奥の岩山が鶏冠山です。
鶏冠山のことを書いてみます。「山梨百名山1997年、山梨県によって選定された県内の名山100選」ということになっていて、この山も100の内の一つです。百名山に選ばれていなかったらこんなに注目されることもなかったでしょう。鶏冠谷や東沢の支流を登った後の下山路としてか、鶏冠尾根を奥秩父の主稜線に向けて縦走するとかそんな感じの使われ方だと思います。山梨百名山に選ばれて特別な山になってしまいました。登りたい人がたくさんいる、でもここを登るのにはそれなりの山のスキルが必要である。簡単な山ではありません。
R140の雁坂トンネルのループ橋の手前を右に入ります。山梨市市営の駐車場が左手にあります。
鶏冠山のどこが核心なのかと言われれば、2000mの稜線上の岩稜というイメージを多くの人が抱くでしょう。もちろんそこも核心なのですが、僕が心配するところはその手前です。
山頂までのルートをルート上の特徴から細分化してみます。
①駐車場から鶏冠谷出合まで
林道歩きの後、吊り橋を渡って東沢に入り、右岸の巻き道を進みます。フィックスロープが張られている所は危険ですが、この巻き道を通ると東沢の渡渉を一回で済ませられます。
②尾根のセクション
西沢渓谷と東沢が合流する二俣にかかるつり橋からもよく見えますが、急登の尾根道からスタートです。はじめは少し鶏冠谷を登りますが、すぐに左に尾根道のつずれ織りがあります。
③壁のトラバース
急登の尾根は登りつめると岩壁にぶつかります。樹林帯で木が生えているのですが完全に岩壁です。急登の尾根はその岩壁に吸収されてしまいます。岩壁にぶちあたった登山道は、それを避けるために左にトラバースします。(登りの場合)どこを目指しているかといえば、鶏冠尾根から東沢に落ちている尾根の途中にある‘チンネ’という岩峰のコルです。コルの手前の右の壁が崩れやすい壁で、時々ルート変更を余儀なくされます。
④稜線部の岩稜帯
第一岩峰は右から巻くことが出来ますが、尾根に出るところがホールド少なめです。第二岩峰にいたり途中で、鎖場が2ヶ所でてきます。第3岩峰も巻き道は傾斜があり危険です。
トラバースセクションの危険な場所の写真です。
右の壁を見ると生々しい崩落のあと
鶏冠尾根稜線。手前に初めの鎖が見えます。
ここの鎖場のアンカーはいろいろ問題がありました。今はよりましになっています。
山梨100名山の標柱もだいぶ疲れてきています。
登った尾根をふり返るという写真です。痩せた尾根です。
全てが終わって、鶏冠谷出合に戻ってきました。
むかしは沢を登った下山路としてしか歩いていませんでした。
でも、下から登って細かな検証をしてみると、けして簡単な山ではないと思いました。
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