース。ここの魅力はこの染み出しのような水場。冷たくておいしいんです。
アサギマダラがしばらく遊んでいきました。
大岩下の岩小屋をまだ暗いうちに出発。どんどん明るくなり、中央アルプスに陽が当たり始めます。左端に見えるのは恵那山です。
大岩下の岩小屋は角兵衛沢の左岸にあります。角兵衛沢の左岸をそのまま登っていくと、カラマツとダケカンバの樹林帯に入って、ジグザグに切られたトレースを登ります。一度角兵衛沢が狭くなったところを通過すると、再び沢が広がって、左岸から見て左側にダケカンバが3本くらい見えるようになったら右岸にトラバース。浮石だらけの岩屑の中を登ります。
角兵衛のコルを通過して第一高点。暗いうちに登り始めたので天候がまだもっています。展望が素晴らしい!第二高点の向こうの雲の中に甲斐駒ケ岳。右奥のとがったピークが北岳。
遠くの八ヶ岳と雨乞山、手前の大岩山と右に伸びる日向八丁の尾根。
第一高点山頂付近から見た角兵衛沢。真ん中の筋のようなところを下ります。
角兵衛沢の下り。やっぱりこの岩屑を下ったということを誰かに伝えたくなります。簡単ではないルートだからです。
角兵衛の大岩に戻ってきました。枯れたカラマツの大木が目印で、そこで左に曲がって、ちょっと行くとおいしい水がある岩小屋に着きます。この岩小屋見つけられないで通過してしまうパーティーが意外に多いです。
下から見た大岩の左端、去年とは明らかに違う痕跡がありました。下の写真の奥に草付ではない流れているような跡が見えました。
その場所まで行ってみて上を見上げると、壁の、角兵衛の大岩の右端のルンゼの水の流れの痕跡がわかりました。大岩下の岩小屋の下から見た右側です。落石が頻繁に起きていました。注意してください!写真の真ん中のルンゼです。
岩小屋を出てしばらくして雨が降り出しました。
戸台河原に出ると、もうフィナーレですが、冷たい戸台川の流れの中に素足を浸すのはとっても気持ちいいです。アイシング。
戸台の河原、道しるべはたくさんありますが、五感を働かせてください。人の痕跡を探しながら歩くことになる2時間の行程。角兵衛沢が終わっても山行は終わっていないという意識で、頑張って戸台河原を歩いて下さい。お疲れ様でした!
戸台のバス停から戸台河原の駐車場までは意外に距離がありますが、廃業した丹渓荘経由でなくても、この看板をまっすぐ行けば、戸台大橋に15分くらいで行けます。この情報は意外に知られていません。山はやっぱトータルでとらえたいですね。登って下るということをアクシデントなしで完結したいということです。
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