二子山は秩父にある石灰岩の、東岳と西岳の双耳峰です。
一般的に奥多摩、奥武蔵、奥秩父、西上州、というようなエリアの分け方があります。それは県境や市町村の境のような明確な線が地図に書かれているわけではありません。今回二子山西岳に登って北側の展望が素晴らしかったのですが、その景色を見ながら二子山は秩父の山だ!と実感したのでした。その北側には個性的な西上州の山々が広がっていたわけでした。後で地図を見てみたら、西岳の西に埼玉と群馬の県境でした。はじめての二子山だったのですがおススメの山です。いろんな意味でちょうどいい山です。
クライマーが二人ぶら下がっています。これも二子山です。クライミングの山でもあります。登山道をちょっと外すと行けるクライミングゲレンデ。
股峠。なんとも面白い名前の峠です。東岳と西岳の間にあたる峠です。双耳峰の東峰と西峰は足に当たるという発想でしょうか!?
僕らは南側の登山道を登って着いた股峠。反対の北側から大きなザックを背負ったクライマーがぽつぽつ登ってきました。林道の駐車スペースから10分くらいで股峠に着くと言ってました。まずは東峰に登ります。
泥っぽく湿っぽかった登山道。石灰岩は濡れているととても滑るので注意しなくてはなりません。張り出した岩が通過しにくかったところ。鎖が設置されていますがバランスが取りにくいところです。
有難かったステンレスのステップ。このステップのおかげで上手くバランスが取れます。
東岳山頂。地形図にも1122m標高点として記されています。
東岳から見た西岳。東岳を辞して股峠に戻ります。
尾根続きの百名山、両神山が目の前です。左の一番高いのが山頂で、そこから右側に激しいデコボコの稜線が見えます。山頂から八丁峠へ至る稜線で、鎖場が連続する難コースとして有名で、八丁峠から西にさらに進むと赤岩尾根です。
股峠から西岳へは一般ルートを登りました。一般ルートともう一本上級者ルートというのがあり、たまたま登っているパーティーの様子からロープでしっかり確保しなければ登れないようでした。
二子山西岳山頂。三角点があります。点名は二子山です。
雨による浸食でしょう。石灰岩です。
独特の石灰岩。
昭和59年操業が始まった叶山鉱山。白い石灰岩の採掘されたところは平らに見えます。その平らな部分の今の標高は970m前後、古い地形図によるとその場所に1106.3mの三角点ピークがあったようです。その形は二子山のような形に見えます(古い地形図の等高線からです。)。双子ちゃん(二子山)ではなく一人っ子だったようですが。そのなくなってしまった叶山の名前を冠した石灰岩採掘の鉱山です。ちなみに、地形図にはこの鉱山から茶色の破線が書かれています。「秩父太平洋セメントベルトコンベアー」です。叶山鉱山で採掘された石灰岩は山の中に掘られたトンネルを通ってベルトコンベヤーで運ばれているということです。
東岳を股峠からピストンして西岳に縦走して来て、ふたつの尖がりの最後はどんな展開になるんだろう?どうこの急傾斜を克服するんだろう?と思っていたら、うまく岩場の弱点を突いて高度を下げました。
とは言ってもこんな垂直の岩場も登場します。ポイントになるスタンスが微妙なところには、東岳の岩場と同じステンレスの足場が設置されていました。
魚尾道峠(よのおみちとうげ)から縦走した岩稜を見上げます。魚尾(よのお)というのは郡馬側の集落の名前で、西岳の西側の峠は秩父と群馬県の神流川(かんながわ)沿いの集落を結ぶ重要な峠だったようです。
そんなことを感じさせる炭焼きの釜の跡。
長くもなく短くもなく、特別な感じの緊張感を伴う岩場が連続、そんなかんだでちょうどいい感じの二子山という感想でした。写真の右が東峰、左が西峰。これだけ見るとどこを登って下るんだろうという感じではありますが。
ちょうどいい山行の帰りには、お気に入りの日本一のセツブンソウを見に行きました。
この花好きなんです!
秩父小鹿野町堂上のセツブンソウ園です。
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