2015年7月14日火曜日

森林軌道

今年は何度も秩父に行っています。
国道140号線雁坂トンネルを通ります。そのトンネルの手前に道の駅みとみがあります。さらにその手前にトロッコを復元したものと案内が書かれているのは意外と知られていないかも知れません。国道のすぐ脇です。


何度も国道の拡幅が行われて来たはずなので、この場所に実際レールが敷かれていたわけではないと思います。この地域の重要な産業だった林業の歴史を今に伝える展示でしょう。

伐採した木材を運ぶための鉄道を森林鉄道というそうです。規模の小さいものが森林軌道。


このトロッコの展示、じっくり見たのは初めてでした。笛吹川の上流、ハイキングコースとして有名な「西沢渓谷」、その登山道の一部が森林軌道跡を通るのは有名です。森林軌道の解説です。
ちなみにトロッコというのは、切出した木材を載せる車輪の付いた台車のことで、その台車を走らせるためのレールが森林軌道。

「このトロッコは三富村と塩山を結ぶ三塩軌道といい、昭和8年から昭和43年まで、主に西沢、東沢一帯の県有林の木材搬出に活躍したものです。全長36㎞。・・・」


ブレーキシステム
「自然勾配をせび(ブレーキ)だけで塩山駅まで下り、登りは馬で2台づつ引き上げていました。・・・」

このブレーキ、木です。手前のレバーのコントロールで木をレールにこすり合わせてスピード調整。すごいですね、全長36㎞を自然の勾配だけで下る。動力(エンジン)ではないんです。


山梨には20か所程度の森林軌道があったそうです。実際によく行く山域では、笊ヶ岳の奥沢谷、八ヶ岳の地獄谷などでその痕跡を見ることが出来ます。昔山仕事で使われていた森林軌道跡が登山道として今も生きているということです。


これはだいぶ前の写真です。三塩軌道(三富村と 塩山市の頭文字)のすぐ近く、旧牧丘町内の森林軌道跡の写真です。三塩軌道とは別に杣口林用軌道というのがあって、さらに上流にある奥千丈林用軌道の写真です。三塩軌道は、ネット検索すると詳しい様子が写真付きで見ることが出来ますが、こちらはそれほど情報がありません。


昔、荒川の源流部を詰めて金峰山に行ったことがありました。その時の写真です。標高2200~2300mのところまで森林軌道跡があったと思います。今でも大弛峠に行く自動車道の途中、荒川の支流、アコウ沢を過ぎたところから(標識あり)荒川本流に下る途中でこの奥千丈林用軌道を利用して、支流の御室川に入り、御室小屋跡を通って昔の金峰山表登山口に比較的簡単に行くことが出来ます。 

奥千丈林用軌道は結構ズタズタですが、こんなアプローチで山に行っても面白いかも知れません。



0 件のコメント:

コメントを投稿