2021年5月17日月曜日

白岩岳

甲斐駒ヶ岳と入笠山っていう性格が真逆の二つの山は尾根で繋がっています。その繋がった尾根上のひとつのピークが白岩岳です。僕はこの山好きなんです。この山の登山道は西側の小黒川から付いています。戸台仙流荘から林道を2時間歩いた対岸に林業関係の宿舎跡、小黒川を渡渉してそこが登山口。


小黒川の渡渉点。林道から河原に降りたところの瀞を、靴を脱いで渡ろうかと思って周りをよく観察すると、流された橋の基礎部分があるあたりで飛び石で渡れました。目印は橋の基礎です。


宿舎跡は黒河内森林鉄道という森林軌道の上流の基地だったのだと思います。


小黒川左岸から県境の稜線までの標高差は1000m。怒涛の登りです。


倒木処理がされています。周辺の山で唯一登山道として手が入っている尾根です。マーキングもされています。上りの場合は特に迷うようなところはありませんが、地形図は必携です。ポイントは・1540mの小ピーク・1800mの小ピーク・1850mからの岩場・2150mの傾斜が緩くなるところなどです。


・1850mあたりから登場する岩場は、右側の白岩谷を巻き気味にかわせば大丈夫です。


登山道が主稜線に出るのは、白岩岳山頂北のピーク。明治の宮標石がありました。


残雪もあったけど影響はありませんでした。


白岩岳山頂の石塔。正面に「通大天狗」と書かれています。
天保五(1834年)甲午(きのえうま)八月 五穀成就
黒河内村 施主 山本〇〇  江戸時代の終わり、天保の大飢饉と五穀成就と掘られた石塔が通じます。やはりこの山は伊那の山です。


白岩岳山頂から北の三等三角点「東谷頭」までの稜線が素晴らしいんです。いよいよ本番です。黄砂の影響かすっきりしない青空が残念でした。


伸びやかな笹原が気持ちのいい稜線です。トレースなのか鹿道なのかわからないけど、笹が伸び始める前なので歩きやすかったです。奥に釜無山が見えます。


こんな形の甲斐駒ヶ岳や鋸岳ってこの稜線ならでわです。雲がなければさらに右に北岳も尖がった姿が見えます。


三等三角点「東谷頭」が正面に見えます。稜線上は痩せたところもありますが、ちゃんと観察すれば安全なラインが見えると思います。


石灰岩の特異な景色です。


ミツバツチグリだと思います。あまり自信はありません。ほかの花もそうなんだけどみんな小さいです。厳しい環境だということだと思います。


タンポポなんですが、2000mを越えるこの時期に咲いているタンポポ。ひょっとしたら特別な種類かもしれません。


オオイヌノフグリの無茶苦茶小っちゃい奴だと思ったコテングクワガタ、だと思います。


三等三角点「東谷頭」の柱石


三角点ピークから南西の尾根を小黒川に向けて下り始めて、ふと目に入ったセリバオウレン。


シンプルな尾根だけど、こんな絶望的な倒木をクリアするときは要注意です。道間違いのきっかけになったりしますから。


東谷頭南西尾根上の一番特徴のある1850mあたりのテーブル状は、土砂崩れ防止の凄まじい工事跡です。


尾根の下部は広大な伐採跡。カラマツが植林されていて、スチール製の柵で囲われています。その工事の道跡が凄まじい。


東谷頭南西尾根は小黒川支流の笹ヶ平沢と合流するところで終わる尾根です。下っています。右が小黒川で左が笹ヶ平沢、地形図の等高線の尖がりと実際の地形が全く同じなのが面白かった。


小黒川の林道からの白岩岳。山頂下の石灰岩の岸壁が輝いて見えるんだろうという想像です。白岩岳の白の意味。


長い林道歩きにヘロヘロになった山行でした。

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