2017年9月3日日曜日

瑞牆山

ほぼ地元の瑞牆山みずがきやまです。登山口の瑞牆山荘へはJR中央線韮崎駅からバスが出ています。そのバスはローカルなコミュニティーバスではなく、登山者の利用を意識したものです。冬期は運行していませんが、このバスを使えば日帰り可能な山が瑞牆です。
僕は車で向かうわけですが、途中のバス停がちょっと面白いのでご紹介します。増富ラジウム温泉峡の手前は小さな尾根を越える峠道です。南から北に向かいます。南の集落は「日向ひなた」です。


峠を越え、下った北の集落は「日影ひかげ」です。この日向と日影という地名2つが、地名というものの意味を簡単にあらわすものだと思います。当然人々の交流があってこその地名です。峠の名前はわかりませんが、これも山の楽しみでしょう。地名を考えるということです。


金山平、瑞牆山荘の先、みずがき山自然公園に車を停めてスタート。みずがき山自然公園の南の天鳥川の南の尾根に取り付きました。遊歩道が整備されていますがちょっと古いです。やがて林道に出て瑞牆山荘からの登山道に合流。


瑞牆山の南面の岩壁がガスで見えません。


深田久弥は「針葉樹の大森林からまるでニョキニョキと岩が生えているような山」と表現した瑞牆山です。秋の空気を今年初めて感じた日でした。とにかく目立っていたマルバタケブキの黄色。


富士見平小屋。名前から富士山が見えるのでしょうが、樹々があって展望はありません。小屋前のテントサイトを下れば展望があるかもですが、試したことはありません。


富士見平小屋からいったん天鳥川上流に下って本格的な登りです。すぐに登場する桃太郎岩。


急登と岩の登山道です。


鎖が設置されているところもありますが、絶対に必要かと言えばそうでもありません。


大ヤスリ岩が見えて来るとともに青空。


瑞牆山山頂。南は絶壁なので安定したところでを選んで休みます。


山頂から見下ろす大ヤスリ岩。


下りは別ルート。不動沢のルートを下りました。富士見平小屋からのルートとは違って、針葉樹の森の中の緩やかな登山道です。山頂横の分岐点。


多少岩場もありますが短いです。岩場というより大岩を巻くという感じです。


不動沢に降り立つと不動滝です。花崗岩の一枚岩を流れる水がさわやかです。


整備された登山道ですが、この鎖の手すりには注意です。体重掛けたら根元から曲がるでしょう。


登山道の脇にあるクライミングルート。


不動沢の林道終点は満車でした。


みずがき山自然公園をぐるっと回るような遊歩道で下山。今から16年前なんだ~という感想です。毎年春に都道府県持ち回りで行われる「全国植樹祭」、国土緑化というテーマだと思います。数千人から1万人のセレモニーです。天皇陛下の行幸行事なので会場整備や道路整備が半端ないです。みずがき山自然公園はそのセレモニーのために造成された広場です。緑の芝生のきれいなキャンプ場です。


最後に瑞牆山が顔を出してくれました。尖ったピークは十一面(といちめん)のピーク。その下の壁は日本のフリークライミングの歴史を語るときに必ず登場する壁です。


2017年9月2日土曜日

真砂沢ロッジ

なんだか山小屋紹介みたいなブログになって来ましたが、3泊4日の山行のウェアはカッパという感じだったので、宿泊の小屋には本当にお世話になりました。3泊目は真砂沢ロッジでした。小屋の受付の入り口。剣沢の左岸の段丘状の広いたいらを真砂平と呼ぶそうです。ちょうど立山の北の真砂岳と別山を源流とする真砂沢が、剣沢に合流するところです。地図読みみたいですが、沢の中では枝沢の出合が目印になります。小屋のネーミングの意味です。


宿泊者の出入りはこちらの入り口。要塞の様な石垣に囲まれていますが、過去に何度も雪崩の被害を受けています。昨年も雪害で小屋のオープンが遅れたそうです。大量の雪から小屋を守るための石垣です。それでも今年も小屋開けの時は、建物の半分が雪に押しつぶされて、使えるのは3分の1の状態からのスタートだったそうです。


ここに寝るわけですが、傾いた小屋を急ごしらえで直したスペース、大量の雨でも雨漏りはありませんでした。扉は傾いているし隙間はあったりしますが、快適に眠れました。


乾燥室、いや仮設乾燥室。というか、小屋の人にいろいろお話を聞いていたらこんな感じの毎年みたいです。建物自体が雪にやられてしまうので夏の間の仮の住まいってことでしょうか。それでもこの乾燥室はジェットストーブガンガンで、雨に濡れた体自体も乾燥してしまうくらいの勢いでした。


自炊室。


発電機の小屋も傾いたまま。シュールです。


トイレ。小屋に着いた後も時々バケツをひっくり返したような雨でした。宿泊スペースから乾燥室やトイレに行くのにも、意を決してしっかり準備して行かなければなりませんでした。傘を準備して、ズボンの裾をまくり、靴下を脱いでGO!です。


石垣と小屋の間のスペース。


大きなテントばかりです。なんでこの時期なのかはわかりませんが(8月下旬でした)、大学山岳部の合宿地としての利用が多い真砂沢ロッジ。ここから雪渓を利用したアイゼン、ピッケルワークのトレーニングや、八ツ峰や源次郎尾根にクライミングに行くという合宿の中身になります。若い人は元気です。


夕食。


今年から管理人が変わったそうです。物腰の低い丁寧な会話をされる方でした。


坂本心平さん。真砂沢ロッジの前は剣御前小屋にいたそうです。


朝食。


翌朝、当分は止まない雨という感じなので、カッパを着て出発しました。
真砂沢ロッジ、標高1750m。黒四ダムからハシゴ谷乗越経由、または欅平から仙人谷、仙人峠経由の入下山の中継点です。ここに小屋があることの意味がとても重要な場所に建っています。そして、黒四ダムに行く場合は剣沢を渡らなくてはなりません。8月の下旬ごろにハシゴ谷乗越へ行くための橋を剣沢にかけるのも真砂沢ロッジの仕事だそうです。今年は小屋開けも大変だったし雪も多いので(この段階では三ノ沢の雪渓を渡ってハシゴ谷乗越へ行けました)、9月のはじめに橋を架けると言ってました。
いろんな地図を見て気になったこと。ハシゴ乗越(はしごだんのっこし)です。自分も間違っていたかもしれませんが、ハシゴ乗越ではありません。剣岳周辺では「谷」を「たん」もしくは「だん」と読むのだそうです。はしごという響きに、つい段という漢字をイメージしてしまいますが間違いです。ハシゴ谷(はしごだん)は、ハシゴ谷乗越の剣沢側の支流だそうです。



2017年9月1日金曜日

池の平小屋

3泊4日の雨にたたられた山行、早めの行動でそれぞれの山小屋に大変お世話になりました。2泊目は池の平小屋という裏剣と呼ばれるエリアです。富山県です。この小屋に行くためには剣沢の二股、近藤岩から仙人新道という登山道を標高差約800m登ります。黒部渓谷の欅平方面からもアプローチ出来ますが、やはり1日では厳しいルート。仙人新道はミヤマママコナという紫の花とアカモノというツツジの仲間で埋め尽くされていました。この赤いのがアカモノです。赤い実は食べられるそうですが、未だ食べた事はありません。


山小屋の看板ってそのままその小屋の歴史です。


仙人新道を登って仙人峠を通過して、池ノ平山と仙人山のコルの池の平小屋です。標高約2100m。小屋に着いて北側に回ってこの看板。いろんな人の思いで山小屋は成り立っています。そんなことを感じさせる看板です。


毎日雨ばかりでこの気温、濡れた体で参っちゃいます。寒い。


雨がいったん止んだので、小屋の南にある池塘群まで下りてみました。木道が整備されていましたがもうだいぶ古い。


池の平の池とか平の池とか呼ばれています。なんだかややこしい名ですが、小屋にあった本の中にはこんな文章「古い絵図を見ると、この池は剱池と記されている。こんな立派な古名があるのだから、当然これを使うべきであろう。」だそうです。


またすごい勢いで降り出した雨。


急いで小屋に戻っている時、一時的にガスがとれ池ノ平山が見えました。赤いバラック小屋はお風呂です。


石鹸もシャンプー使えませんが、汗を流せるのは有難いです。


乾燥室兼自炊室。


ずぶ濡れになったので、とりあえず乾いた物にそでを通せるのも有難かった。翌日も雨でしたが。


トイレは旧式で離れています。


素朴な食事。


モリブデンというレアメタル、希少金属です。池の平小屋の初めは小黒部鉱山(こくろべこうざん)と言う鉱山の作業基地。大正時代のはじめにモリブデン鉱を採って、大窓(北方稜線上のコル)から白萩川を下り富山県上市町に運んでいました。しかし黒部の奥の地、鉱山は太平洋戦争を挟んで閉山と再開を繰り返し、戦後山小屋となっていきます(簡単には語りつくせない歴史)。登山者がたくさん訪れる場所ではありません。小屋の経営も大変なんだというお話を小屋番さんがされてました。
ところでモリブデン、意外と親しみがあります。クロモリ、登山だとクロモリ製のハーケンとか、自転車ならクロモリ製のフレームとか。クロムモリブデン鋼の略がクロモリです。鉄にわずかなクロムとモリブデンを混ぜた合金です。強度と硬度が出て加工しやすくなるということだそうです。意外と身近なモリブデンだと思います。


雨の池ノ平山から下山しての小屋の前です。東を向いています。右が剣沢の北股、左は小黒部谷。


雨の中下ってきて温かい麺がうれしかった写真です。暑い中の登山を想定していて、3日目のお昼はどこかの沢でひやむぎでもつるつるっとと思っていたのですが、とても寒く、乾燥室をお借りして温かい麺にしようと悪戦苦闘していたら、小屋番さんが台所で作ってくれた温かいひやむぎです。ありがとうございました。
食べ終わってまたまた雨の中、仙人新道を下山して真砂沢ロッジまで移動したのでした。


去年の写真です。全く見えなかった八ツ峰です。