3泊4日の雨にたたられた山行、早めの行動でそれぞれの山小屋に大変お世話になりました。2泊目は池の平小屋という裏剣と呼ばれるエリアです。富山県です。この小屋に行くためには剣沢の二股、近藤岩から仙人新道という登山道を標高差約800m登ります。黒部渓谷の欅平方面からもアプローチ出来ますが、やはり1日では厳しいルート。仙人新道はミヤマママコナという紫の花とアカモノというツツジの仲間で埋め尽くされていました。この赤いのがアカモノです。赤い実は食べられるそうですが、未だ食べた事はありません。
山小屋の看板ってそのままその小屋の歴史です。
仙人新道を登って仙人峠を通過して、池ノ平山と仙人山のコルの池の平小屋です。標高約2100m。小屋に着いて北側に回ってこの看板。いろんな人の思いで山小屋は成り立っています。そんなことを感じさせる看板です。
毎日雨ばかりでこの気温、濡れた体で参っちゃいます。寒い。
雨がいったん止んだので、小屋の南にある池塘群まで下りてみました。木道が整備されていましたがもうだいぶ古い。
池の平の池とか平の池とか呼ばれています。なんだかややこしい名ですが、小屋にあった本の中にはこんな文章「古い絵図を見ると、この池は剱池と記されている。こんな立派な古名があるのだから、当然これを使うべきであろう。」だそうです。
急いで小屋に戻っている時、一時的にガスがとれ池ノ平山が見えました。赤いバラック小屋はお風呂です。
石鹸もシャンプー使えませんが、汗を流せるのは有難いです。
乾燥室兼自炊室。
ずぶ濡れになったので、とりあえず乾いた物にそでを通せるのも有難かった。翌日も雨でしたが。
トイレは旧式で離れています。
素朴な食事。
モリブデンというレアメタル、希少金属です。池の平小屋の初めは小黒部鉱山(こくろべこうざん)と言う鉱山の作業基地。大正時代のはじめにモリブデン鉱を採って、大窓(北方稜線上のコル)から白萩川を下り富山県上市町に運んでいました。しかし黒部の奥の地、鉱山は太平洋戦争を挟んで閉山と再開を繰り返し、戦後山小屋となっていきます(簡単には語りつくせない歴史)。登山者がたくさん訪れる場所ではありません。小屋の経営も大変なんだというお話を小屋番さんがされてました。
ところでモリブデン、意外と親しみがあります。クロモリ、登山だとクロモリ製のハーケンとか、自転車ならクロモリ製のフレームとか。クロムモリブデン鋼の略がクロモリです。鉄にわずかなクロムとモリブデンを混ぜた合金です。強度と硬度が出て加工しやすくなるということだそうです。意外と身近なモリブデンだと思います。
雨の池ノ平山から下山しての小屋の前です。東を向いています。右が剣沢の北股、左は小黒部谷。
雨の中下ってきて温かい麺がうれしかった写真です。暑い中の登山を想定していて、3日目のお昼はどこかの沢でひやむぎでもつるつるっとと思っていたのですが、とても寒く、乾燥室をお借りして温かい麺にしようと悪戦苦闘していたら、小屋番さんが台所で作ってくれた温かいひやむぎです。ありがとうございました。
食べ終わってまたまた雨の中、仙人新道を下山して真砂沢ロッジまで移動したのでした。
去年の写真です。全く見えなかった八ツ峰です。
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