2017年12月24日日曜日

安倍奥の山

安倍奥というのは安倍川流域の山を指します。大谷嶺・八紘嶺・安倍峠が源流です。一番高いのは山伏やんぶし2013m。写真は安倍川の支流の中河内川、何処にでもありそうな名前からか、安倍中河内川あべなかごうちがわ と呼ばれることもあるようです。


中河内川の中流の奧仙俣集落下の吊り橋。


急な依頼で出かけました。奥仙俣から稜線に登って、仙俣川が本流の中河内川に出合う上落合の集落までのやぶ尾根の縦走。僕も初めての場所で日帰りが絶対条件。この稜線上には二王山や見月山というピークが地元の方には馴染みある名前でしょう。


なかなかの吊り橋。一人づつ渡ったのは言うまでもありません。


標高約550mの登り出しから、標高約900mまで登ったら伐採地で展望が開けました。


ずっと樹林帯なので貴重な展望地でした。北の山伏方面を眺めています。稼いだ標高のまま深く切れ込んだ谷が奥深さを感じ、とてもうれしかった展望地でした。


主稜線に上がると様々な案内がされていますが、トレースはとても薄いのでやぶ尾根を歩く感覚がないと道迷いはすぐ起きると思います。もちろん読図実践の現場です。


それでもきれいな冬の前。


メインは杉ヒノキの植林地です。暗いしどことなく不気味な森です。ずっと続きます。


上の写真の位置を枝先で示してみました。


死んだような森ですが、ぬた場がありました。


ぬた場を地形図上で枝先で差しています。


尾根の分岐の急傾斜。ずっとこんな景色です。


炭焼きの跡。ここで炭焼きをしていた頃は今とは全く違う景色だったと思います。杉ヒノキの森ではなかったということです。


県道27号線が見えてきました。この県道は口坂本を経て井川に通じる道でもあります。なんとも地味な山が終わりました。お疲れ様でした。


いかにも駿河の景色のお茶畑です。


2017年12月23日土曜日

三岳山

三岳山みたけやまは、浜松の北の里山です。静岡は広い!と実感できる距離感を移動して日帰りで行って来ました。静岡県教職員互助組合の皆様との山行です。年2回、ここのところ続けてお手伝いさせていただいています。人数が40人くらいの参加者なのでサポートガイドとしてです。


スマートインターから目的の三岳山が見えました。風力発電の風車が何基も。新東名を走っていて近づくにつれはっきりわかりました。風車の存在です。


三岳山は奥の山です。集合してオリエンテーション。引佐町(いなさちょう)、井伊谷(いいのや)、兎荷山410m(とっかやま)、立須(たちす)、外せない地名は事前に調べておきました。だいたい引佐いなさが読めませんでした。


遠江とおとうみ、駿河するが、伊豆いず、とそれぞれの地域性を持っている静岡県です。その違いを実感することは中々難しいのですが、今回は遠江(遠州えんしゅうという言い方もします)の山です。新東名で走ってくるとわかりますが、遠州に入るとそれまで駿河はお茶畑ばかりでしたが、とたんにお茶はなくなってみかん畑その他が広がります。みかんを眺めながら登山開始!


みかん畑だけではありません。中腹の畑にこんな切株。農業の範疇ですが、野菜くだものだけではない農産物です。花きという括りで切り花に代表されるような花々ではなく、切り枝と呼ばれるものです。生け花の脇役ですが、大事なもののようです。統計的にはこの切り枝作付面積、静岡県は日本一の産地だそうです。


尾根道に出て登場した三角点。点名「兎荷とっか」。北の集落の名前が引佐町いなさちょう兎荷とっかです。


フユイチゴは甘かった。甲府盆地では出会えません。


ミヤマキシミ(深山樒)、ミカンの仲間なので、葉っぱをこすると柑橘系の香り。ただ毒です。


山頂直下はなかなか厳しい登りでした。


もうちょっとの山頂のこの解放感はなかなかいいもんです。


大展望の三岳山山頂。浜松の街がバッチシ見えました。


 山頂三角点点名「三岳村」三岳村は山頂の南の地名です。今は引佐町いなさちょうです。


新東名から見えた風力発電の風車の下に来ました。


立須の岩場です。立須(たちす)です。この周辺から突然石灰岩の地質登場です。


とてもユニークな場所でした。石灰岩がわかり易く風化していて、その岩の様子がこれでも可ってくらいゴツゴツでした。数キロ離れた所には鍾乳洞もあるようです。


わかりにくいけど、浜名湖です。


里山です。地元の岩石を利用して生活します。石垣が石灰岩で出来ていました。


ユーカリの木の仲間です。これも切り枝で出荷されると思います。


三岳の集落。


琵琶も収穫されるようです。花が咲いていました。


出発点の運動公園に戻って来ました。今日登った山がバッチシ見えました。


城ケ崎海岸

僕は静岡山岳自然ガイド協会所属です。50人を超えるガイドが所属している日本山岳ガイド協会の下部組織です。それぞれのガイドのスキルアップを目的に月いちでいろんな研修が行われます。この日は城ケ崎でクライミング。富士山の裾野を回って伊豆半島へ。冷え込みが心配されたので慌ててスタッドレスタイヤに変えました。写真は愛鷹山の夜明け。


城ケ崎に向かう途中、沼津アルプスが見えました。駿河湾のすぐ横のでこぼこの隆起は特徴的です。伊豆半島に向かうに富士山の西を回るか、東の山中湖から行くか。だいたいはGoogleマップをタブレットで開いて車を走らせます。


大室山。この研修は去年も同時期に行われています。去年は降雪直後で雪の中でした。


講師はクライミングインストラクターの富永浩司さん。山岳、登山ガイドとは違うクライミングに特化したガイド資格です。富永さんかなりのギアマニア。ビレーデバイスがこんなにケースから出てきた時はびっくりしました!


いわゆる安全環付カラビナ、目的に応じて次々と新しいものが登場しています。これはカラビナのゲートがマグネットで2段階でオープンするゲートです。加えてある程度固定できるようにカラビナの中に別なゲートともいえるバネが着いたワイヤーが見えます。この手のカラビナは様々なものが毎年登場するので、使いやすいものを見定めるのが難しいチョイスになります。クライミングインストラクターで、ギアマニアの富永さんの講習はある意味道具の見定めにも役立つ有り難いものだったりします。


はしだて吊り橋の下がファミリークラックエリア。フリークライミングのエリアとして城ケ崎海岸が不動の地位を確立したのは1980年代。その初めのころに開拓されたエリア。開拓者がルートの名前を付けますが、マザーとかファザーとかブラザーというまるで家族がいっぱいみたいなルートが並んでいるエリアです。グレード(クライミングの難しさの度合い)的にはやさしいルートが多いエリアです。


柱状節理が顕著な城ヶ崎海岸は、約4000年前に噴火した大室山火山の溶岩が海に流れ込んで出来と言われています。岩壁の下の方が白っぽいのは、磯が波で引いて現れた部分が色が違うということでした。


ファミリークラックエリアのルート図。柱状節理の岩の割れ目を登るのがクラッククライミング。


伸縮性のないテープ。クラッククライミングで手の甲を守るために使います。


ジャミングというテクニック。岩の割れ目に手を差し込み、ねじったり握ったりして体重を保持する方法です。岩の割れ目もサイズがいろいろです。サイズによってフィンガージャム、ハンドジャム、フィスト(げんこつ)と呼び方が変わります。足をねじ込むのはフットジャムです。


岩の割れ目の中の出っ張りをつかむわけではありません。文章にして説明する自信はありませんが、例えばぐーちょきぱーのぱー、指を閉じてください。そうすると空手チョップみたいになります。そのまま岩の割れ目に手を入れます。クラック(割れ目)のサイズにもよりますがここではわかり易く、そのままだとスカスカですが、親指を手のひらのほうに曲げます、そして残りの指の付け根の関節を折り曲げ、そのままグッと握りこぶしに力を込めるように力を入れます。それに体重をかけるとあ~ら不思議・・・しっかり決まるとぶら下がれるくらい支持力があります。それがジャミングです。


この日の研修でトライしたルートは、全てジャミングが出来ると楽に登れるという内容でした。フットジャムが決まらなくて厳しかったという方も。足は、つま先をどこかの岩の出っ張りに置くのではなく、つま先をねじってクラックに入れて体重を掛けます。


ロープがあるのでこんなことも出来るわけです。


ハンドジャム決まったでしょうか?


この日の自分の課題のひとつ。確保器です。(変な日本語) ロープでクライマーを確保するためのビレイデバイス。ペツルのルベルソ4と言いますが、こいつを使いこなすことでした。


波の浸食と柱状節理。


約9㎞にわたる城ケ崎海岸です。クラックはいくらでも続きます。


バンテージを外したら蝉の抜け殻のようで面白かったです。


天気予報は午後3時からの降雨。ドンピシャで当たったのにはびっくりしました。岩が濡れてしまったらおしまいのフリークライミングです。