2017年12月23日土曜日

城ケ崎海岸

僕は静岡山岳自然ガイド協会所属です。50人を超えるガイドが所属している日本山岳ガイド協会の下部組織です。それぞれのガイドのスキルアップを目的に月いちでいろんな研修が行われます。この日は城ケ崎でクライミング。富士山の裾野を回って伊豆半島へ。冷え込みが心配されたので慌ててスタッドレスタイヤに変えました。写真は愛鷹山の夜明け。


城ケ崎に向かう途中、沼津アルプスが見えました。駿河湾のすぐ横のでこぼこの隆起は特徴的です。伊豆半島に向かうに富士山の西を回るか、東の山中湖から行くか。だいたいはGoogleマップをタブレットで開いて車を走らせます。


大室山。この研修は去年も同時期に行われています。去年は降雪直後で雪の中でした。


講師はクライミングインストラクターの富永浩司さん。山岳、登山ガイドとは違うクライミングに特化したガイド資格です。富永さんかなりのギアマニア。ビレーデバイスがこんなにケースから出てきた時はびっくりしました!


いわゆる安全環付カラビナ、目的に応じて次々と新しいものが登場しています。これはカラビナのゲートがマグネットで2段階でオープンするゲートです。加えてある程度固定できるようにカラビナの中に別なゲートともいえるバネが着いたワイヤーが見えます。この手のカラビナは様々なものが毎年登場するので、使いやすいものを見定めるのが難しいチョイスになります。クライミングインストラクターで、ギアマニアの富永さんの講習はある意味道具の見定めにも役立つ有り難いものだったりします。


はしだて吊り橋の下がファミリークラックエリア。フリークライミングのエリアとして城ケ崎海岸が不動の地位を確立したのは1980年代。その初めのころに開拓されたエリア。開拓者がルートの名前を付けますが、マザーとかファザーとかブラザーというまるで家族がいっぱいみたいなルートが並んでいるエリアです。グレード(クライミングの難しさの度合い)的にはやさしいルートが多いエリアです。


柱状節理が顕著な城ヶ崎海岸は、約4000年前に噴火した大室山火山の溶岩が海に流れ込んで出来と言われています。岩壁の下の方が白っぽいのは、磯が波で引いて現れた部分が色が違うということでした。


ファミリークラックエリアのルート図。柱状節理の岩の割れ目を登るのがクラッククライミング。


伸縮性のないテープ。クラッククライミングで手の甲を守るために使います。


ジャミングというテクニック。岩の割れ目に手を差し込み、ねじったり握ったりして体重を保持する方法です。岩の割れ目もサイズがいろいろです。サイズによってフィンガージャム、ハンドジャム、フィスト(げんこつ)と呼び方が変わります。足をねじ込むのはフットジャムです。


岩の割れ目の中の出っ張りをつかむわけではありません。文章にして説明する自信はありませんが、例えばぐーちょきぱーのぱー、指を閉じてください。そうすると空手チョップみたいになります。そのまま岩の割れ目に手を入れます。クラック(割れ目)のサイズにもよりますがここではわかり易く、そのままだとスカスカですが、親指を手のひらのほうに曲げます、そして残りの指の付け根の関節を折り曲げ、そのままグッと握りこぶしに力を込めるように力を入れます。それに体重をかけるとあ~ら不思議・・・しっかり決まるとぶら下がれるくらい支持力があります。それがジャミングです。


この日の研修でトライしたルートは、全てジャミングが出来ると楽に登れるという内容でした。フットジャムが決まらなくて厳しかったという方も。足は、つま先をどこかの岩の出っ張りに置くのではなく、つま先をねじってクラックに入れて体重を掛けます。


ロープがあるのでこんなことも出来るわけです。


ハンドジャム決まったでしょうか?


この日の自分の課題のひとつ。確保器です。(変な日本語) ロープでクライマーを確保するためのビレイデバイス。ペツルのルベルソ4と言いますが、こいつを使いこなすことでした。


波の浸食と柱状節理。


約9㎞にわたる城ケ崎海岸です。クラックはいくらでも続きます。


バンテージを外したら蝉の抜け殻のようで面白かったです。


天気予報は午後3時からの降雨。ドンピシャで当たったのにはびっくりしました。岩が濡れてしまったらおしまいのフリークライミングです。



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