2020年8月23日日曜日

編笠山

釜無川林道から見た編笠山です。奥に鋸岳第一高点が見えています。編笠山といえば八ヶ岳の編笠山が一般的ですが、鋸の北にも2514mの編笠山があるんです。釜無源流の続きです。


角兵衛のコルで泊まった翌朝は少し寝坊をしてしまいました。とりあえず第二高点まで行くことを決めての出発。角兵衛のコルから第一高点まではすぐです。


奥にうっすら御嶽が見えてます。一応いい天気。


間違いなく通過するために小ギャップは懸垂下降。


これはややこしい話なんですが、純粋に尾根通しに進むとしたら第一高点の次が小ギャップで、その次に第三高点が登場して大ギャップ、最後に第二高点です。第三高点への岩稜には沢山のタカネビランジ。


第三高点から見た第二高点。奥には甲斐駒です。
 

大ギャップを覗きましたが第三高点から大ギャップの底は見えません。第一高点から第三高点を通過して大ギャップに立つというのは比較的容易です。でも大ギャップから第二高点に登るルートは難しいルートファインディングです。岩が安定していないし(ボロボロ)、悪い草付きの連続です。見下ろした壁、第二高点から草付きを下って大ギャップに降るには最後は見えている垂直の壁の懸垂下降です。その懸垂下降には40ⅿザイルが2本必要です。僕らは30m2本なので10ⅿも足りません。第二高点から大ギャップのヘリまで行ってみて、写真の左のブッシュに弱点がないかということを偵察してみたのですが、無理はしないことに決めました。他の目的があったからでした。


第三高点から第一高点の方に戻った途中に鹿の窓はあります。


鹿の窓の穴を通過すると鹿の窓ルンゼ。小石の落石が頻発する結構ヤバいルンゼ(急傾斜の沢)です。下った最後のバンドは雨に流されたのかスッキリきれいになってました。ルーズな小石が乗っかったいやらしいバンドだったんです。


バンドの先の大ギャップルンゼ。ここも花がすごかった!


大ギャップルンゼの対岸、第二高点から西に延び尾根に取り付くために幅が広くてゆるいルンゼの右端に取り付きます。


ひと登りで第二高点です。修験者の鉄剣と第一高点。トレースを大キレットのヘリまで行ってみたけどギャンブルは出来ませんでした。当初は30ⅿロープ2本で大ギャップに下れるかなんて考えていましたが諦めました。大ギャップルンゼから鹿の窓ルンゼに入って鹿の窓を通過して戻ることにしました。来た道を戻ったということです。過去の経験から第二高点から大ギャップに懸垂する場合は40ⅿの垂直の懸垂なんです。


第二高点のエスケープルートから下って、大ギャップルンゼから見た大ギャップ。


大ギャップルンゼから鹿の窓ルンゼを登り返してもうちょっとで鹿の窓。岩稜にある奇跡的な穴を通過するんでかなり特別な気分です。


小ギャップを登り返して第一高点を経過して、角兵衛のコルでツエルトを回収して三角点ピークから編笠山を目指しました。ロープを使うような悪場はないにしても読図が難しかった下り。写真は編笠山の山頂です。三角点ピークと第一高点が後ろです。


地形図で示します。フリーハンドの赤丸のエリアが難しい読図でした。何度も修正しながら下りました。赤のポイントから青のポイントまでの間です。その先には1839m標高点があってそこからはかなり簡単な読図になります。


こんな植生の下り。一気に下りましたが何度も修正したりしたので編笠山から中ノ川出合まで3時間もかかってしまいました。


中ノ川出合の上流の堰堤に無事到着。登りながら観察していて狙ったこの堰堤に出てきた時はガッツポーズです。お疲れさまでした!


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