2018年8月24日金曜日

池平山北峰

池平山北峰に登るためにやってきた池の平小屋の朝は雨でした。去年登れなかったのは自分たちの計画に無理はなくただ単に天候が悪かったからでした。この日は時間をずらせば回復する天候ということはわかっていました。あさイチでの出発を4時間もずらして登り始めました。


出発したといっても完全装備(雨具を着て)です。 写真の通り展望もありません。


完全に回復したわけではない天候でも、登って下ることを考えたらもう待てない時間になっていました。池平山に登った後、翌日のことを考えて真砂沢ロッジに移動する予定でしたが、それをキャンセルして池平山に登ることだけに集中しました。


登り始めてすぐに雨はやみましたが、草木の雨だれでびっしょりです。顔や腕や足に触れる葉っぱなんかをじっくり観察していると、ふれる葉によりかなりの違いがあることがわかります。濡れる度合いです。透湿性の雨具を着ているとはいえ、雨具なしのほうが快適です。加えて雨のあと急速に気温が上昇しました。写真はミヤマハンノキで、雨粒を葉っぱに残すことなくすぐに乾く葉っぱでした。


そして勘弁してほしいと思うほどの葉っぱたち。写真を見ただけでたっぷりの水滴がわかると思います。これらをかき分けて歩くときは雨具を脱ぐことはできません。クロマメノキ、細かな起毛があるためか葉っぱの保水力半端ないです。


カライトソウの葉っぱにも水滴がいっぱい。


チングルマの綿毛にも水滴がたまっていますが、背が低いので影響はありません。


これはハイマツ。雨粒満載って勘弁してよでした。


ウラジロナナカマドも意地悪な仲間。たっぷりの雨粒が葉っぱにたまっています。


ナナカマドといっても種類があり、ちょうど並んでいたので写した写真です。右がウラジロナナカマド、左がタカネナナカマド。片方はテカった葉っぱ、もう片方はつや消しです。当然つや消しのほうがたっぷり水滴を残します。雨が降りやんだとしても、歩くコースの植生によってだいぶ濡れ方が違うわけです。


な~んてことを考えながら登っていくと、いつの間にか青空になった山頂周辺でした。


ベニバナイチゴの実もたくさん。


池平山南峰 2555m ここまでは去年来ています、雨と強風の中でした。


南峰と北峰の直線距離は約300mしかありませんが、南峰から下ってコルに行って、北峰に登って終わり!という単純なものではありません。


急峻な地形なので地形図を見て判断するというのも難しいです。地形図上は等高線というよりも岩崖マークが目立つところです。


南峰から下り小ピークを処理して、北峰手前のコルに立つという感じです。全体にうっすらトレースのようなものはありますが、トレースがいつも正しいわけではありません。小ピークの上はハイマツ漕ぎ。トレースに沿って入ってしまいましたが、帰りは東側の草付きから回り込んだらほぼハイマツをかわすことができました。


北峰ピーク直前。


やっと立った池平山北峰。日本海側はきれいな雲海が広がっていました。


池平山北峰の山頂でご褒美のスモモ、完熟の貴陽です。南峰が見えています。あそこまで帰ります。


 八峰、チンネ、剱岳北面が姿を現しました。こんなガラガラで尖がっていて大きな剱岳だと感じました。
 

池平山南峰に戻って振り返った北峰。奥は北方稜線をさらに進んだ毛勝山。


目的達成ということで、草原の様な斜面をのんびり池の平小屋に下りました。


池平山北峰に登ることが出来て3日目が終わりました。池の平小屋に泊まることになりました。2年続けてのトライで小屋番の佐方さんにもお祝いの言葉をいただきました。日本に2500m以上の山が151座あり、池平山が151番目の山でした。僕ではありません、77歳の方が達成した一つの山の目標でした。僕もお付き合いして4年目かな?おめでとうございます。ガイドのサポートがあったとしてもご自分の足でしっかり登った山頂です。


4日間の山行の約束です。池の平小屋から室堂の最終便に間に合うか?とりあえずご一緒しました。標高の高いところはガスに包まれた朝の出発。


2年通った池平山がちょっとだけ顔を出してくれました。小窓のコルもです。


淡々と仙人新道を下り(危険なところはそれでもロープで確保しました。)二股のつり橋を渡ってからは剱沢の登りになります。三ノ沢の雪渓の末端の雪解け。


淡々と剱沢雪渓を登りました。時間を気にしながらというのは精神的にかなりきついことだったと思います。


お盆の期間に入った剱沢のテント場はすごい数のテントが華やかに感じました。


最後の登り、別山乗越のコルに剣御前小屋が見えています。登山道で剣御前小屋のスタッフの女性とすれ違いました。天候で荷揚げのヘリが飛んでいないということで、周辺の小屋にはビールがないという状況でいたが、ちょっとだけなら剣御前小屋にあるという情報をゲット。僕は翌日どうしてもの用事が山梨であるので、16:30の室堂から扇沢への最終便までに乗らないと帰れません。4日間の約束の山行、最終日も頑張っていただき、ビールを確保して剣御前小屋でお別れでした。小屋でゆっくり休んでいただいて、翌日は新室堂乗越経由で下っていただければ安全に下れます。


午後2:30の剣御前小屋で独り身になりました。折角時間をいただいたので、最終便に遅れるわけには行きません。頑張って下って登ったら、1時間で室堂に着いてしまいました。
雷鳥沢の天場もすごい賑わいでした。


最終便一本前に乗ったのですが、すごい混み具合のアルペンルートでした。


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