2021年5月18日火曜日

大網峠

糸魚川から松本までの千国街道は塩の道と呼ばれます。約120km三十里の距離で、信州側では「糸魚川街道」と言われ、越後側では「松本街道」とそれぞれの目的地で呼ばれます。
この日は前半のハイライトともいえる大網峠(おあみ)越え。各コースのアプローチは大糸線の駅を利用してうまく設定できます。平岩駅から電車で根知駅に移動して、峠越えして平岩駅に戻りました。大糸線は本数が少ないので注意は必要ですが。


大糸線平岩駅出て目に飛び込む岩壁。確認は出来てませんが平岩という地名の由来かな?って想像してみました。平岩はかのウェストンが白馬岳に登る際に泊まったところ。


一両編成のワンマンの列車の車窓から明星山。


姫川の支流小滝川のヒスイの山、明星山が近いということを感じさせる「ヒスイ加工販売」の文字。もう商売はなさってないようです。根知の駅前。


根知谷からはっきりと明星山1188.5m。古代の装飾品のヒスイは長いあいだ輸入品と思われていましたが、明治以降全国の遺跡で多くのヒスイ製品が出土して、国産であったということが立証されたそうです。糸魚川の長者ヶ原遺跡でヒスイ加工場が発掘されています。


進行方向には雨飾山。雪の付いていない黒い尖がったピーク、左は1193m標高点。右は戸倉山975.6m、大網(おあみ)峠は戸倉山の左下です。


根知谷は水田が広がっています。圃場整備され整った田んぼ、他ではちょっと見られない整備がされているようです。それぞれの区画には必ずこんな番号が付いています。


各区画にある水の吹き出し口。普通は段々になった田んぼの上流から下流に自然に水が流れていくイメージですが根知谷は違いました。


所々に貯水槽があって、農道の真ん中に配管してあってそれぞれの田んぼに配水する仕組みだそうです。用水のパイプライン化だそうです。


お米作りの安定生産と異業種参入です。農家ではなく農業生産法人がお米を作るのに、それぞれの区画にナンバーをつけてだれでも作業ができるようにした効率化です。ちょうど田植えを建設会社の人が作業着姿でしてました。根知谷全体がお米の生産工場だと思えました。


街道沿いの牛つなぎ石。歩荷宿があった場所だそうです。


コロナ過で金、土、日だけオープンの塩の道資料館。ここには大ケヤキを運んだ大橇が飾られているそうです。橇で鳥越峠に運び上げ、大綱峠の南の横川谷に落とし、姫川から日本海~関門海峡~大阪と運ばれ、京都東本願寺の造営に使われたそうです。壮大な話です。


戸倉山が見えています。いよいよ山の中に入ります。


天気がどんどん良くなって迫力の山々が目の前に。右に雨飾山、一番奥に焼山、左に並んだ鋸岳、鬼ヶ面山、駒ケ岳。


大ザイの神。ザイは塞ぐで、塞の神です。集落の境に祀られ、疫病や悪霊が侵入するのを防ぎ、通行人や村人を災難から守る神様です。


神々しい杉の巨木。根知谷が下に見えました。


所々まだ残雪が。標高約600mです。


これでもかって立派なコゴミ。


白池。歩荷宿が戸倉山からの雪崩によって一飲みされたというところ。


本当にきれいなところ、白池。


糸魚川の街と日本海が見えました。


白いエンゴサク。はじめて見ました。


ミヤマスミレ。立派なスミレで王様のようでした。


オオイワカガミ


白いフデリンドウ。これもはじめて見ました。


横川谷の下りの沢にたくさん咲いていたサワハコベ。


いちばんたくさん咲いていたセリ科のシャク。


道標。「右 松本街道 左 中谷道横川」と彫られています。


ブナの新緑がとてもきれいで感動しました。


角間池。ここも本当にきれいでした。戸倉山の登山口です。


大網(おあみ)峠。根知からの標高差は約700m、古道歩き、素晴らしい景観などを楽しんでの峠なのですが、横川谷の下りはかなりハードです。


いきなり現れた残雪。大網峠から横川谷吊り橋まで約500mの下り。


最後の下りは沢の中を3ヶ所くらい流れをまたぎます。ヌルヌルでとても滑るのでかなりヤバいです。


吊り橋が見えると安心します。


芝原の石仏群。古道に沿って並んでいます。大網集落はもうすぐ。


歩いていると見落としてしまうサイン。なぜか目立たないサイン。


牧坂まで来て見えた姫川。この後とんでもないものが待っていました。


姫川に下りて対岸から撮った写真です。水力発電所の導水管の左、樹木で分かりにくいんですが土砂崩れで簡単には通過出来なくなっていました。


その土砂崩れの場所。牧坂は通過できないと思った方が良いでしょう。


道標の左 牧坂は無理なので姫川温泉の車道で大綱に行くしかないでしょう。


歩きながら収穫した山菜、娘がお世話になっている東京の大家さんのところに送りました。

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