2020年8月11日火曜日

ブナ立尾根

日本三大急登という表現があります。数ある登山ルートの中でも心して取り組まなければならないという印象です。甲斐駒の黒戸尾根、剱岳の早月尾根、どちらも間違いなく日本の登山コースの中でも大変なルートで間違いありません。それ以外に燕岳の合戦尾根とか谷川岳の西黒尾根、そしてこのブナ立尾根などが急登の候補に上がります。正解はないと思いますが、今回のブナ立尾根は大変急で崩れやすい場所をしっかり整備して、安心して登れる結構特別感がある尾根です。自家用車で行けるのは七倉山荘までという写真。


ブナ立尾根のアプローチ、大町の街から西へ進むと高瀬川に大町ダム、七倉ダムと登場し車で行けるのはここまで。最後の高瀬ダムまでの道はほぼトンネルで、あんまり楽しいわけではないのでタクシー移動で向かいます。今年から200円値上がりした高瀬ダムまでのタクシー運賃。


七倉山荘に着いた時、ゲート前に工事車両がずらっと並んでました???。早朝に高瀬ダムで落石があって通行止めだというのです。ラッキーなことに落石の処理が終わって通行止め解除で行動開始となりました。あるあるですが予定が1時間くらいずれたのは焦りました。


高瀬川左岸、高瀬ダムすぐ横の崩落ヶ所の写真。


東洋一(もはや抵抗がある昭和な言葉ですが)といわれるロックフィルダムの高瀬ダム。積み上げられた岩の間を縫うように車道が付けられて行て、タクシー利用だと15分くらいで高瀬ダムの上に行けます。


七倉ダムから15分くらいで到着の高瀬ダムの上。ダムの真ん中くらいまで行ってタクシーから降ろされます。手前の一番目立ってるのがブナ立尾根です。


右奥の尖がりが烏帽子岳


ダムの上から進んですぐにこのトンネルです。真っ暗なんでヘッデンがあった方がいいです。5分くらいのトンネル歩き。


不動沢の吊り橋。不動沢の最上部は船窪岳。


尾根を巻いて濁沢の傾いた橋。地名通りの濁った沢で、その濁り具合が半端なっかったです。水場マークが近い沢だったので一瞬焦りました。こんな濁った水では飲用は不可能です。幸い地形図を見て先の小さな枝沢が大丈夫そうに思えた通り水を7ℓゲット。


いよいよブナ立尾根の始まり


すぐに工事現場の足場の連続には驚きました。
 

ブナ立尾根を登っていくにつれその整備のセンスに感動すら覚えました。それはもちろん1回や2回の整備ということではなく何年、何十年にわたってこの尾根を登ったり下ったりしながら、様々なレベルのここを通る人たちが少しでも安全に通過で来るよう整備されている、ということを感じました。角材のステップも自然な段差で足を置き易かったし、下の写真は急傾斜のところで右側に落ちたらすごいダメージなんだけど、手で触れることが出来ない高さなんだけど、ロープやパイプ、枯れ木なんかがガードしていて安心感を生んでいました。


12番から0番(烏帽子小屋のナンバー)までナンバリングされているのは標高差約100m毎です。6番の中休みという名前のところが中間地でしょう。


基本尾根なのでダメージを受けることは少ないと思いますが、ひとつひとつのステップに細かな配慮があるんです。杭を打てばその頭をわかりやすいように黄色のペイント。人為的なものだけに頼らず自然の根っことのコンビネーションもありで、少しでも歩きやすいようにという配慮をビシバシ感じました。


針葉樹の根っこをうまく使った登山道。


並んで変化がわかるツバメオモトの実


ポイントの三角点。三等三角点点名「小屋ノ沢」。ここを過ぎれがさすがのブナ立尾根も歩き易くなります。


それでも両手を使わなくてはならない根っこ越えなんかもありますが、安心の登山道になるんです。


主稜線を越えてちょっと下って烏帽子小屋。1日目はここに宿泊。水は天水が1ℓ200円。


イワギキョウが見事だった烏帽子小屋の前。


夕方時間があったのでちょっと空身で散歩。船窪方面の登山道は通れないようです。


花崗岩の風化した白砂。目の前のピークまで行ってみました。ニセ烏帽子といわれる前烏帽子岳。ニセモノみたいなニセなんて言葉が付くのはかわいそうです。


前烏帽子のピークに立ったら立派な烏帽子岳が目の前でした。行ってみたいって思う素晴らしいピーク。烏帽子岳です。


花崗岩の砂礫地になにげにコマクサがたくさん咲いていたのはうれしかったです。


0 件のコメント:

コメントを投稿