黒部の下の廊下に行って来ました。
富山県黒部市を流れる黒部川です。長野県大町市と富山県立山町を結ぶ山岳観光ルート「黒部立山アルペンルート」の長野側の入り口、扇沢駅を目指しました。下山が富山県の宇奈月になるので、下山後鉄道を使って大町まで戻る計画。大町駅から10分くらいの市民駐車場に車を停めて、大町駅前からバスに乗りました。下の廊下を歩いて、鉄道を乗り継いで、翌日の夕方にここに戻ってくる予定ということです。
アルペンルートの扇沢の駅前。雨でした。
扇沢からトロリーバスに乗って10数分。黒四ダムに到着。観光客とは反対側にトンネルを進むとすぐに外に出ることが出来ます。登山者用の出口です。出口前にトイレも水場もあるので便利です。
トンネルを出て林道歩きがはじまります。標高差約200mの下りで黒部川本流に立つことが出来ます。黒部川、黒四ダムの下流が下の廊下、上流が上の廊下ですが、上の廊下は沢登りなので普通の登山者は入れません。
観光放水の黒四ダム。
下の廊下は約30㎞ある長いルート。黒四ダムから、トロッコ電車の終点の欅平までのルート。仙人谷ダムまでの旧日電歩道と仙人谷ダムから欅平までの水平歩道、別々の名前が付いています。
きれいなカエデの赤が見えましたが、紅葉には全く早すぎました。
内蔵助谷出合。丸山東壁はガスの中でした。むかし黒部の三大岩壁という言われ方をしていた壁の一つです。丸山東壁、大タテガビン南東壁、奥鐘山西壁 = 黒部の巨人、黒部の魔人、黒部の怪人。
いよいよ水平のとんでもないトラバース道がはじまります。
この辺りはまだ黒部の本流と登山道の高さの違いがないので、心理的には楽な方です。
先ほどの写真の近景。ちょっとホールドスタンスが乏しいので、アンカーが打たれていて補助になっています。
下の廊下の道、旧日電歩道も水平歩道も産業の道です。大正時代の終わりから昭和の初めにかけて様々な会社が電力開発を目指しました。簡単にいえばその名残の登山道です。
雨なので心なしか本流の水量も多い感じ。
白竜峡周辺。谷がすごく狭いです。下の廊下の廊下の意味は、谷の両側がせり立っていて、まるで学校の教室の廊下のようだということでしょう。
左岸につけられたルートは、人為的に削られ彫られた人が歩くために作られたルート。
カメラの露出調整が聞かなくなってしまい、写真は良くないものだらけ。おまけに曇りがちの日。
十字峡。左から剱沢、右から棒小屋沢がほぼ同じ場所に合流して十字を作っているめずらしい沢の出合です。左右からの枝沢ということになります。
こちらの写真は剣沢のつり橋の上からです。奥の沢が棒小屋沢です。
いったん落ち着いた登山道。
1mくらいの幅の登山道。バランスをとるために針金がちょうど手の届く範囲に設置されています。
沢身からどんどん離れていきます。登山道は水平に推移しますが、川は高いところから低いところに流れているわけですから。
人の手によって岩壁を削り取った道。
近くで見た写真。ここいらで本流とは100mの差。
よくぞ削り取ったと思わせる道。
「黒部にケガ人なし」という言葉があります。つまりは落ちれば絶体絶命が確実でケガどころでは済まないってのは間違いない、簡単に言えば生きるか死ぬかの登山道です。
雨具とザックカバーは身に着けておいたほうが良いです。滝の下をくぐります。
対岸に現れる発電施設。黒部川右岸の山の中に、霞が関ビル4個分の空間にある電所。黒4ダムにためられた水をこの発電所に送って発電をしているということです。
水平の道は黒部川に下って、つり橋で対岸に渡ります。
橋の対岸近くを見下ろしたら、むかしのルートが確認できました。川の岸に梯子。つり橋が出来る前のルートでしょう。
黒部川の右岸、トンネルと林道を進みます。
仙人谷下の仙人ダム。
ていねいな案内板。ダムの上を対岸の左岸に渡ります。
吉村昭の小説「高熱隧道こうねつずいどう」の舞台の場所、トンネルの中もけっこう高温です。
普通に作業している方からすれば、僕らのほうが遊びなので違和感があるかも?なんて感じです。
ルートは決められています。
関西電力、人見平宿舎。
ここからは急な登り。結構登りがいがありました。
再び水平な道を行き、短いトンネルが終わると、阿曽原小屋に向けて激下り。
期間限定で営業している山小屋、阿曽原温泉小屋。下の廊下唯一の小屋。
温泉の入浴時間は、男女別で決められています。
ワイルドな温泉。源泉かけ流しというか、熱い源泉に沢水を入れて冷ましてるという感じです。
この日は結局、50張くらいテントが張られました。
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